CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

オリンピック女子ロードを征したのはSupersix EVO

2024-08-09 15:49:44 | スポーツ
 パリオリンピックの男子ロードレースはベルギーのレムコ・エヴェネプールの2冠で盛り上がっていましたが、女子のロードレースで金メダルを獲得したのはアメリカのクリステン・フォークナーでした。クリステンはEF-オートリー-キャノンデールの所属選手でバイクは第4世代のSupersix EVOです。

 優勝候補のコペッキーとフォスを残り3kmで置き去りにしたスピードは流石でした。彼女はトラック種目のチームパシュートでもアメリカ代表として金メダルを手にしていつのです。男子はエヴェネプールの独壇場で今年50周年を迎える老舗スペシャライズドのS-WORKS ターマックSL8ばかりが目立っていたのですが、cannondaleも負けていませんでした。
 新型AEROD CFRで臨んだファンデルプールは良いところなしでした。今回のようなアップダウンが多いコースでは純粋なエアロロードは不向きだったのでしょうか?ツール・ド・フランスの山岳賞に続きオリンピックの女子ロードレースの金メダルはcannondale大好き人間にはたまらない結果です。最下級モデルとはいえ、フレーム形状は全く同じバイクに乗る者としては尚更です。

 31歳にして初めてつかんだ五輪出場で金メダルを獲得したクリステンは、その経歴がユニークです。2016年にハーバード大学を卒業後、ニューヨークのベンチャー企業の投資部門で勤務していたエリート女子なのです。それまではボート競技で有望視された選手だったようですが、自転車競技に転向。2020年にプロライダーとして活動を始めた当時は、まだシリコンバレーのベンチャー企業の投資部門でフルタイム勤務していたというのです。
 こんなエリートコースを捨ててまでプロのロードレーサーの道を選んだクリステンは2022年にはジロ・デ・イタリア ドンネでステージ2勝。今季もブエルタ・エスパーニャ・フェメニーナでステージ1勝を挙げ、国内選手権では女王にも輝いているのです。多分、現役引退後は元の部門に戻るのかもしれませんが、日本で東京大学を卒業し大手の銀行に勤務した人が、ロードレースの選手になることはおそらく無いでしょう。
 そもそもこの国では勉強の出来る人と運動能力が高い人は別と考えるようですが、欧米ではどうやら違うようです。甲子園を沸かせた佐々木麟太郎選手がプロ野球ではなくアメリカのスタンフォード大学進学を選んで注目されていましたが、そもそも欧米ではそれが当たり前なのかもしれません。
 そもそも勉強だけ、スポーツだけという考え方が昭和なのかもしれません。レスリング女子68kg級で銅メダルを獲得した尾崎野乃香選手は慶応大学の学生です。レスリングの強豪校ではなくあえて慶応大学を選んでの今なので、「文武両道」というのは最早昭和の間隔なのかもしれません。こうした新人類たちがこの国の未来を明るいものにしてくれることに期待しています。
 



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オリンピックに現れた日本の新人類

2024-08-09 10:36:47 | ツーリング
 パリオリンピックも終盤に入っていますが、新人類と思われる選手がこの国に登場して来ています。これまでも「霊長類最強女子」と呼ばれた女子レスリング個人で世界大会16連覇を果たした吉田沙保里選手が注目された時代がありましたが、令和の時代に入り新たな超人が誕生しているようです。

 女子フリースタイル53kg級で金メダルに輝いた藤波朱理選手20歳です。中学時代からの連勝が137でオリンピックでも全勝で金メダルを獲得しているのです。しかも、今年3月に肘の手術をし、ぶっつけ本番のオリンピックでの結果というのですから驚きです。
 怪我が無くてもここまで勝ち続けることは大変なのに、代表が決まってから手術をしてのこの結果には唯々驚くばかりです。日本のレスリングは吉田保里、伊調薫といった時代からわずか数年で、見事な世代交代を果たしているようです。且つてはパワハラ問題で揺れていたとは思えない日本のレスリングがここまで変わるものなのかと考えさせられました。女子だけではなく、このオリンピックでは男子でもメダルを量産しているのです。

 それにしても今年3月に左肘の靭帯の手術を受け、7か月間試合から遠ざかっていたにも関わらず、この強さはまさに新人類と呼ぶにふさわしいもではないでしょうか。メンタルもかなり強そうで、決勝進出を決めた後のインタビューで「絶対金メダルを取ります」と断言しているのには、正直驚かされました。
 ここまで言って本当に勝てるのかと早朝の試合を録画で見ましたが、10-0の圧勝劇で連勝を137にまで伸ばしてしまったのです。同じ競技で同じ階級でここまで力差があるものなのかと、ただただ驚くばかりでした。まして、怪我明けのぶっつけの試合、しかもオリンピックという大舞台で、力を出し切ることさえ難しい舞台でのことなのです。
 お家芸の柔道の結果が思わしくなかったこともありますが、今回のレスリングの飛躍は目を見張るものがあります。これまで吉田保里、伊調薫の時代がありましたが、これからは藤沢朱理の時代となって行くのでしょう。彼女の言動を見ていると吉田保里、伊調薫といった存在に憧れたというより、純粋にレスリングが好きなんだなという感じがしました。本当に野球が好きな大谷翔平選手のようです。

 新人類と呼ぶにふさわしいもう一人の選手がスポーツクライミングの安楽宙斗選手です。まだ17歳という若さで、オリンピックは初出場でしたが、5日の「ボルダー」を終えトップ、2種目目のリードでも完登は逃したものの2位とは14.8ポイントの差を付けてトップで決勝に進んでいるのです。SNS上では「異次元」との驚きとともに、「現代の忍者」に例える声が挙がるほどなのです。

 確かに「忍者」とは言い得て妙です。この子に関しては新人類というより令和の忍者と呼ぶ方がピンとくるのかもしれません。スケートボードでも思いましたが、今の若い選手のメンタルは凄い。安楽は、昨季はW杯初参戦にして、史上初となるボルダーとリードの2種目で年間総合王者に輝いた大物ルーキーで、千葉・八千代高に通う3年生です。ボルダー準決勝では、第1課題を2回で完登すると、誰も登り切れなかった第2課題は“一撃”で仕留める圧巻の登り。男子初のメダル、そして頂点へ、期待が高まります。彼の決勝は今日の夕方5時15分に始まります。
 



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