四万十川レコード 公式ブログ

四万十と言う小さな町に生まれ、思春期に音楽に目覚めそして今も、長い長い音楽の旅をしています。

口約束 ~音楽放送業界の慣例~

2012-06-24 14:02:31 | 音楽業界
口約束、普通の世界ではこれは契約では無いですね。
「今度呑みに行きましょ♥」
部下のオネ~ちゃんに言われて、おんちゃんはついその気になる。
待ってみる、イヤ、待っている‥何時まで経っても誘われない??
これは社交辞令と言うものですね(笑)
いわゆる口約束なんて何の期待も出来ない物ですよ一般社会では。
でも信じられないかも知れませんが音楽業界の通常の契約は
殆んどが口約束なんですよ‥ちょっと可笑しいでしょ?でも本当です。
例えばテレビに出演が決まりました「レッゴーヤング」
‥スイマセン、ちょっと狙いました(笑)
まぁでも本当に渋谷の国営放送?此処に出演が決まっても契約書は無いですよ。
TBSでもフジでもテレ朝でも日テレでも全部、一緒です。
夏だ!サマーフェスに出演が決まった。
おおっ、桑田さんと一緒だ!!でも契約書は無いです(笑)
例えば僕とカステラのメンバーの間には契約書は有りませんでした。
馬鹿か?と思うでしょ世間の皆さんは。
でもこれが「慣例」と言うものなんですね、これを覚えててね今日は。




では「慣例」とは何でしょう?そのまんま(笑)
そう言う契約書のない習慣で成り立っている業界なんですよ古くから‥
んじゃ口約束だから守らなくて良いじゃん。
そう思うでしょ、良いですよ守らなくても、そしたら次の仕事が来なくなるだけです(笑)
と言うか仕事が出来なくなります、そう言う習慣で成り立っている社会ですから。
最近見たネットのニュースを例にしましょうか。
某渋谷のNHKと某護国寺の講談社がってそのまんまじゃん(笑)
要はこの巨大組織が揉めてるんですと、理由はある小説のTV化に関してのトラブルです。
先ずはNHKが「この小説をドラマにして良い?」と聞きます。
そしたら作家の「隣接権(昨日書いたね)」を持っている公講談社は
「あざ~す!!」とOKをした訳ですよ。
此処までは通常の良くある流れ、作家にとっても出版社にとっても
美味しいし、有難い話です、happy!なんです。
では何故揉めてしまって挙句には裁判沙汰になりそうなのでしょうか?




此処からが大事ですよ、先ずは業界の慣例でこの口約束の時点で契約が締結しています。
で、大事なのがこの時点ではこの契約は(仮)契約なんですよ。
皆さんには少し分らないと思いますが進めます。
通常のこのケースは「出来上がって来た脚本を読んで、作家がOKを出したら」本契約です。
これは隣接権の中の「同一性保持権」にあたる作業です。
「実演家の名誉・声望を害するおそれのある改変をさせない権利」と言う物に該当します。
つまり出来上がって来た脚本が作家の意図したイメージと世界観を維持出来ているか?
これが大事なんですよ、でないと話題だけさらわれて別物の話になっちゃう。
今回のケースではNHKがOKの承諾を前提にすでに経費を投じた後に
講談社、作家側が「この脚本じゃ駄目です!!」とNGを出したから生じたトラブルです。
で、NGを出されたNHKは「んじゃこの制作の為に使った6000万円払え!」と言い
講談社側は「それは違うだろう?作家が脚本にOKを出さないと本契約じゃないのが常識じゃん!」
と言い、NHK側は「イヤイヤ、TV化するって言った時点でOK何だから契約不履行じゃん!」
と怒り、使った金と損した金を保証しろ!と裁判寸前になっているらしいのです。




ああ、疲れた(笑)すっげえ長い文章になってしまったけど分りましたか?
では問題を整理しましょう、NHKのオファーにOKを出している講談社が悪いのか?
それとも脚本のOKの最終確認を待たずに先を急いだNHKが悪いのか?
さぁ皆さんのジャッジは???
これはね業界の慣習から言ったらどっちもどっち、お互いに悪いのです。
つまりこう言う事です、仮のスケジュールで先行したNHKも悪いし
脚本と製作現場の進行を調べずにNGを出した講談社と作家も悪いのです。
正解は「これは仮のOKなので制作に入る前に必ず作家のOK、隣接権を守って下さいね」
と念を押さなかった講談社も悪いのです、素人か?と言う仕事です。
でもNHkが主張している「口約束の時点で業界の慣習から言えば契約は成立している」
と言う理論ですね、此処に僕は興味を感じています。
「そうだよな、この世界って音楽業界もTV業界も全て口約束だもんな‥」此処ですね。
う~ん、これは興味本位に言えば是非司法の判断を聞きたいですね。
業界の口約束や慣習が果たして世間的にどの程度の拘束力を持つものなのか?
是非司法の場で基準を残して欲しい(笑)
これは結構業界的には面白い?判断になる、新しい基準になるかも知れません。
僕ならこの判定は五分五分にします、つまりどっちも悪いのでこの損益は折半
講談社がNHKに損益の半分の3000万を支払うと言う判決にしますが皆さんは?




でも「所変われば品変わる」の諺がある様に欧米のエンターティメントビジネスは
全て契約です、もう何から何まで契約書に書きます。
例えば飛行機のファーストで日本に着いたらお迎えの車はリムジンで
ホテルは××で、晩飯はこれでシーツの色と部屋の壁紙と絨毯はこの色。
みたいにチョッと日本では考えられない様な細かい指定が契約書に明記されます。
「あほか!!」と言いたい所ですがこれが常識です。
欧米のエンターティメントビジネスは何から何まで全て契約書に書きます。
それを守らなかったら契約不履行で莫大な違約金を請求されてしまいます。
あちらは全てが訴訟社会なのです。
電子レンジに濡れた猫を入れて乾かそうとして死んだからそれは
それを説明しなかった電子レンジ会社が悪いと訴えて認められる世界です。
全く訳が分りませんがこれが「PL法(製造物責任法)」と言う悪法です。
これと比べたら、全てが口約束と慣習で成り立つ日本のエンターティメントビジネスは
とても優しい世界ですね(笑)
ちなみにアジア人とアジア社会はこの口約束が今でも主流です。
僕はこの辺に圧倒的な世界観の差を感じます、イエローとホワイトの違いです。
さて裁判で戦える口約束はまだ良いでしょう(笑)
通常は強い方が勝つようになっているのが日本のエンターティメントビジネスの傾向です。
「弱気を挫き、強気を助ける」社会に日本の文化もなりかけています。
本当は「強気を挫き、弱気を助ける」のが日本人の心意気だった思うのは
僕だけ何でしょうかねぇ‥

総選挙と仮面ライダースナック

2012-06-08 00:26:07 | 音楽業界
あはっはっ、出たなAKB批判、ネットのニュースで読みました。
そりやそうだ目立ち過ぎ、社会現象になっちゃ~ね不味いわなぁ。
マスコミが食いつき過ぎましたね、夕方のニュースで総選挙の報道はやり過ぎでしょ。
まっ秋元さんにとってこんな事は想定も大想定済、痛くも痒くも無いでしょう。
今日は全然別のネタで書くつもりだったけれど今更批判されている
AKBも秋元さんも良い迷惑だろうから少し解説します。
まず秋元康さんの事をもう少し知らないと見えてこない部分があるでしょうね。




先のブログの中に書いたけれど秋元さんの出自は放送作家ですよ。
脚本、企画を考えるプロですね、高校生であの大橋巨泉事務所に
スカウトされてるんだから本当に早熟の天才なんですって。
大橋巨泉さんに対して今の世間がどう言うイメージを持っているかは
良く分らないですけれど、この人は日本のテレビ史に残る放送作家であり
テレビ界の巨人ですよ、各テレビ局の社長クラスとタメ口きけるだけの存在です。
で、テレビ放送業界に於いて大橋巨泉事務所はプロの一目置く存在です。
今は知りませんがね、昔は本当にそうでした。
そんな所からガキの頃に才能を認められてるんですよ秋元さんは。
だから生粋の業界人と言う書き方を僕はしました。
でもねこの言い方は尊敬ではない、ええ秋元さんは凄いけど尊敬までは‥
それが僕の正直な感想です、では何故なのか?




