京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『フライ,ダディ,フライ』

2005-07-10 | 邦画


「大切なものを守りたいんだろ、おっさん」


■監督 成島 出
■原作・脚本 金城一紀
■キャスト 堤 真一、岡田准一、松尾敏伸、須藤元気、星井七瀬、愛華みれ、塩見三省、田口浩正、徳井 優、温水洋一、モロ師岡

 絵に描いたような円満な家庭で幸せな生活を送っている鈴木一(堤 真一)。 そんな鈴木の生活が、ある日、あまりにも突然にガタガタと崩れ去った。 愛娘・遥(星井七瀬)が殴られて入院したのだ。 病院に向かった鈴木に、加害者の高校生・石原(須藤元気)と教頭(塩見三省)は威圧的な態度を見せる。 おまけにボクシング高校チャンプの石原にいなされてしまった鈴木に、娘は心を閉ざす。 鈴木は包丁を鞄に隠し持って石原の高校に向かった…。・・・つもりが、そこは別の高校だった。 在日高校生朴舜臣(岡田准一)にノされるが、事情を知ったおちこぼれグループが、“石原と戦うベシ”と鈴木に協力を申し出る。 舜臣の下、家族の絆を再生しようと、次の日から鈴木は会社を休んで猛特訓を始めた。 
ひと夏、鈴木と舜臣たちとの奇妙な夏休みが始まった…。 

おススメ度 ⇒★★★☆ (5★満点、☆は0.5)
cyazの満足度⇒★★★★

  『GO』で直木賞を受賞した金城一紀が、初のオリジナル脚本に挑戦した今作、原作
フライ・ダディ・フライ」は3ヵ月前に既に読み終えていました。 その原作の面白さからこの映画は期待していました 劇場で予告が始まったとき、鈴木一役の堤 真一はなんとなく理解できたのだが、朴舜臣役の岡田准一は少し線が細いかなぁと思っていました。 原作ではやはり無口でがっしりしたイメージの男だったので、おっさんを鍛えるに足るキャラクターを演じれるかどうか心配な面も正直ありました。 映画『東京タワー』のあのキレイな岡田クンを払拭できるかどうか・・・。 
 
 実際には舜臣の新しいキャラ作りが成功したと言ってもいいだろう。 娘を傷つけられ復讐に奮い立つおっさんと、寂しい親の愛情を受けていない舜臣が、互いにひと夏のトレーニングを進めていく中で、実際に失くした家族の愛情を互いに感じ求めていく。 強い舜臣と弱い舜臣が見え隠れする中で、ただの高校生の苦悩と心情を汲み取る鈴木との、他人だけれどお互いを認め合い、実は親子以上の、そして親子ほど年の離れた男同士の友情を育んでいく。
 原作よりも滑稽な脚色はされているものの、つらい訓練を進めていくおっさんに、思わず観ている側が応援のエールを送っていた

 そもそも岡田クンは原作を読んで、通行人でもいいから出たいと思っていたそうですが、それが、舜臣役でオファーが来たそうです。 撮影に入る1年前からジムでトレーニングしていたそうです。 何気にプロフィールを見ていたら、岡田クンは大阪出身なんですね どうりでカッコイイはずだ(謎)
 心配していた舜臣役、原作と違った味付けが出来たのは、彼の映画が進むに連れて変化していくおっさんへの目の表情だったように思います。 獲物を狙う鋭い目であったり、親の薄愛への寂しい目であったり、等身大の高校生の目であったり、様々な表情を体ではなく目の演技で表現していたのが何よりも良かったように思います
 堤 真一との役上の絡みも最高で、お笑いあり、涙あり、原作にはないコミカルな演出も楽しめる作品になっていました。
 もちろん岡田クン好きのかみさんは見終わって一言、「岡田クン、ステキ

 原作者の金城さんは無類の映画好きだとご自身が言っておられ、極力撮影現場に顔を出していたそうです。 でももっぱら岡田クンの日傘担当だったとか(笑)

