四万十川レコード 公式ブログ

四万十と言う小さな町に生まれ、思春期に音楽に目覚めそして今も、長い長い音楽の旅をしています。

まだ何者でも無い頃に

2012-10-24 02:47:43 | コラム
人は自分の名前ををまず親から教わります。
そこで初めて自分と言うものに名前がある事を知ります。
しかしこれは親から与えられた仮の記号ですね。
親も自分の子供である事を認識する為に名前を付けますね。
こうなって欲しいと願望や願いを込めて。
まぁそこで、苗字と名前を憶えて就学して自他との競争ですか?
いや比較か?人と比べて自分の能力や評価を知りますね、通知表です。
でもまだこの時点では何物でもありません。
取りあえず親から貰った名前を名乗り親の金で生活しています。
これは就職するまで続きますね普通は。
つまり就職して社会人としての肩書がまぁ自分だと思って生活しますね。
そこで恋愛して子育てをして定年になって、また肩書の無い人間になります。
おじいちゃんや、おばあちゃんですね、そこで人生に幕を閉じます。




さて今日の僕が何を言いたいかと言うとまだ何者でも無い頃の人間関係ですね。
小中高や大学生、そう言う時代に肩書の無い時代に会った人間や出来た人間関係。
これが年を取るととても貴重で大事なものだと気が付くと言う事です。
僕はこのシマレコを始める前か、YUSIMAを田んぼの松田と組んだ時に
良いも悪いも幼馴染と言うものは自分と言う人間の性格をよく把握していると
気が付きました、まぁこちらも然りです。
つまり松田は僕の長所短所をとてもよく知っている(笑)
それに男同士なので非常にやり易い、性格もO型らしくおおらかで雑(笑)
とても良いパートナーですね、こう言う関係は。
でも松田も僕も社会人としての肩書はあります。
ただ、まだ何物でも無い頃に共有した記憶が軸になって動いている。
現在の肩書や立場と関係なくね、これが心地良いですね。
逆に最近縁が復活した幼馴染の景子なんかは自分の記憶している僕で止まっている。
これはまたこちらも然りなんですが。
「あの頃のゆ~君はいつもつまんなそうな顔して不機嫌で…」はい、その通り!!
これは高校時代の僕の事なんですが全く景子の言う心理状態でした。
毎日が詰まんなくてイライラして不機嫌で…でも音楽は不思議と飽きずに続けてこれた。
何であんなに世の中や自分にイラついていたのか良くわかんないけどまぁ不機嫌でしたね。
多分、自分の未来が見えない、何処に行って良いか分からない。
そう言う心理状態が絶えず僕を苛立たせていたのだと思います。
しかし景子もよ~覚えちょう事よ、人の欠点?を(笑)




幸いに僕は音楽と言う自分の進みたい道、方向が見つかって東京まで行って
音楽の世界で生きて見たいと思うようになります。
その頃の友人が作詞家の小林まさみさんです。
でもその当時は僕が作詞を提供していたバンドのベーシストです。
つまりお互いがまだ何者でも無い頃からの付き合いと言う事になります。
下北沢の安アパートで安い焼酎をイギリスの炭酸、シュエップスで割って
「ああでもない、こうでもない」と未来を語り、映画や音楽の話をしていました。
安っぽく言うと「青春」ですねまさに。
あの頃の僕らが共有した時間はこの年になっても全く色褪せません。
それほど楽しくて貴重な時間だったと思います。
でも段々とお互いの進路、道が開けて来て酒を酌み交わす時間も無くなり
いつの間にか連絡さえ取らなくなっていました。
これは僕が敢えてそうしていたのですが…
僕は音楽業界を休眠した時に一切の交流を絶ちました、つい最近までね。
で、縁あってまた連絡を再開して(実際にはまだあっていませんが)話し始めると
全くあの頃の時間と同じ会話をしていて(笑)
本当に此処には書けないような下らない?話をしています(笑)
まぁ相変わらず映画や音楽の話も最近はポツポツと話はじめましたが…
つまり今日の僕が言いたい事は何者でも無い頃に会った人間とは
凄く素直になれるしあの頃の時間が蘇ります。
今の僕には小林さんとの会話やメールは癒し?です(笑)




感傷や思い出に浸る気なんて僕には更々ありません。
実は今の僕がやっている事は、まだ何者でも無い頃にあった人達と今を繋げる作業です。
しっかりと、いま所有している皆の力を借りています。
そういう処は僕は図々しいし、厚かましいです(笑)
でもそう言う力が楽しく作用して行けばきっと良い結果になると分かります。
それをまた現役のプロの活動にフェードバックして新しい力にしようとしています。
何故ならみんなまだ何者でも無い頃から、今の自分になっているからです。
つまり自分の人生でそれだけの経験や結果を持っている。
それは今更僕が自分で習得しようとしてもとても出来るものではありません。
そう言う力の組み合わせが今は面白いです。
そこにまた知り合いでありながら交流の無かったハル君や
なんと親戚だった(笑)きむけんまで加わってひとつの流れが出来ました。
本谷さんもこの交流は非常に喜んでいます。
僕も「四万十市での仕事は田舎の親戚の家に遊びに行く感覚で良いです」と
言っています、楽しんでくれる場所にするつもりです。
もちろん僕も楽しんでいます。
だって田舎の人間関係を表舞台に出そうとしているんですよ。
多分誰もやってないでしょこれ(笑)
そう言う意味で本谷さんには本当に頑張って貰わないと、もちろん僕もですが(笑)
では、懐かしい田舎の風景を歌詞にした、1番最初の動画「沈下橋」をどうぞ。
自分でもビックリする位チープだけど必死だったシマレコスタート時の僕がいます(笑)