秋元康さんの作詞家としての総売り上げは歴代3位、1位は阿久悠さんで2位が松本隆さんだそうです。
で、僕は作詞作曲家の寿命と言うブログで時代を飾った作詞家の名前で
敢て秋元さんの名前を入れなかったんですね。
理由は秋元さんの作詞家としての売上に少し??と感じる部分があるからです。
普通の作詞家はまぁ作品に対して、言葉に対してディレクターから依頼が来ます。
だからあまり偉くなると仕事が無くなると書きました、これは構造的な問題です。
でも秋元さんの言葉、作品を世の中に送り出すシステムは少し違うんですよ。
秋元さんは最初からテレビの企画の延長としてアーティストや作品を送り出している。
つまりオールナイトフジからおニャン子クラブ、とんねるず、AKB48まで
秋元さんの作品はテレビ主導型で作られているんです、分り易く言うと「企画モノ作品」なんですね。
普通の作詞家は時代のニーズと共に過去になって行くのですが
秋元さんは放送作家としての地位と実績があるから絶えず時代の中軸に存在出来た。
つまりおニャン子クラブブームが終焉してもそれはテレビの一番組の終了です。
普通の作詞家はそこで終わるのですが秋元さんはその後も「とんねるず」の
構成作家として彼等の企画モノの楽曲でヒットを続けています。
つまり秋元さんは自分のニーズを自分で作り出した異質な作詞家なんですよ。




とんねるずの番組って殆んど秋元さんが企画構成で参加していますよね。
同じ様にAKBも最初の企画から秋元さんですから作詞の仕事は秋元さんの独占です。
これは強いですよ、普通の作詞家はヒット曲が同じアーティストで続いても
目先を変える為にある時期が来たら外されてしまいます、でも秋元さんは外されない。
当たり前ですよね、彼ありきの所で作品のニーズを作っている。
このシステムは秋元さん独自のもので誰も追随出来ません、だって作詞家は放送作家じゃないもん。
僕が秋元さんを凄いと思っているのはこのシステムを考えて時代を生き残った事。
これは本当に業界のシステムの全てを理解したプロ中のプロの仕事です。
でもね、作詞業界からの評価は‥少し厳しいんですよ。
これだけの実績がある作詞家なのに日本レコード大賞等のビッグタイトルを取ったのが
2011年のAKB48の「フライングゲット」が最初なんですよ。
これは多分に作詞業界の大御所達の秋元さんへの反感があったとしか思えない。
うがった言い方をすると幾らヒット曲があっても秋元さんを作詞家として認めようとしなかった。
その理由は先に僕が書いた様に自分のニーズを自分で作り出した天才だからでしょうね。
作詞家じゃなくて企画屋の面が作品にマイナスイメージを持たれているのだと思います。
まっこれはあくまで僕の妄想で、真実は知りませんよ。




さて今回のAKB批判の中で僕もそう感じた部分は音楽を仮面ライダースナックにしちゃった事。
これはやはり禁じ手も良い所でしょう、投票券を取った後CDが捨てられちゃ駄目でしょ(笑)
お菓子のおまけ、仮面ライダーカードが欲しくて食べもしないで捨てたのは
僕等の世代が最初です、日本史に残るいけない事です(笑)
戦中、戦後の食糧不足を体験した大人達から「大馬鹿者!!」としかられました。
でも誰か食ってたし(笑)おかぁちゃんがブツブツ言いながら食ってたし(笑)
でもCDはね‥食えん(笑)、曲は1枚あれば聴ける、後は‥
どうしたのかなぁ、配ったの友達や御近所に?本当にそうしてくれたら有難いファンになるけれど。
でも平気だと思いますよ秋元さんは、そう言われるのは分ってる筈だもん(笑)
またCDが売れない時代だからプレス代を底上げした貢献度は経済的にはあるだろうしね(笑)
但し僕はこのやり方は秋元さんだけで十分です、まっ秋元さんは良いです、プロの企画屋さんだし。
ここまで徹底してやれるのは秋元さんだけですから、時代を作る人だから‥
しかしこう言う言い方は出来ます。
扇動を主体とするのか、感動を主体とするのかの、どちらの音楽を作りたいかと言えば
僕はやはり感動を主体とした音楽を作りたいです。
人を煽り時代を煽る、そう言う人も必要だと思うし、それはそれで凄い事だと思います。
でも僕にとっての音楽は感動を主体としたもの、それが僕の音楽であり曲作りだと思います。

Bigになる?

2012-06-06 11:37:42 | 音楽業界
Big(ビッグ)ねぇ‥
その昔、日本中の音楽を目指す若者達が呪文のように口にしたこの言葉。
出典は矢沢永吉さんの名著「成り上がり」ですね。
著者は糸井重里さん、うん、僕もとても楽しく読めました(笑)
あの頃はミュージシャンを目指す若者の誰もが「成り上がり」を読んで
酒を飲みながら「Bigになろうぜ!」なんて言ってました、んっ?ひょっとして今も?
まあビッグになるって言うのは分り易く言えばお金持ちになりたいと言う事ですよね。
音楽で売れてお金持ちになる、そんな夢を見て盛り上がるんですよね‥
では本当に音楽で売れてお金持ちになる為に必要な事って知っていますか?
凄く簡単な事なんだけど未だに殆んどのアマチュアが理解していない事。
それがあるんですよ、それを理解していないとどんなに有名になっても
決してお金持ちにはなれません、それを書きます。




昨日のブログでAKBの事に触れましたが、彼女達の知名度は今がピークでしょう。
Bigネームになりましたね、で彼女達はお金持ち?
そうじゃないのは皆さんも分りますよね、有名だけどお金持ちでは無いまだね。
んじゃ何でお金持ちになれないのか?
答えは簡単です、彼女達は楽曲の著作権者では無いからです。
つまり作詞作曲をしているのは彼女達じゃないでしょ
だから当然著作権印税は著作権者に行きますよね。
チョッと調べたら作詞は当然全部「秋元康」さんで作曲が
ヘビーローテーション:山崎 燿、ポニーテールとシュシュ:多田慎也
BeginnerとEveryday、カチューシャの2曲が井上ヨシマサさんですか。
この人達が所謂、著作権者です。
つまりシングルが何枚売れてもAKBのメンバーには一銭も入りません。
当たり前ですがこれが現実ですね。
これは楽曲に関しての事ですのでDVD等の映像肖像権が発生する物に関しては分りません。
分配があるのか無いのかは契約次第ですので何とも言えません。




まっAKBを例に出すのはちょっと違うと思うので普通のバンドに話を戻しましょう。
ミスチルのベストアルバム2枚がどちらもミリオンセラーになったんですよね。
で、この場合も同じでアルバムが幾ら売れても著作権者以外には印税は入りません。
ミスチルは桜井さんとメンバーの誰かが曲を書いているのですか?
詳しくは知らないですが例えメンバーであっても本来の著作権と言う権利は
書いた本人のみに帰属するので作詞作曲をしないメンバーには一銭も入りません。
同じバンド内でとてつもない貧富の差が生じてしまう‥これが現実です。
で、ぼちぼちお分かり頂けましたか?
つまり僕の言いたい事、ビッグなれる人は作詞作曲をしている人だけだと言う事です。
幾ら演奏が上手くても駄目、演奏に印税は付きません。
だから売れれば売れる程揉めます、利益の分配が平等にならないからです。
最初はキャーキャー言われる事が楽しくて大きなステージと生活出来るだけの給料が
出てれば何となく納得するのだけど、段々貧富の差がメンバー内で露骨になると‥
解散してしまう事がありますよね、音楽性の不一致ですか(笑)
まあ、こんな言葉が出てくる辺りは殆んど金銭的な不満が根本にあります。




何か凄く書いちゃいけない事を書いてるな最近‥危ないなぁ‥まっ良いけどね(笑)
ぶっちゃけます、アマチュアバンドの人、とにかくオリジナル曲を書きなさい。
出来不出来はあってもメンバーの曲であればアルバムの中に残せます、印税が来ます。
良くねアルバムの中にあるでしょ、意味不明のメンバーの楽曲が。
これは利益を分配する為の配慮なのです、少しでも貧富の差を作らない為のね。
だから昔のアルバムのリメイクなんかもねちゃんと配分しているのですよ。
古いけど「風」ならねショーやんの曲だけで良いじゃん。
でもねキチンと大久保さんの曲も半分入っている、これがバランスであり分配です。
バンドやグループのアルバムには殆んどこんな曲があります。
今度良く見て下さい、例えばサザンにも‥ねっ(笑)
演奏も大事、人気も大事、でもビッグになるのは著作権者だけ。
例えそれがヴォーカルであってもね著作権者でなければ印税はゼロです。




歌唱印税と言うものは存在しますが著作権としては存在しません。
これは歌手やボーカリストに対する手当です、印税が無い人達への配慮です。
売れたのにちっとも自分の所に印税が入らないとつまらない、歌うのが嫌になる。
そんな人達へのレコード会社からの御褒美、続けて貰う為の配慮です。
歌手の人がお金を儲けられるのは営業と言うステージを沢山やる事だけです。
体育館でカラオケでね歌う、人はいっぱい来るしお金も入る。
でもそんな生活に???となって「普通のオバサンになりたい!」なんて
一時期歌手を止めた人がいましたよね。
あれはアーティストとしての環境に不満があったからでしょ。
幾らお金が入ってもねカラオケでね歌ってばかりだと早々は楽しくは無いですね。
でも一番お金が儲かるのがこの人達なんですよ。
ロックバンドは基本的に営業と言う仕事はしませんから。
ロックバンドはアルバムのセールス主体に生活を組んでいます。
ヴォーカルがカラオケで営業に出て行く事はありません。




では最後に下世話な計算式を。
AKBのシングル?なんで1600円もするの生写真付きってなあに?
良く分らんが取敢えず1600円の10%が著作権印税だ。
これを収録曲数で割る、2曲あるとしよう。
つまり作詞作曲家の配分は160円の四分の一になります。
160÷4=40円だから秋元さんは2曲分の作詞料で80円。
本当は160円からジャスラックの取り分が10%、出版社の取り分がそこからの10%
つまり160-16-144、そして144-10%=129.6÷4×2が正しいんだけど面倒臭いので分り易くします。
秋元さんにシングル1枚で80円入ります、×4枚のシングルが全部ミリオンで400万枚売れましたと。
はい、3億2000万円の印税が秋元さんに入りました!!
ねっ、これがビッグになる事でそして「才能」と言う事になる訳ですよ。
でも本当はもう少し複雑な仕掛けが存在しているのですが今はそれは書きません。
良いのかなぁこれ‥消すかも知れませんこのブログ、御了承下さい(笑)




