CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

オリンピックを考える(7)

2024-08-04 16:37:00 | スポーツ
 パリオリンピックも開幕から1週間を迎えています。フェンシングでの活躍はあったものの、且つてお家芸だった水泳での不振が目立っています。東京大会ではいきなりの混合ダブルスで金メダル獲得で気を吐いた卓球も早田ひな選手が残っているだけという状況です。その早田選手は左手を痛めながら銅メダルを獲得しました。痛み止めを打ちながらの強硬出場で、彼女の今後の選手生命に影響が無いことを願います。

 お家芸の柔道も中量級までは優位でしたが、体重が上のクラスではやはり苦戦を強いられています。「柔よく剛を制す」と言われる柔道ですが、女子は最軽量の48kg級の角田選手が金メダルと手にしましたが、阿部詩選手を筆頭にメダルにすら手が届かない状況になっています。かろうじて57kg級で舟久保選手が粘りに粘って銅メダルを手にしましたが、金メダルはカナダ国籍の出口選手でした。

 柔道に関しては国内に強い選手が多いので、オリンピックに出場すること自体が大変なので、国籍を日本以外に移してオリンピックに出場する選手も増えているのが実情です。ただ、そうして海外へ出て行った選手に日本の選手が負けてしまうのにはそれなりの理由があるように思います。
 メダルの数では圧倒的な日本の柔道ですが、メダルを取れる選手とどうしてもメダルに手が届かない選手がハッキリし過ぎているように感じます。連覇を果たした阿部一二三選手は3連覇も可能でしょう。また、銅・金・金と3大会連続でメダルを獲得した永瀬選手も素晴らしかったのに対し、何度もオリンピックの舞台に立ちながら一度もメダルに届かない選手がいるのもまた事実なのです。日本の柔道界は選手育成だけでなく、選手選考の基準を見直す時期に来ているのかもしれません。今後は団体で確実にメダルは取れるでしょうが、今一つ物足りなさを感じてしまったのも事実です。

 個人では圧倒的な強さを見せ、金メダルを9個と量産した東京大会ですが、団体ではフランスに敗れ銀メダルに終わっているのです。金メダリストが9人もいても勝てなかったのは団体の体重の区分にあります。女子は57キロ級、70キロ級、70キロ超級の3選手が出場し、男子は73キロ級、90キロ級、90キロ超級の3選手が出場します。この区分が日本にとって微妙にビトインで、選手選考で迷うのです。

 
 
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パリで輝いたエヴェネプール(1)

2024-08-04 09:13:14 | スポーツ
 2週間前にツール・ド・フランスを終えたばかりとは思えないエヴェネプールの走りでした。1週間前には雨の中の個人TTで現世界チャンピオンの強さを見せつけたエヴェネプールが、ロードレースでも後続に1分以上の差を付けて2個目の金メダルを獲得しました。これは史上初の偉業です。

 これまではロードレースの中でもTTは特殊な種目でスペシャリストがいたのです。それが、近年のロードレースのスピード化の影響か、TTに弱い選手はロードレース、特にグランツールでは総合優勝できない時代になっています。ポガチャルにしてもヴィンゲゴーにしてもツール・ド・フランスを総合優勝する選手は個人TTでも勝っているのです。
 勿論、平坦の純粋なスピード比べではフィリッポ・ガンナのようなトラック選手が強いのは当たり前なのですが、そのガンナを抑えてジロの個人TTをポガチャルは勝っていますし、今回のパリオリンピックの個人TTでもエヴェネプールがガンナを抑えての金メダルだったのです。

 身長が171cmと小柄なエヴェネプールのどこにそんな力があるのかといつも不思議に思ってしまいます。元はジュニアのベルギー代表に選ばれるほど優れたサッカー選手でしたが、自転車競技に転向するとあれよあれよと勝ちまくり、2022年には22歳の若さでロードの世界チャンピオンにまで登り詰めて行きます。昨年は個人TTでの世界チャンピオンになっているのです。2000年生まれの24歳で、今年はツールのヤングライダー賞をポガチャルから引き次いでいます。
 戦前の大方の予想はファンデルプールVSファンアールトのようでしたが、2位・3位にはフランス人のヴァランタン・マディアスとクリストフ・ラポルトが名を連ねました。これは、フランス代表の選出をツールの第1週が終わる迄遅らせたヴォクレール監督の英断が実を結んだ結果だと思っています。本来ピーキングは所属チームや選手個々の判断になることが多いのですが、国別対抗戦になるオリンピックに選手のピークを合わせるのは非常に難しいのです。特にツールから間がない状況では尚更でしょう。

 それを開催地が地元パリだという利点も考慮し、選手の調子をギリギリまで観ての選出だったようです。逆に早々にオリンピックメンバーを確定させていたファンデルプールやファンアールトはオリンピックを意識し過ぎていたように見えました。ファンアールトはシーズン前半に落車骨折があり、当初のスケジュールが狂ってしまった影響もあったのかもしれませんが、ファンデルプールは東京のMTBのXCに続き、優勝候補筆頭に名が挙がりながらまたメダルに手が届きませんでした。

 今年の春のクラシックでは無類の強さを見せつけてたファンデルプールはいったい何処へ行ってしまったのでしょう。ツールの時から調子が良くないのは分かっていましたが、それはピークをオリンピックに合わせているためだと思っていたのですが、本当に調子が悪かったのか、国を背負うプレッシャーなのかは分かりませんが、力を出し切れずに終わってしまいました。
 一方のベルギー勢はレムコ(エヴェネプール)とワウト(ファンアールト)のどちらか調子の良い方で行こうとしていたのか、初めからレムコで狙うことを決めていたのかは分かりませんが、今は純粋にレムコの力の方が上でしょう。それは個人TTでもレムコに敗れたワウトが一番良く分かっていたことかもしれません。
 



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