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オリンピックを考える(5)

2024-08-01 13:20:58 | スポーツ
 男子バスケットボールの予選は完全アウェイの中、フランス代表を追い詰めるも、延長戦の末に敗れてしまいました。八村選手のファウルでの退場や、最後の河村選手のファウルを巡ってSNS上で様々な意見が飛び交っています。柔道での審判の判定に疑問の声も上がっているのも輪をかけてしまっているのかもしれません。
 スポーツであるある以上、審判の判定が全てなのが原則ですが、審判が人である以上誤審は避けられないのもまた事実です。近年はVARの導入等で、正確性を期すようになってはいますが、残念ながらバスケットでは1試合に1度しか認められていないのです。

 1セット毎に2度認められているバレーボールでは、ドイツ代表が日本代表に上手く行使して試合の流れを変えていました。今回の試合ではホーバスヘッドコーチが前半で使い失敗していたので、最後の河村選手のファウル判定にVARが使えなかったのです。これもルールなので、その結果を審判のせいにするのは公平ではないと思います。写真を見る限り河村選手はファウルではなかったようですが、コーチがVARの権利を残していたら結果は変わっていたでしょう。審判も同じ気持ちだったのかもしれません。こうした結果を左右しかねない重要なプレイに関しては、審判団の協議でVAR判定に持ち込むルールを追加しても良いのではないかと思っています。

 ただ、バスケットボールはトラジッションスポーツで、常に攻守が激しく入れ替わるので、その流れを切りたくないという考え方があります。サッカーもそうですが、今はオフサイド判定は線審が旗を挙げますが、最終判定はVARで行われるシステムが導入されています。線審が旗を挙げてもオフサイドが確定するまで試合が続行されているのはそのためです。また、ファウルがあってもファウルを受けた側にボールがある場合は試合を流すというケースもあります。
 審判のせいで負けたとは選手自身が考えてもいないことなので、外野が色々言うのは違いなのかなと思います。フランス相手にここまで戦える今の日本選手は正直凄いと思います。NBAの選手が8人、その中に身長が220㎝を越えるような選手がいる相手に一度は勝利が見えるところまで行っているのですから。ただ、落ち着いてプレーしていれば勝てていた試合でした。そこはこれからの経験です。

 残り16.4秒で4点差、相手の3ポイントが決まっても1点差でまだ勝っているのですから、あそこで3ポイントシュートを無理に止めに行く必要はなかったと思います。こちらの攻撃で1点差、残り時間を考えれば、落ち着いてボールを回していれば良かったのですから。延長でのフランスは残り6秒で同じく4点差でしたが、日本の3ポイントにはガードに行かず、全員がゴールを向いてリバウンドに備えていたのとは対照的でした。河村選手も今後NBAでプレイし、修羅場を数多く経験し、次に繋げて欲しいと願っています。連敗で厳しいスタートになっていますが、最後のアルゼンチン戦に勝てばまだ先へ進む可能性は残っているので、切り替えて次戦への準備をして欲しいと思います。

 私の世代はサッカーの「ドーハの悲劇」を知っています。1994年開催のFIFA ワールドカップ・アメリカ大会への出場国を決めるアジア地区最終予選で日本はグループリーグ首位で迎えた最終第5節イラク戦で、試合終了間際まで2-1でリードしていながら、ロスタイム残り数秒でコーナーキックで同点ゴールを入れられ、韓国に勝ち点で並ばれ得失点差で敗れて、「予選グループ3位」となり予選敗退となってしまったのです。私も眠い目をこすりながら日本のワールドカップ初出場を願いながら観ていたことを鮮明に覚えています。あの時も無理に攻めに行ってボールを奪われた結果でした。これも経験の無さだったと思っています。日本サッカーはこの経験とJリーグの発足によってワールドカップの常連国へと階段を上がって行きましたが、ワールドカップでは未だベスト8の壁が立ちはだかっているのが実情なのです。
 サッカーに比べれば今のバスケットボールはもの凄いスピードで進化を見せていると感じます。昨年のワールドカップで躍動しアジア最上位でパリオリンピックの自力出場を決めているのです。48年間もオリンピックへの自力出場が出来なかったバスケット男子。Bリーグが出来、NBAで活躍する選手も出て来たことで、確実にステップを上がっている感じです。日本は世界ランクが26位なのだということを忘れてはいけないと思います。12カ国しか出られないオリンピックでは、実力は明らかに下で、フランスに勝てていれば 「パリの奇跡」と呼ばれて良いほどのことだったのです。
 



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