で、今回初めてAKB48のプロモを見たのですが結構露出してるんですね(笑)
やっぱり男子を惹きつけるのは色気もいるのですね(笑)
う~んやっぱ無理だわこの世界、僕にはまとめる事も売る事も出来ないでしょう。
だって照れちゃう(笑)人様の娘さんにこんな事させられないです(笑)
駄目だなぁ、やっぱ僕はビッグになる事はないです、残念ですが。
最後はオマケ、まぁ見ちゃったや(笑)
僕は男の子しかおらんけんどもし娘がいたらね、自分の娘のこんな姿は見とうは無いねぇ(笑)


アイドルの収支

2012-06-04 23:06:14 | 音楽業界
う~ん、これを書いて良いのかは自分でも疑問だけれど
これまでにシマレコに付き合ってくれた皆さんにもう少し
これから僕がやろうとしている事の現実を知って貰う為には
無駄ではないだろうと思うので書きます。
本当は先のブログの、偶像(アイドル)の変遷、あたりの情報でも
十分だと思うのですが実は少し補足しなければならない事もあるので書きます。
2011年度のAKB48のトータルセールス:162.8億円だそうです。
2011年度の著作権料収入が多かった作品:1位から4位までをAKB48が
独占しています、これはNHKのニュースからの引用です。
1位「ヘビーローテーション」
2位「ポニーテールとシュシュ」
3位「Beginner」
4位「Everyday、カチューシャ」と言う順位らしいです。
2011年のCD、DVD、ブルーレイの総売上は891.1万枚と言うまさに
モンスター級の数字を残しています。
だがしかしです、AKB48が秋葉原で結成されたのが2005年です。
昨年あたりがブレイクのピークだとして彼女達がピークを迎えるまでに
約5年の潜伏期間がある訳です。
ちなみに今年が回収期ですね、2012年が稼ぎ時のピークになります。
これはCMの起用数で分りますね。
CMは確かに儲かりますが諸刃の剣です、飽きられる最短の要素です。
つまり世間に認知された時がアーティストのピークです。
オジサンやオバサンがカラオケでAKB48の唄を歌うようになる頃が
アーティストの頂点で、後は飽きられます。




さてここで大事なのは潜伏期間が5年近くもある所です。
彼女達が秋葉原で全く無名の状態で活動を始めてから
世間に認知されるまでに掛かった期間の5年と言うのは実は長い。
このネット時代に掛かる時間では無いです。
つまりじわじわと着実に認知度を上げて行った、ブレイクまでの時間が掛かっている。
これは経済活動で言うと先行投資状態ですね、利益にならない時期です。
僕は秋本さんが秋葉原でこの仕掛けを始めた時から彼女達の存在を知っていましたが
その時に感じたのは「秋元さんは本当に群衆アイドルが好きなんだなぁ‥」と言う感想です。
ちなみに「群衆アイドル」は僕の造語です、こんな言葉はありません。
しかし1980年代からの秋元さんの仕事を横眼で見ていた人間には
秋元さんの思考や嗜好が良く分かります。
秋元さんはmob(群衆)の中にアイドルを見つけた先人です。
その他大勢の筈の群衆の中にアイドルを作り上げました、所謂素人さんです。
まっ誰でも最初は素人なのですが秋元さんは素人のままの女の子達に付加価値を付けました。
これは新しい手法でした、秋本さんがこう言う発想を出来たのは
秋元さんが早熟の天才で感性とニーズが時代とマッチしたからだと言えるでしょう。
つまり若いから柔軟な発想で芸人に必要な下積み時代を作らなかった。
彼女達のありのままの力を時代にぶつけて来た。
これは昔ながらの子弟制度を持つ芸能界ではタブーだと思います。
秋元さん自身が音楽業界に特別な師弟関係を持たなかったから出来た事です。




でもそんな秋元さんがAKB48で仕掛けた事は芸能の原点です。
常小屋による演芸の公演は基本中の基本、落語の寄席と同じ事です。
2005年で秋元さんがAKB48を結成した時の感覚は多分時代遅れの観があったと思います。
コンセプトこそ「会いにいけるアイドル」と言う言語で新しく見せていますが
これはライブハウス時代にアーティストのライブに行く事と同じです、新しくは無いです。
多分この頃のこのプロジェクトは赤字のはずです、秋元さんの持ち出しだったのか
レコードメーカーとの連携だったのかは知りませんが、最初から儲けの為だけにやった事では無いでしょう。
考えても見て下さい、メンバーだけでも48人いる訳でしょう。
この子達の衣装代やレッスン料、ステージの制作費に小屋代等の諸々の
諸費用を考えたら毎月とてつもない予算が必要になります。
業界では顎(食事代)足(交通費)代として計上しますがこの人数の
顎足代だけでもかなりな数字になりますよね、多分、本人達の自己負担ではないと思うけど‥
キャパ(集客数)がどれ位の所かは知りませんが映像で見た限りは
スタンディングで400~500位のキャパだと思いますが、詳しくは知りません。
これを土日の2回廻し、2ステージ×4回、都合500×2×4で4000人か。
2000円のチケットで全てソールドアウトで月マックスの売り上げが800万円だ。
この数字は完全に軌道に乗った数字ですから初期はこの半分からその半分
つまり200~400万位の売上だったんじゃないのかなぁ?
この数字だと維持経費で勢一杯でしょうね、儲けはないか持ち出しの数字だ。




実はプロダクションシステムと言うのは日本独自ではありませんが
アーティストをまとめて管理する手法は昔の興業の世界、
それこそ歌舞伎の世界からのもので相撲の部屋制度と同じ様なものです。
興業に関わる人間の生活をまとめて面倒を見るシステムが日本には昔からありました。
音楽プロダクションの多くは実は昔ながらのやり方です、給料制ですね。
で、もう一度AKB48の話に戻りますが48人の女の子達に満足な給料を
初期の段階で支払う事は不可能ですよね。
単純に10万円×48人で480万の固定費が掛かる、無理ですよ利益も出ていないのに。
だからプロダクションの多くは先行投資と言う形で持ち出しをします。
しかし持ちだしで活動出来るのはある程度の時期だけです。
つまり新人で売り出している時は我慢出来るけれどそれが何年も続くと‥
契約の終了と言う事ですね、首です。
そう言うタームから考えてもAKB48のブレイクまでに掛かった年数は凄いです。
良く我慢強く辛抱したものだと思います。
とても弱小プロダクションでは我慢がきく期間ではないです。
まっAKB48はある程度の数字が見えてプロダクションに移籍させるシステムみたいですが。




そう言う現状から考えてAKB48はやっと去年くらいから回収期に入ったのですね。
しかし辛抱強く育てただけあって最初のモンスターの数字になった訳です。
ただここで注意しなければいけない事は確かにAKB48はミリオンシングルを立て続けに
出しましたがその数字が重複していると言う事ですね。
総選挙の票集めの為に同一人物が複数枚買っているケースが多い。
だから100万売れたとしても実際の購入人数は20万位だと思われます、それでも十分ですけどね。
僕が秋元さんはプロだなぁと思うのは徹底的に回収するシステムを構築した事です。
総選挙のシステムにセールスをくっつけた、これはあざといがプロの仕事です。
経済活動は儲けて幾らです、やはり利益を出す事が宿命です。
これからはその利益をメンバーにも還元出来るでしょう。
やはり彼女達により得た利益は彼女達にも還元されるべきです。
まっその辺は秋元さんはプロなので上手くやっているのでしょう。




韓国の何とかみたいに余りお金で揉めるのはマイナスイメージになりますが
業界で一番揉めるのは実はこの時期なんですよ、売れた時がね一番危ない。
先行投資の部分を理解出来ない親族なんかがね揉めたりするでしょ。
またプロダクションも何時までも先行投資じゃない。
利益があるのならキチンとアーティストに分配しなければいけません。
でもねテレビを中心に活動する人達は売れたのが自分の力だと勘違いしちゃう。
実はテレビ業界に於いてはほぼプロダクションの力関係でブッキングされます。
つまり大手のプロダクションにより売っているのです、売れているのではないです。
この辺が良くあるトラブルで過去に幾らでもありますよね、そんな話。
まっAKB48はせっかく興業の基本からの成功をしたのだから基盤の部分での
活動は維持して欲しいですね。
秋元さん次第でしょうがせっかくライブ中心のアイドルが出来たのだから
これからも続いて欲しいなぁと思います、宝塚みたいね、秋葉原でね。

偶像(アイドル)の変遷 ~元禄からAKBまで(笑)~

2012-06-04 18:56:37 | 音楽業界
すっげぇタイトルを付けちゃった(笑)
まっテレビCMでは今がAKBの花盛り、春だピークだ!
と言う位色んなCMに登場していますね。
で、それを横目で見ながらふと考えた事があります。
一体日本文化に於ける偶像(アイドル)の始まりは何時頃であろうかと。
文化人類学と言う程大袈裟なものでは無くてね大衆が偶像に心を奪われると言う
現象は一体いつ頃からあったのかなぁ~、なんて考えました。
全くの私論で学問的根拠や背景はありません、あくまで妄想です(笑)
では、始めます。
本来は偶像にうつつを抜かす、それに憧れたり騒いだりする事と
文化の成熟度は正比例する筈です。
文化としての絵画や工芸はそれこそ大昔からありますが偶像(アイドル)と言う
実在だけど虚構の存在が大衆の物になるのは日本の場合は元禄文化1688年 - 1707年)
と言って差し支えないかと思います。
戦国時代、戦乱期を経て日本が統一されて慶長8年(1603年)の江戸開闢(かいびゃく)から
約80年経った5代将軍の徳川綱吉の治世(1688年 - 1707年)が
一般に元禄文化と呼ばれる時代です、悪名高い犬将軍ですが
実はこの人は実に優秀な将軍だったらしい。
余りに頭が良すぎて庶民の事を考えずに理想に走った故の混乱と言えますか。