 成島監督はまだ監督歴が浅い監督さんですが、年齢が44歳ということで、このおっさんの心理状況などが理解しえた年齢の監督さんでしょうね 

 
最後にパンフレットの中の「監督からのラブレター」からの気に入った件を書いておきます。

 夜の学校でスンシン(舜臣)に殴られるシーンを撮影した時のことです。 脚本には鈴木さんが泣く、とは書いてなかったし、僕も泣いて下さいとは言っていなかった。 だけどスンシンに殴られぶっ倒れて、全てを受け入れて、生まれ変わった鈴木=堤さんの目には涙が溢れていた。 思わず胸が熱くなってカットをかけて振り向くと、カメラマンの仙元さんがファインダーを覗きながら泣いていました。 「ちくしょう。 カメラマンが泣いていいのか。 自分だけずるいじゃんか。」と思いましたが、大先輩にはそんなことは言えないので、「OK」とだけ言って、潤んでしまった目を皆に見られるのは恥ずかしいのでその場を離れました。 本当は「堤さん、ありがとう。」と抱きつきたかったのですが、ホモだと誤解されるのは困るので我慢して、撮影が終わった後に「いいシーンが撮れました。 ありがとうございました。」と握手しました。 


 この映画、岡田クンファンはもちろん、金城ファン、そして何よりも世の中の“おっさん”世代に是非観てもらいたい作品です


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98 コメント

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TBありがとうございます。 (アンナ)
2005-07-11 00:02:18
舞台挨拶ありの試写会に行ってきましたが、「監督からのラブレター」の涙の出来事を、監督さんが話してました。この映画ですばらしいスタッフと出会えたことを感謝してますって。

原作の金城さんも、すごくいい現場だったといってました。

だから、とっても見ていて気持ちのいい映画に仕上がったんでしょうね。生岡田君はもちろんかっこ良く、生堤さんはサービス精神旺盛な素敵な大人でしたよ。みんなに見てほしいなぁ。
なるほど~ (cyaz)
2005-07-11 00:17:55
アンナさん、コメントありがとうございますm(_ _)m



舞台挨拶で成島監督は話をされたんですか^^

生岡田クンや生堤さん、見れて良かったですね~♪

金城さんの次回作(小説)も決まったようなので楽しみです!
おっさん必見? (gajumaru)
2005-07-11 01:41:01
>そして何よりも世の中の“おっさん”世代に是非観てもらいたい作品です



そら、是非見に行かねば^^;



その前に、SWをと・・・
TB Thanks! (Koji)
2005-07-11 02:29:05
トラックバックありがとうございます。



自分も原作を読んで映画化を楽しみにしている一人です。

朴舜臣役に岡田准一はちょっとイメージ違うなって思っていたけど、どうやら成功みたいですね。ますます見に行きたくなりました。
まさしく~ (cyaz)
2005-07-11 08:53:10
gajumaruさん、コメントありがとうございますm(_ _)m



そうです!

おっさん必見です(笑)?!

原作は読んでいなくても、十分面白いですので是非~♪
はじめまして♪ (kaori@cachette)
2005-07-11 11:41:49
TBありがとうございます!

こちらからも逆TBさせていただきました。

こちらのように内容のあるものではありませんが;



私は原作を読まずに試写で観たのですが、事前に聞いてたあらすじからも「おっさんを"鍛える"役=岡田クン…?」とは思ってました。

こちらのブログを読んで、原作をますます読みたくなりました♪
おはつです~ (cyaz)
2005-07-11 12:27:33
Kojiさん、TB&コメントありがとうございますm(_ _)m



>原作を読んで映画化を楽しみにしている一人です

お~早く劇場でご覧下さい!

>朴舜臣役に岡田准一はちょっとイメージ違う

原作の朴舜臣ではなく、岡田准一がを新たな朴舜臣に見えてくるから不思議ですね~



是非また感想をお寄せください!
おはつです~ (cyaz)
2005-07-11 12:49:51
kaoriさん、TB&コメントありがとうございますm(_ _)m



岡田クン、カッコよかったですね!

原作は原作で楽しい作品なので、是非読んでみてください^^

映画よりも朴舜臣や他の人物の人間像が浮き彫りになると思いますので!



そしてまた感想聞かせてください^^

こんにちは (藤吉)
2005-07-11 16:49:21
このたびはTBありがとうございました。

私もパンフ買いましたが、監督のページ読んでませんでした。ですが、こちらで内容知って読もうと思いました。

私も原作を読んでから映画館へ行きました。

舜臣はガタイの良いイメージがあって岡田くんとはちょっと違うイメージでしたが、鍛えた岡田くんは頼もしく見えました。

こちらの記事は私とは違う目線での感想なので読んでいてとても参考になりました。ありがとうございました☆
TBありがとうございます (ぐ~)
2005-07-11 19:39:32
男同士の友情を、とても強く感じる映画でした!

かっこよかった~~♪田君ラブです♪

テヘって笑う堤さんも好きです♪

原作と、他の作品も読んでみようかなと思っています。

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