WEB配信された日本思春期学会に参加し、
斎藤環Drの講演を視聴しました。
最近、思春期の反抗期や不登校に関するTV番組なども見てきて、
共通するキーワードは“承認”であることを感じています。
思春期は一人前ではないかもしれないけど、
一人の人間として認めてほしい、
という本能的な希求です。
だから上から目線の言動は、
「うざい」「余計なお世話」なのです。
これは引きこもりにも当てはまると思われます。
命令、指示はもってのほか、
善かれと思ってするアドバイスでさえ、
余計なお世話なのです。
あるがままの本人を受け入れて、
一人の人間として存在を認め、
本人が動き始めるのをじっと我慢して認めること、
それが解決への道と説明していました。
さて、これらが家庭内暴力に発展した時、
どう対処すべきなのでしょう。
家庭内暴力に関しても、
斎藤先生はわかりやすく解説していましたので紹介します。
ただし、精神疾患による幻覚や妄想などを伴わない場合の対処法です。
<基本方針>
「暴力の徹底拒否」
✖ 暴力を甘んじて受ける
✖ 力で押さえ込もうとする
〇 本人の言葉は全て受け止める。
<具体的な対応方法>
1.刺激をやめる
・皮肉、嫌み、否定的な言動をやめる。
・本人の言葉、訴え、恨みにしっかり耳を傾ける。
・背景にある「悲しみ」を理解する。
・言いなりにはならない。
2.「暴力は嫌だ」と伝える
・暴力はダメ!ではなく、イヤだと伝える。
3.家の中に他人を入れる
・警備会社、家の修復業者、ファイナンシャルプランナーなど。
・家庭内暴力は第三者の目の前では起こらない。
4.「今度やったら通報します」と(警察への)通報・避難の予告
・いきなり通告すると問題がこじれる。事前に根回ししておくのがポイント。
<身の危険があったり、けがをしたりした場合>
5.警察への通報
・事前に地元警察に相談しておく。
・必要な時は毅然と行う。
・逮捕が目的ではない。
6.避難
・暴力のあった当日に落ち着いてから避難。
・避難後すぐに連絡。
・「暴力が嫌だから逃げた、あなたから逃げたわけではない」と伝える。
・毎日電話する(約5分間が目安)。
・ただ避難して放置すると「親から捨てられた」と自暴自棄になる。
7.一時帰宅
・暴力が完全に収まるまで戻らない。
・避難は1~2週間が目安。
・一時帰宅は1泊程度を繰り返す。
本人にとっても暴力は最終手段で、そこに至る大きな背景を背負っています。
それは「悲しみ」。
「本人も自分を責めていることを理解してください」
と斎藤先生は言います。さらに、
「大事なのは暴力を振るわなくて済む環境を作ること」
「本人も暴力を好きでやっているわけではない」
「本人は“やめる口実”が欲しい、それが『暴力の拒否』」
★相談先;
【ひきこもり地域支援センター】
全都道府県と指定市にある。電話や面接で社会福祉士や臨床心理士らの専門家に相談できる。
【KHJ全国ひきこもり家族会連合会】
ホームページ(https://www.khj-h.com)に、全国の家族会の連絡先一覧が掲載されている。
ファクス(03-5944-5290)。
【ひきこもり地域支援センター】
全都道府県と指定市にある。電話や面接で社会福祉士や臨床心理士らの専門家に相談できる。
【KHJ全国ひきこもり家族会連合会】
ホームページ(https://www.khj-h.com)に、全国の家族会の連絡先一覧が掲載されている。
ファクス(03-5944-5290)。
<参考>
・【イラスト解説】ひきこもり→家庭内暴力収める「7つの道筋」 NGは