ウィキペディア (Wikipedia)『象引』の山上源内左衛門より引用

で、歌舞伎と言う大衆演劇があります、今は少し違うか古典芸能だな。
もともと歌舞伎の語源は傾く(かぶく)と言う言葉です。
これは戦国時代の名残が残る江戸初期の旗本、徳川家の子弟達が太平の
エネルギーを持て余して常識外れの異様なファッションで町を練り歩いた
事が始まりで、そのファッションにストーリーを付けて演じたのが歌舞伎です。
今で言うパンクスみたいな奴らだ(笑)
それが時代の変遷と共に大衆文化として成熟して行った。
つまり初代の市川團十郎あたりは大衆に支持された偶像、
アイドルの始まりであったと言っても過言ではないと思います。
う~ん真面目すぎるな、俺らしくない、でももう少し付き合って下さい。
つまりアイドルが世の中に出現する為の要素として政治の安定と
文化の成熟と言う要素が必要であると言いたい訳です。
この元禄時代に始まった大衆文化は更なる成熟を見せ、
蔦屋重三郎が江戸文化の版元(出版人)として出現する頃にはまさに
大衆文化はピークを迎える訳です。
黄表紙や洒落本に喜多川歌麿や東洲斎写楽の浮世絵は現在でも世界から
高い評価を受ける日本の絵画技法ですね、ゴッホにも影響を与えてるし。
TUTAYAさんと言うレンタルビデオ屋の社名はこの蔦屋重三郎さんからの引用でしょうね。
さて大衆文化と言うものはある意味過激で批判的な要素があります。
だから江戸期の出版物は幾度も徳川幕府からの発禁を受けています。
でも大衆はお上が規制を入れれば入れる程燃え上がります、逆効果ですね。



ウィキペディア (Wikipedia)喜多川歌麿・筆 『寛政三美人』より引用

さて明治から大正期、戦前とどの時代もアイドルがいます。
写真技術が庶民の身近なものになって行くほどリアルな存在
つまり実在の人間の偶像化、アイドル化が進みます。
面白い事に活字が庶民化、つまり新聞での表現が大衆化する頃には
文人がある意味アイドル視されています、新聞に文人のゴシップ記事が
載っていたりします、ちょっと面白いですね。
この間取り上げた「宵待草」竹久夢二、西条八十補詩と言う動画。
この竹久夢二が書く美人画もある種のアイドルですね、理想的美人。
アイドルと言う存在はメディアとの関連が不可欠です。
つまり時代の中心にあるメデァからアイドルは生れます。
版画と言う印刷技術から新聞や雑誌と言う活版印刷。
これらが最先端であった時期にはここからアイドルが生れます。
そして映画やラジオと言うメデァが最先端の時にはここからアイドルが生れます。




ハ~ッ疲れた、やっとテレビまで来た。
団塊の世代やあたりからアイドルがマスコミに登場し僕等の世代で
日本に於けるアイドル文化の定義が出来上がります、イメージの固定化です。
大笑いですが僕等の世代はアイドルが屁をこくなんて事は考えなかった(笑)
アイドルは便所に行かない存在としてのイメージがあった。
また大人達の仕掛けも徹底していてイメージを崩す様な行動はさせなかった。
つまり本当に偶像に僕等は憧れていた訳です、作られた理想像に熱中してた。
アイドルは遠い東京のブラウン管の中にいるもので、その人達が住んでいる
東京と言う街が特別な存在に思えました、テレビに出て来る街です。
だから僕も含めて田舎者が東京に集中しました、憧れました。
そしてアイドルと言う存在も東京にいる特別な存在から
わりかし身近に感じる存在として推移して行きます。
またアイドルがアイドルを暴露するコンセプトの曲「なんてたってアイドル」
なんて曲が時代を席捲します、アイドルと言うイメージの崩壊ですね。
この仕掛け人が作詞家の秋元康さんですね、やっとAKBまで来たぞ(笑)
秋本さんは元々の出だしがラジオの放送作家であった事は
余り知られていない?知ってた?
秋本さんは早熟の天才で高校時代にはラジオの放送作家としてすでに
業界でお仕事をされています、生粋の業界人です。




秋本さんがテレビ界に進出する切っ掛けは「オールナイトフジ」や
「夕焼けニャンニャン」の仕掛けが世間に受け入れられた事だと思います。
秋本さんが業界で初めて素人のアイドルを作りだしました。
アイドルと言う偶像の存在をより身近に感じさせる手法で時代を作りました。
そして1980年から90年代に「群衆アイドル」と言う手法で世の中を席捲しました。
そして時代が少しこの手法に飽きた後?もしぶとくこのコンセプトを貫きました。
秋葉原の電気街で仕掛けたAKB48のコンセプト「会いにいけるアイドル」は何も新しくないです。
オールナイトフジはスタジオ録画でしたが「夕焼けニャンニャン」はテレビでの生放送です。
あえて「会いにいけるアイドル」と言うコンセプトを用意されていますが
秋本さんは「生(ライブステージ)」の強さを熟知しています。
アーティストを育てるには大衆の視線、これが一番効果的です。
生のステージを知っている人間は芸の上に於いても凄く強いです。
吉本の芸人さんがどんなに売れても吉本の舞台に立つのは吉本が興業、芸能のプロだからです。
音楽もまた然りです、ライブハウス経験者はやっぱりアーティストの寿命が長いです。
人の視線やリアルタイムの反応がアーティストを育てるのです。
良い意味でAKBの女の子達はプロ根性が育っていると思います。
競争させ選別する事は芸能の宿命です、良い悪いは別にしてね。
つまり芸を磨くのは過酷な競争があってこそ向上するのです。
でもこれはある意味元に戻っていますね。
アイドルが偶像で作られたイメージの中で活動出来た時代ではなく
原始的興業のスタイルに戻った形です。
歌舞伎が歌舞伎の常小屋「歌舞伎座」で連綿として芸能としての命を繋いだように
アイドル芸能の常小屋を秋本さんは作りたかったのだと思います。
出来れば残って欲しいですね後世にもこれが(笑)
本当は秋本さんは秋葉原を日本のプロードウェイにしたかったんじゃないかと思います。
その発想こそが生粋の業界人としての矜持ではないかと僕は思います。

作詞、作曲家の寿命

2012-05-30 00:40:54 | 音楽業界
作詞、作曲家の寿命と言っても人生、命の事では無いです。
職業としての現役生活の長さの事です。
何故こんな事を考えたのかと言うと、TVでね氷川きよしさんの
事務所の会長の長良じゅんさんの葬儀の映像があって参列者に
作詞家のなかにし礼さんのコメントがありました。
大御所ですね作詞界の、なかにし礼さんは直木賞作家でもありますが。
ヒット曲を上げれば切りのない位の著名な作詞家さんです。
で、なかにしさんが氷川きよしさんに作詞した最新曲「櫻」の詞について
コメントをしていました、そこはどうでもいい(失礼)のですが
このレベルの作詞家に依頼をする、出来る人が今現在何人位いるのだろうかと‥
そこが少し気になりました。
一般に作詞家や作曲家と言う職業は知られていても職業のシステムについては
世間の人は知らないだろうなぁと思うのでそこを少し書きます。




例えば氷川さんの新曲だからと言って氷川さん本人が作詞家や
作曲家に依頼する事はありません、この辺はお分かりだと思います。
歌手の人の楽曲をセレクトするのは通常はレコード会社のディレクター
もしくはプロデューサーです。
それ以外にはマネージメント側のディレクターやプロデューサーです。
氷川さんの場合は多分会長の長良じゅんさんが制作に噛んでいたのだと思います。
では歌手が新曲を出す場合の流れとは?
通常は事前に次の曲のテーマやコンセプトをレコード会社とプロダクションで
ラフトーク、ミーティングします、企画会議です。
それを受けてプロデューサーやディレクターが作詞家や作曲家を選定します。
そしてテーマに合わせた歌詞や曲調で作詞家や、作曲家に楽曲の発注をします。
出来て来た何曲かの候補曲の中から次の新曲を選びます。
所謂レコードのA面やB面と言うのはこの候補曲の最終選曲です。
A面とB面にまで残った曲は楽曲の完成度にそんなに大差はないです。
後はその時の状況、プロモーションや時代性、アーティストイメージなどの
選別で最後の一曲が決まります、だから昔はB面の方が評判になったりする事がありました。
ちなみに戦後最大のシングルヒット曲「およげ!たいやき君」のB面は
なぎら健壱さんの「いっぽんでもにんじん」と言う曲でした。
どちらも版権買取だったので印税では全く稼げ無かったと言う
笑えない逸話が残っています(笑)




ではシステムのおさらいです。
作詞家や作曲家と言う職業は依頼者(レコード会社等)からの発注が
あって始めて成り立ちます、でもお金になるのは楽曲がレコード化された時だけ。
それ以前のオーディション段階で何回やり直してもお金にはなりません。
レコード化されてジャスラックに登録されて始めてお金になります。
見た目にはカッコ良いですが新人の段階では案外割に合わない職業です。
しかもヒット曲を出さなければ次の注文が来ません、キツイですよこれは。
しかし時代を飾る様なヒット曲が出ればガンガンと注文が来ます、稼ぎ時です。
でもねこれはもう遠い昔の話しですね‥
1970年代のTV番組、スター誕生を背景にした一連の歌謡曲黄金時代は
ピンクレディーを頂点に作詞阿久悠、作曲都倉俊一のゴールデンコンビが
時代を席捲しました、なかにし礼さんはこの少し前の時代ですね。
なかにしさんの作詞家としてのスタートは伝説の俳優「石原裕次郎」さんです。




実は僕が昔所属していたライブハウス「新宿ルイード」は小沢企画と言う
音楽プロダクションの傘下企業だったのですが、その総帥小沢社長が手掛けた
新人歌手菅原洋一さんの代表曲を作詞したのがなかにし礼さんです。
「知りたくないの」(1965年)の大ヒットの後、「今日でお別れ」(1969年)で
第12回日本レコード大賞を受賞しています。
この時代のその他の小沢企画の歌手では「麻丘めぐみ」さんや
「にしきのあきら」さん等が所属していました。
ちなみに僕が「徳永英明」さんと縁があったのはデビュー時に徳永さんが
所属していたプロダクションも小沢企画傘下の企業だったからです。
あの小室哲也さんの「TMネットワーク」も小沢企画傘下のプロダクションでした。
だから実は僕は小沢グループの孫弟子になります(笑)
資本や権利関係はありませんでしたが人脈的に僕は小沢傘下の人達との付き合いがありました。
意外な所でパンクバンドのTHE MAD CAPSULE MARKETS(ザ・マッド・カプセル・マーケッツ)
の事務所の社長も小沢傘下の人間で僕の友達です(笑)




話が横道にそれました、何時もの事ですが。
さて本題、作詞家や作曲家の寿命は短いです、ヒット曲があればあるほど。
音楽業界でもヒット曲を出せば当然出世します。
ディレクターからプロデューサーになったりね。
そしてそのチームで歳を重ねて行きます、これが実は短命の元なんです。
作詞家や作曲家が偉くなると仕事が減ります、頼みにくいからです。
余りにも有名になり過ぎて新人のディレクターには敷居が高い。
だってそれはプロデューサーの人脈ですからね。
従って新人ディレクターは自分の人脈でヒット曲を出そうとします。
つまりベテランになればなるほど仕事が先細りします。
だから余りにも有名になり過ぎると仕事が無くなって作家に転身したりします。
阿久悠さんやなかにし礼さんもこのコースを辿りました。
で、冒頭のこのレベルの人に頼める人、と言う言葉が出ました。
今現在の音楽業界で作詞に、なかにし礼さんに頼める人はそう居ないからです。
1980年代で著名な作詞家は松本隆さんや銀色夏生さん、
売野 雅勇さん等ですかね、作曲家は芹澤廣明さん辺りか。
2000年代の作曲家は断トツで小室哲也さん、つんくさん、織田 哲郎さん等かな?




でも今は‥居ないでしょ時代を飾る作詞家や作曲家は。
嗜好が細分化されすぎてまとまったヒットにならない難しい時代です。
だからCDが売れないんです、アーティストの時代と言えば聞こえが良いけど
それだけじゃないな、音楽に力が無い。
時代を巻き込むだけのパワーが音楽には無くなった‥難しいよなぁ。
今の日本は難しい、でも世界は少し違う、音楽に対する理解度がね。
ジャンル毎に世代や嗜好があってセールスとして成立しているんです世界は。
日本の様に何もかもひと色にならない、AKBばかりにならないんです(笑)
で、僕は開き直って今の日本の地域音楽を世界に送っている訳です。
日本の市場じゃ理解されないかも知れないからです(笑)
でも世界だと普通に分ってくれる、それが楽しいのだと思います。
ちなみに戦前の日本の作詞家にはこんな人がいましたよ。
初出は大正七年です、この曲は昭和十三年に高峰三枝子さんが
歌って大ヒットした音源です、僕はこの曲が持つ日本的な情感が好きです。
唄:高峰三枝子「宵待草」 竹久夢二、西条八十補詩、多忠亮:作曲、昭和十三年。


全部、ライブハウス時代に付き合ったバンド

2012-04-21 02:38:18 | 音楽業界
そうなんだよな、彼女達もあの頃からの付き合いだった‥
赤坂小町じゃなくてプリプリ、PRINCESS PRINCESSの事です。
最初は対バン、ワンマンじゃなかった彼女達は。
シンコーミュージックから頼まれた時に「家は広いから‥」と
対バン(2バンドが出演するスケジュールの事)でやって貰った。
2回目から「何とかワンマンで‥」とマネージャーの市村女史
イチヤンに頼まれてワンマンにした、渋々(笑)
「世界でいちばん熱い夏 」がブレイクの始まりで「19 GROWING UP」で
人気に火が付いたと思う確か。
僕の結婚式に招待したら「スケジュールの都合でごめんなさい!」の
お断り、全員の寄せ書きがあったな確か(笑)
僕はキーボードの今野登茂子(トモちゃん)がタイプで
職権乱用で弟さんのライブスケジュールを出した事が有ります(笑)
皆、一生懸命でね日本のギャルバン初の武道館を成功させた‥
今でも良い曲が多いからカラオケでね歌われているみたいですね。



JUN SKY WALKER(S)、ジュスカはね、
メンバーの性格が可愛かったし好きだった。
事務所の社長も友達だったしね。
僕のマネージメントしていたバンド「カステラ」とは微妙なバランスが‥
最初はカステラが先行していたけれどジュンスカに抜かれた(笑)
でも僕は森純太君のね、キラキラ光っている瞳が大好きだった‥
ジュンスカが再結成したのは知っています、でも「カステラ」の再結成はないな‥
僕がその気ないしね、あのメンバーを集められるのは多分僕だけでしょうから(笑)



そうだよな「カステラ」もライブハウス時代からの付き合いだ当然。
最初は岩崎が連れて来て俺が気に入って岩崎から取り上げて。
20人位しか動員出来なかったな確か‥
彼等とあんな時間を過ごすなんて考えても見なかったなあの頃は。
んじゃカステラで「頭の輪あるいいヤツ」がメジャーでのタイトルだ。
これは本当は「頭の悪い奴」だったんです(笑)
問題になりましてソニーで、仕方なく「頭の輪あるいいヤツ」に。
ディレクターの今野さんが考えたんだっけなこのタイトルは。
他の曲も検閲で引っ掛かって‥危うく発禁になりかけた(笑)
悔いの残るファーストアルバム。
それがカステラのメジャーシーンの始まりでした‥
あっ、音だけです動画は、エラーじゃないです。



PERSONZ(パーソンズ)はシーナ&ロケッツの事務所の新人バンドでした。
結構来てくれていたのにある日僕の店の前で揉め事が有って‥
それから恐がって来てくれなくなった、環境のせいです。
埼玉で一番環境の悪場所、新宿の歌舞伎町みたいな町に
僕のライブハウスは有りましたので‥



SHOW YAは日本のギャルバンの先駆者です。
「ナオンの野音」と言うコンサートタイトルを今でも覚えています。
上手かったですよ、演奏力はピカイチでした。



THE BLUE HEARTSの事務所はジャグラーと言う所でして
ブルハの先輩にエコーズと言うバンドがいまして
Voの辻仁成さんは今や芥川賞作家から中山美穂さんの旦那さんでね(笑)
エコーズのプロデューサーは実は須藤晃さんでして、
カステラと同じプロデューサーだったんです。
そんな事になる前にブルーハーツとはお付き合いさせて頂きました。



最後か、一回しかやってないか?いや2回だな。
2回目に揉めた‥ええ、あのバンドです。
ディレクターはお友達イベンターもお友達、でも僕とは
お友達になれなかったバンドです「紅」、飛べっ!!



追記
全部、と名の付く僕のブログは基本的に全て消えてしまうのですが
このブログだけは僕の音楽史なんのでブログに残します。
問題が生じるまでは‥(笑)

鮪の捌き方

2012-04-21 00:52:23 | 音楽業界
ゴロンと転がった鮪を先ずは日本刀みたいな包丁で
3枚におろして今度は斧みたいな包丁で‥
違うね(笑)鮪は鮪でもちょっと違う。
鮪の解体ショーじゃなくてね人間の事なんです。
隠語、業界用語です。
ライブで酸欠になって担ぎ出した人間の事を僕等は
マグロと呼んでいました、チョッと酷い?




最近のライブハウス事情は知らないから何とも言えないけれど
あの頃のライブステージはある意味危険なもので有りました。
実際死人が出てるし、しかも知り合いのステージで。
業務上過失致死にはならなかったけれど死んだ人も出た。
そんな状況だったのでライブハウスに来たお客さんが
酸欠で倒れる位は想定内、危険を織り込みのステージは結構有りました。
「ああ、今日は××か‥マグロが出るからな!」なんてスタッフにね支持していた。
ライブステージで一番危険な状況は将棋倒しです。
オールスタンディングのライブだと人の流れを制限しないと将棋倒しが起こる。
暗闇の中で人が右に左にうねり、ボコッと穴が空いた様になるとアウトです。
すぐに演奏を中止させ照明を上げて倒れた人間を救い上げないと圧死します。
人が倒れた人間を踏みつけてしまいます、これは本当に恐い。




僕はライブハウスのブッキングマネジャーだったので
ステージに関する全権限と責任がありました。
なんせスケジュールを切ったのは僕ですから、全て承知の上ですから。
だから危ないな、と自分が思うステージはPAブースから
客席をずっと見ていました、嫌ですから刑事被告人になるのは‥
客席を見ながら危ないと思ったら本当にライブを中断しました。
客席の照明を上げて、バンドが気が付いていない時は無理矢理
PAの音を切りました、これは勇気が要りますよ。
ライブを中断させると言う事は簡単な事では無いんです。
バンドのマネージメントなんかはそう言う過激な事を売りにしている
馬鹿もいましたので、揉めた事は有ります。




でもね、やっぱり事件を起こしたバンドはつぶれます。
バンドの為にもスタッフの為にも、そしてお客さんの為にも
安全で有る事は大切なんです、一時のステージの興奮よりもね。
でも、酸欠で倒れる位は仕方ないんです、これ位は仕方ない。
ではそう言う人をどうするかと言うと、ストッパーと言う人間
これを用意して置きます。
ステージの最前列と中ほどに彼等を配置して何か異変があれば
すぐに人を掻き分けて救出します。
人の群れから救い出す為の人間、これを用意して置くのです。
人気があればある程危険度は高まりますので予めバイトや
知り合いの若いのを集めて置きます。
彼等は皆音楽が好きな奴らですから見たいんです、人気のあるステージは。




昔の事ですがJUN SKY WALKER(S)、ジュンスカがまだアマチュアだった頃
彼等はブルーハーツが好きで見たいけどお金がない。
だからVOの和弥君やGの純太君をストッパーとして
入れてあげた事が何回か有ります、一応はストッパーと言う名目なんですが
最前列でねブルーハーツのステージを見せてあげました。
勉強になるんですよ生のライブはね、彼等は凄く喜んでくれて可愛かったです。
でも僕の判断でステージを中断した為、機嫌を損ねてね
「もうやらない!」と縁切りになったバンドもいます。
当時はXと言っていました、ええあのバンドです(笑)
でもね僕は少しも後悔しませんでした、幾ら人気が有っても
僕のやりたくない事はやらないで済みました。
ライブハウスのブッキングと言う仕事はそれ程に絶対権限があります。




マグロになった女の子はね、とても重たいんです。
失神状態の人間って一人では運べない位重たいです。
でね、汗びっしょりです、絞れるくらいにね。
それをねバックヤード、楽屋の通路にどんどん並べて行くんです。
最高で十数人位が倒れたステージがありましたね、誰かは言いませんが。
でもね彼女達もライブが見たくて来ている訳ですから
少し休んで息を吹き返したら又ステージの中に帰って行くつわものもいます。
「ああ、これは不味いな‥」と言う方は救急車です。
何回も乗りましたよ僕は、救急車にね(笑)ホント、前科が付かなくて良かったです。
若いから出来たんですねあんな事、今は出来ないなぁ‥
あの頃にマグロになったおねーちゃん達は、
今はきっと良いお母さんになっていると思いますよ。
元気でねピチピチと跳ねまわる生きの良い女の子ばかりでしたからね(笑)

凛とした生き方

2012-04-18 01:53:47 | 音楽業界
うん、これは出来ていない、僕は。
凛とした、この言葉から連想する姿勢は
背筋が真直ぐとしてピンとした姿であろうと思います。
僕は馬鹿時代の後遺症と言うかツケと言うか生まれながらと言うか
猫背なんです、ええ、チンピラスタイルですね(笑)
挌闘家スタイルではあります、格闘家は背筋がね猫背。
剣道とかのジャンル以外、柔系のスタイルは余り背筋が伸びない。
僕が習った少林寺拳法は背筋がピシッと伸びていなきゃいけないんですが(笑)
従って姿勢の悪さにはコンピレックスがあります正直。




ホンヤミカコさんの印象と記憶は凛とした人であったと言う事です。
彼女は凄く姿勢が綺麗で張りつめていた。
彼女はストリートパフォーマンス、即ち路上での活動が起源の方です。
あの治安の悪い新宿の駅の片隅で警官に嫌がらせをされながら
ストリートパフォーマンスを続けていた人です。
ある意味パンクスなんです彼女の生き方は‥
どう言う人生で彼女が音楽を選んだのか詳細は知りません。
と言うか僕等のルールでアーティストが自分から語る以外の事は
余り掘り下げないと言うルールがあります。
言いたくなった時、本人が良いと思ったらプロフィールに載せますが
それ以外は載せないんです、それがルールです。
何がどうして音楽を選んだのかなんて聴き手には関係ない。
そこを必要以上に語るのは素人です、プロには要りません
そんな情報は音楽の邪魔です。




皆なにかしらの事は背負っています、音楽に対してのバックボーンはあります。
でも必要ないんですそれは、作品と関係がありませんから。
余り頭の良くない?アーティスト程、大上段に構えて大風呂敷を
広げて語りますが、それは格好良くないです本当は。
僕はブログと言うスタイルなのでわりかし内輪の事、楽屋落ちを
書いていますが、これは本来は邪道です。
音楽を評価するのにアーティストの背景は必要ないです。
しかし、僕でしか知り得ない情報と言うものもあります。
それを見せられる範囲で、アーティストイメージにマイナスに
ならない程の範囲で露出する事はプロモーションの大切な要素です。
共感や親近感を演出するのもプロモーションの大切な作業です。




ホンヤさんがまだ自分の音楽を模索していた頃
繊細で脆い硝子の感性だった頃(アマチュア時代ですね)
一度だけ僕の前で泣いた事があります。
その理由は僕も判ったし頷けるのですが、解釈と言うものがあります。
彼女はそう取ったけれど本当はそうでなかった。
彼女の涙の切っ掛けは僕らサイドのスタッフの言動なんですが
決して彼女を傷つける為の物ではありませんでした。
皆、彼女が大きくなる事を願っていました、誤解なんです。
でもその時に僕がそのスタッフをかばったら彼女がもっと傷つきます。
だから僕は何も言いませんでした、彼女の涙に対して‥
アーティストとスタッフはそうして少しずつ信頼関係を作る物だと
知っていましたから‥答えないのが僕の答えです。
そうやって傷つきながら大きくなる事は必要なんです。
時間が経てば分ってくれます、その時の本心は。




でもたま~に誤解されたまま年月が過ぎてしまう事はあります。
それはそれで仕方ないのです、間違いを正す事だけが正論ではありません。
僕が下した判断に不満や憤りを持っているアーティストは
実際に居るのかもしれません、あの頃のアーティストの中には‥
でもそれは仕方がありません、組織の長として判断をするべき事はありますから。
今、たまたまホンヤさんとは友好的?な関係にありますが
「あいつとは会いたくねぇ~!」なんて方もいるかもしれません。
ただ僕は何時も向かい合っては来ました。
アーティストの主張は聞き入れる姿勢は有していました。
しかしそれは凛とした姿勢ではなく、猫背でだらしない
姿勢であったのかもしれないな~っ、と今は反省していますが‥



続、原盤権について

2012-04-02 03:17:02 | 音楽業界
さあ、本題です、本題なんだけど問題です。
良いのかなぁ?と言う危惧がね僕の中にあります。
本当に極秘事項ですからねこの事は。
仕組みは何となく分っている人もいると思いますが数字はね
実際にこれを管理した人間にしか分らない。
だから少し躊躇しています、契約上の守秘義務事項ですから。
まっ皆さんには正確な数字は必要ない筈なので少しぼやけさせて下さい。
それは一応マナーだと思いますので。



では原盤権、これは音楽制作に掛かった実費、製造コストです。
先ずはレコーディング費用。
録音の為のスタジオ代、スタジオミュージシャンの演奏料
アレンジャーが居ればアレンジ料、サウンドプロデューサーも同じ。
楽器代(運送費込)、これに移動があればそれに関わる交通費。
外国や郊外のスタジオでレコーディングをする際にはこれが発生します。
レコーディングミキサーを外部に頼めばこの費用も入ります。
通常はコストダウンの為にメーカー、レコード会社に所属した人間を使います。
もしくはスタジオのミキサーを使用します。

次にCDのジャケット撮影費用とそれのデザイン料。
撮影の為の衣装やスタジオ、カメラマン料、セットがあればその製造費。
スタイリストやヘヤ―メイク料もジャケット代に入ります。
そしてそのレコーディングをしている期間に発生するケイタリング費用、
食事やおやつ等の雑費なども原盤費に含まれます。
此処は実際はざっくりとしていて曖昧です、切りがないですからね。
高い物ばかり頼んだら食費だけでも相当になります。
まっ通常はこれは全てが制作費に乗る事はないかな?



大変にざっくりとかきましたが以上が原盤制作費に含まれる大まかな項目です。
さあ、幾らかかったか計算してみましょう。
スタジオ代が800万でミュージシャン、アレンジ料が200万
ジャケット代が200万、計が1200万ですか。
結構な数字になりましたね、この数字はアルバム1枚分の費用です。
でも新人だと此処までの数字は今の時代では難しいのでは?
上を見れば切りがありませんからね経費何て。
さあ、ざっくりと費用が出た事でいよいよ権利関係についてです。
この1200万を全額支払った人が原盤権の所有者です。
レコード会社の場合、プロダクションの場合、その両方で
もしくは外部からの原盤出資社の場合と様々ですが
その投資した配分で所有する権利の分配率、%が決まります。
つまり原盤費に投資をしないとこの権利は所有出来ません。
あくまで投資に対する配分ですから株と一緒です。
所有してる株が多ければ売れれば売れる程儲かる。
逆にね、アルバムが売れなければ‥そっくり損益です(笑)
博打と一緒です、レコードと言う商品は利益が未知数の商品です。
ある意味投機商品なんです、アーティストの才能に対するね。



さてラストです、此処からが実は極秘項目なんです‥
原盤権を所有している貴方に100%の権利があって貴方に支払われる金額。
それは通常アルバム価格の10%です、此処からがミソなのですが‥
実はこの先の数字が公表されない駆け引きです、色んな所でね
「ああでもない、こうでもない」とやり取りをするんですよ(笑)
此処の詳細は絶対に外部に漏れません、洩らしちゃいけない(笑)
だから僕も此処までです、ここで止めます、実際は‥です。
ちなみに作詞作曲印税もアルバム価格の10%を曲数と権利所有で
割った数字になります、一律ではありません。
通常はという考えです、だからレコードの値段て相場があるでしょ。
権利を分配するので最低価格が保証されていないといけないからです。
その為にレコードは再販商品と言う税法上の優遇措置が取られています。
ああ、終わった、尻切れにわざとしたけどこれは言えない(笑)
シマレコのメンバーが知りたければ何時でも教えますがね。
僕は此処の数字はキチンとカステラのメンバーには見せていました。
帳簿を含めて何時でも閲覧して下さいと言うスタンスでした。
それが彼等の権利を守る者としての基本だと思っていましたので‥

突然ですが、原盤権について書きます

2012-04-02 02:20:38 | 音楽業界
行き成りですが此処でお詫びです。
「星空とフランケンシュタイン」の歌詞と動画を一旦下げます。
これは当初からの御断りをしていたので御理解下さい。
では何故僕がわざわざ作った動画をね下げなければいけないのかを
今日はもう一度日本の著作権事情をを踏まえながら説明させて頂きます。
あっその前に「星空とフランケンシュタイン」はYouTubeでの視聴も
止めてあります、一旦中止、諸々の事情をクリアしたらまた復活します。
削除しても良いのですが僕が聴きたいから、僕用に残します。
本人は見られるんですよ、スイマセン(笑)



さあ、行きましょうか、お勉強の時間です(笑)
まず日本の音楽著作権には大きく分けて3つあります。
作詞印税、作曲印税、そして原盤印税、この3通りがあります。
作詞、作曲印税を管理しているのがJASRAC,、日本音楽著作権協会です。
これについては前に触れましたので此処では割愛します。
今日は皆さんがまず耳にする事のない権利、原盤権についての話です。

此処にひとつの楽曲ががあります。
分り易く「星空とフランケンシュタイン」をモデルにしましょう。
先ずはメロディー、作曲の部分ですねこれは松田浩二です。
言葉、歌詞の部分は小林まさみさんです。
この2つの権利をJASRACと音楽出版社が管理しています。
この場言はソニーの音楽出版社が管理しています。
当時はエイプリルミュージックと言いました、現在名は分かりません。
当然松田は知っていますが、著作権者なので。



それ以外にこれは法律で保障された権利ではなく
慣例、音楽事業者同士で約束された制作に関する権利が存在します。
先ずは歌唱印税、これは歌手の人の権利、しかしこれはJASRACの管理の範疇外です。
一般にはレコード会社と音楽事業者が結ぶ契約です。
通常はプロダクションです、アーテーストの活動と権利を管理している組織が
これを所有しています、支払うのはJASRACではなくレコード会社。
レコード会社から委託された音楽出版社に支払われ此処で管理手数料を引いた額が
権利社に支払われます。
但しこの歌唱印税と言うものは通常はありません、特例です。
レコード会社の売り上げに貢献した歌手やプロダクションに御褒美として
レコード会社があげる権利です、貢献に対するチャージバックです。
何故なら歌手の人は大抵が歌だけ、歌を歌っているだけですので
厳密な著作権者としては認められないからです。
楽器と一緒、演奏の一部でしかありません歌も、著作権の考え方からすると。
つまり大ヒット曲があっても歌手には一銭も入らない、印税としてはね。
当然不満が出ますよね、その為の対策です。



これと同様な考え方としてアレンジャー印税やプロデューサー印税があります。
同じ事です、売上に貢献した人への褒美。
某小室さんは作曲印税以外にこの印税で稼いでいた、大きな数字になるからくりです。
そして今日のテーマの「原盤権」と言うものがあります。
実はこの権利こそが音楽業界の根本です、考え方と分配の基盤なのです。
当然一般の人はもとより音楽業界に従事している人間でも
この権利の詳細を知る事は余りありません、極秘事項ですから。
これについての詳細を知る事の出来るのは管理者
組織の中でも役職以上の人間のみが知る数字です、企業の製造コストと同じ。
はい、予想通り1回では書ききれません、ブログを分けます。

素顔

2012-03-07 13:27:08 | 音楽業界
素顔‥それは女性の永遠の秘密!
では無くてですねアーティストの素顔の話。
音楽業界やTVタレントの中には眼鏡やサングラスで
個性を演出している人が結構いますよね。
代表格は森田一義さん、タモリさんの様なレイバンスタイル。
サングラスを小道具にしている人これは多いですよね。
タモリさんの場合は隻眼(せきがん)である事もサングラスを
使用している理由のひとつだと思いますが。



この人を御存知ですか?横浜銀蝿のジョニーさんですよね。
僕は世代的に横浜銀蝿がブイブイ言わしてる頃は大人になっていたので
彼等が色んな事を言ってたけど「ふ~ん‥」位にしか感じませんでしたが
まっ当時の人気は凄かったのは知っています。
で、ルックス的にも一番人気だったのはジョニーさんでしたね。
ジョニーさんは横浜銀蝿の解散後にディレクターになってますね。
確か僕はお会いしています素顔のジョニーさんに。
名刺交換して会話した記憶があります、
物腰の大人しい優しい顔をされていました。



僕は先のブログにも書きましたが新宿ルイード出身ですので
↑この方の素顔も知っています。
マーチンさんは別に素顔をかくしている訳じゃないと思います。
サングラスだろうが素顔だろうがこの方はとても恐いです。
田舎の不良にはちょっと敵わないだけの都会の不良の雰囲気があります。
ラッツで鈴木さんの次に突っ張った雰囲気があったのは田代さんです。
マーシーさん‥ホントにもったいないな、廻りの皆を悲しませた。
コーラスの佐藤さんは僕と同時期にエピックソニーでインディーズレーベルの
仕事をされていました、佐藤さんが見つけて世に出したのが
ゴスぺラーズです、アカペラのコーラスグループ。




サングラスや伊達眼鏡をつける人って、凄くシャイか
別の自分、個性を必要な人達なんだと思います。
別人格に成りきる事によって表現出来る人達ですかね。
人は素顔で人と話したり笑いあったりしているけど
本当はその姿の方が仮面をつけている様にも僕は思います。
誰も本心なんて見せてないですよね、今の世の中。
逆に言えばサングラスや眼鏡で顔を隠した方が
本心をさらけ出せる様な気もします‥
貴方はどちらのタイプですか?


転がしモニター

2012-03-06 00:42:31 | 音楽業界
転がしモニターと聞いて「ああっ、あれね」と言う
一般の人は先ず居ないと思いますが形を見れば
「ああっ、あれね」と言う一般の人は多いと思います。
廻りくどい書き方になって恐縮ですが「百聞は一見にしかず」
御覧下さい、これが転がしモニターです。



ライブハウスやロックコンサートではお馴染みのこの姿。
特に80年代のロックミュージシャンはこれの使い方が
カッコ良かった、代表は「Boφwy 」ですね。
Voの氷室さんが転がしに片足を置いてステージで
歌ったりお客さんを煽ったりするシーンは如何にも「ロック」って感じでしたね。



転がしをステージ演出に利用するやり方は昔から有ったと思いますが
長身の氷室さんが長い肢を掛けて歌うシルエットは本当に「絵」になっていました。
まあ、大体のロックミュージシャンは一度はやった事がある筈です。
カステラでさえやってたもん(笑)

で、今日書こうとしたのは近年のライブステージではこの転がしモニター以外に
本人が片耳にかけて使う一見補聴器見たいなモニターシステム、
これが随分と増えたな~っと思います。
もともと転がしモニターとはステージ上の出音と自分のボーカルの
バランスを聴く為のPA機材です。
歌を歌う為には自分の声と流れるメロディーを聴く必要があります。
レコーディングの映像とかでも方耳だけ出音を聴いて方耳で自分の声を
聞いたりしているものが多いです、見た目ではちょっと分らないかも知れませんが。



この動画で徳永さんが方耳につけている一見補聴器みたいなモニター
これでボーカルの出音のバランスを聴いています。
ただ、この動画では音が廻って判りにくくなったのか途中で外していますね。
後は通常の転がしの音でモニターをとっています。
出音は場所によっては色んな反響効果を起こすのでこのモニターでは
少し音が録りにくかったのでしょうか?
これは京都の薬师寺でのLIVE動画ですが対面にも建物がありますよね。
これでは出音が跳ね返って自分の所に戻って来てしまいます。
そう言う状態を「音が廻る」と言って反響の時差によって
現在の出音が分りにくくなる状態です。

動きながら歌う人にはこの片耳タイプのモニターの方が歌い易いと思います。
EXILEのVoさんは2人ともこのモニターを付けていました。
昔はドラムの人がリズムキープの為にライン録りした音をヘッドホーンで聴く。
なんて事をやっていましたね、村上ポン太秀一さんがこれを良く使っていました。
音楽のステージ機材で僕が現役だった頃と変わったのがモニターの使い方です。
まっロックのステージではまだ転がしモニターが主流だと思いますが。
今でもライブハウスなどの狭いステージではヘッドホーンタイプは使わないでしょう。
出音の反響が強い狭いステージにはまだ転がしの方が良い筈です。



狭いステージつながりでライブハウスの動画を貼ります。
懐かしい、と言っても僕はこの時はまだ入社していませんが
新宿ルイードでの尾崎さんの「I LOVE YOU」です。
僕はこの後の時期、徳永さんやラッツ&スターがマンスリーライブを
やっていた頃の入社でしたから。
でも、渡辺美里さんのステージは入社前に見ていますね。
尾崎さんは僕がルイードに入る頃にルイードを「卒業」されたので
伝説しか聴いていません。
でも新宿ルイードの数ある伝説の一番は今でも「シャネルズ」だと
思いますがね‥

Arranger

2012-01-20 03:44:12 | 音楽業界
アレンジャーと言う言葉は
皆さんも耳にした事があると思います。
では具体的にどう言う仕事かと言うと
楽曲の編曲ですね。
出来あがった楽曲にメロディーや楽器を足して
音楽をデコレーションする仕事、これがアレンジャーです。


 By:Maschinenraum

何で僕がアレンジャーの事を取り上げようかと思ったかと言うと
吉田拓郎さんが中島みゆきさんの曲「永遠の嘘をついてくれ」を
歌っている動画の中にアレンジャーの瀬尾一三(せお いちぞう)
さんの姿を見つけたからです。



中島みゆきさんのカットになった時に後ろのスクリーンに大きく映る
眼鏡の白オジサンがでバンドの指揮をしている人が瀬尾さんです。
アレンジャーの顔や映像が単独で取り上げられる事は殆んどありません。
アーティストのライブ映像に移るケースもまれです、レアな事です。
瀬尾さんのアレンジャーとしての歴史は凄いですよ。
中島みゆき、長渕剛、吉田拓郎、かぐや姫、風、伊勢正三とね
僕等の世代なら必ず瀬尾さんのアレンジを耳にしています。
徳永英明さんも瀬尾さんのアレンジですね。
徳ちゃんは世代的に僕等の世代なので瀬尾さんのアレンジが好きで
瀬尾さんに自分の曲のアレンジを頼んでいるのだと思います。



吉田拓郎さんのツアーで瀬尾さんが楽曲の総指揮を
する事があるのは知っていました。
でも全てのツアーに瀬尾さんが噛む訳ではありません。
ある程度の予算と冠(スポンサー)がついたツアーですね。
昨日の映像を見て貰えば分かるけどこれはツアーもしくは
TVのオンエアー用の編成ですね、かなり凄いですよこの楽器編成は。
通常のコンサートでは予算的に無理な編成です。
では何を基準に僕が予算が高いとか言っているかと言うとですね
バックバンドの編成とメンバーです。


By:Brian McGuffog's photostream

通常のレコーディングでアレンジャーを起用する場合は1本幾らの契約になります。
僕は、僕が現役当時の瀬尾さんの契約金額を知っていますが
さすがにそれをここで書く事はマナーと言うかルール違反ですので差し控えます。
僕は瀬尾さんの価値が理解出来るのでそんなに高いとは思いませんが。

でもアルバム全ての編曲を瀬尾さんに発注すると結構な金額になります。
では何故アレンジャーの曲単価が割高になるのでしょう。
理由は著作権にあります、何故なら日本の著作権法では
アレンジャー、編曲者に対しての著作権印税は認められていないからです。
それ故に印税分の前渡し的にギャラが設定されています。

アレンジャーを使う必要のある人達は、シンガーソングライター
もしくは余り音の種類を持ち合わせていない編成の人達です。
バンドは余りアレンジャーを起用しません。
起用する場合は「サウンドプロデューサー」と言う形で参加します。
カステラのラストアルバム「新世界」のサウンドプロデューサーは
ホッピー神山さんでした。


By:Brian McGuffog's photostream

で、アレンジャーとスタジオミュージシャン。
彼等は1曲幾らの契約でレコーディングに参加しますので
通常のコンサートでレコーディングメンバーを連れ歩く事は
予算的に不可能です。
だから通常はツアーミュージシャンと言う形でチームを組みます。
ツアー用のバックバンド、それをグロスで雇います。
井上揚水さんのツアーバンドが「安全地帯」だったのは有名な話です。
柳ジョージさんのツアーバンドはJ‐walkでしたね。
話を戻しますがそう言う意味で瀬尾さんクラスのアレンジャーを
ツアーで連れ歩く事は通常無理です、1本幾らの拘束料は支払えないので。
だから僕は映像をみて瀬尾さんの姿を見つけた瞬間に「高い」と分るのです。
そしてそんな瀬尾さんを当たり前のように起用する拓郎さんは
やっぱりフォークの王様だなぁ、なんて思っています‥

音楽の裏側

2012-01-15 07:35:04 | 音楽業界
そうそう、CDのB面は何処ですかね?
ピカピカ光る方のどの辺が‥何て話ではございません。
真面目な話、正しくは「楽曲が出来あがるまでの裏側」です。
名曲、音楽の場合は即ちヒット曲です。
クラシック、ジャズ、ロック、ポップス何でも良いです。
より多くの人の心に届いた楽曲、ヒット曲が出来るまでに
どんな作業があって皆さんの心に届くかと言う話です。


By:victoria white2010

僕のマネージメントしていたバンド、カステラのヒット曲と言えば
「ビデオ買ってよ」と言うトモフスキーこと、大木知之君の作詞作曲の楽曲が
まあ、代表曲だと言えると思うんですが残念ながら世間で言う「ヒット曲」
と言うレベルには至っていないと思います。
バンドブームの頃に十代だった方なら知っているかな?あたりのヒットです(笑)
で今日の話は本物のヒット曲、村下孝蔵さんの「初恋」と言う曲
名曲ですね、僕も大好きな楽曲です。
村下孝蔵さんは当時の「CBS・ソニーオーディション」の第1回目でグランプリを
獲得しメジャーデビューをされています。
シマレコの久保田義雄さんもこのオーディションで確かグランプリ?もしくは
入賞されています、でこのオーディションを蹴った方です。
このオーデションは現SDオーディションの前身です。
村下孝蔵さんのディレクター、プロデューサーの須藤晃さんは
カステラのエグゼクティブプロデューサーであった事は以前に書きました。


By:Brett Jordan
 
話を戻して「初恋」の話。
村下さん最大のヒットなったこの楽曲はディレクターの須藤さんが
「初恋」と言うタイトルを決め、後はひたすら村下さんの楽曲を推敲し
完成させたと言うエピソードがあります。
つまりアーティスト本人の発想の曲では無く制作プロデューサーとしての
須藤さんが徹底的にアーティストの才能を磨きあげて作った楽曲であったと言う事です。
須藤さんが尾崎豊さんを育て上げる時期には本人に色んな本や映画を見せて
尾崎さんの感性を磨いた話は僕も須藤さんから伺った事があります。
つまり制作の仕事は楽曲だけでは無く本人自身の感性も育てると言う事です。
一流の仕事はやっぱり凄い物だな~と僕の記憶に残っています。

須藤晃さんは東京大学文学部英米文学科を卒業されており作家としての「顔」も持つ
まさに「伝説のプロデューサー」です。
またそんな須藤さんの才能を見抜き須藤さんに「物書き」としての「顔」を
作った出版界の人物、それが当時の角川書店の編集者の見城徹(けんじょう とおる)氏。
現、株式会社幻冬舎代表取締役社長の見城徹氏です。
は~っ、音楽業界の伝説VS出版業界の伝説か、凄いよな‥
僕も須藤さんの本(ゴメンナサイ、タイトルを忘れました)を読んだ事があるけど
‥難しかったです。
まっ高卒の私ごときが書ける文章では無かった事を皆さんに報告して置きます。


By:Peggy2012CREATIVELENZ

う~ん書き辛い、自分でハードルを上げてしまった‥
そんな名プロデューサー須藤さんの逸話の後でお恥ずかしいですが
先に書いたYUSIMAの3作目、念~OMOI~と言う詞に曲をつけて貰う事に
松田本人のOKを貰いました。
で僕はひとつだけある条件と言うか注文を松田にしました。
その内容はここでは書きませんがまっ、お願いですね。
お願いしました「こうやってね」と言う事を。
その代わり僕も詞のカットや書き直し何でも致しますと(笑)
まっ友達とは言え音楽の事ですから真剣勝負です。
出来あがりは松田さん次第、そして納得のいく形でやって頂ければと。
伝説のプロデューサー、須藤さんとは比べようもない程のレベルですが
同じプロデューサーを名乗る以上は僕もそう言う作業はやっていますよと言う話でした。