新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

社会派サスペンス映画のお勧め

2019年06月29日 11時58分38秒 | マスメディア

3日前から予約可能ということで、生まれて初めてネットで封切り映画の座席を予約した。
 
そして公開日の昨日、有楽町の角川シネマで約2時間があっと過ぎてしまうほどの内容だったのが東京新聞社会部の望月衣塑子記者の著書を原案にした「新聞記者」。

        
2年前の年末年始のピースボートのクルージングで、水先案内人として乗船していた望月衣塑子記者と初めて会い、船中では3回ほど彼女の話を聞く機会があった。
 
昨年は、都内で開かれた集会には講師として講演をお願いしたのだが、その場で最後に「新聞記者」という本を紹介された記憶がある。
 
映画というフィクションの形をとっているが、内容的にはこの数年間に発生した安倍政権がらみの事件や疑惑を知っている観客ならば、たちどころに生々しい現実を彷彿させられてしまう。
 
特にラストシーンは巨大な権力に必死に立ち向かおうとする若き男女の行く末を案じさせるような、社会派サスペンス映画であった。
 
詳細は、「望月衣塑子原案、松坂桃李出演の映画『新聞記者』が描く「安倍政権」の不正がリアルすぎる! 内閣情報調査室の謀略も」を参照してほしい。
 
現在進行形の政治事件をモデルにした作品の上映は異例であり、官邸が巧妙に仕掛ける同調圧力によって社会全体が萎縮する中、なぜリスクを取ったのか。エグゼクティブプロデューサーの河村光庸氏が日刊ゲンダイにこう語っていた。
 
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<公開日にも確たる意図 映画「新聞記者」なぜリスク取った>
 2019/06/29 06:00 日刊ゲンダイ
 ――参院選目前の公開です。あえて、このタイミングにブツけたのですか。
 政治の季節をもちろん意識しています。たくさんの人に見てもらいたいので、参院選を狙いました。この6年半で民主主義的な政党政治は押しやられ、官邸の独裁政治化が相当に進んでいる。自民党員でさえも無視されている状況です。にもかかわらず、安倍政治を支えている自民党員、忖度を強いられている官僚のみなさんには特に見てもらいたいですね。単館上映で小さくやると逆に潰されてしまいかねないので、全国150館規模で公開します。
 ――製作のきっかけは?
 かなり前から政治がおかしい、歪んでいると感じていたのですが、異常だとまで思うようになったのは2年ほど前。伊藤詩織さんが告発した事件がきっかけです。
 ――安倍首相と親密な関係にある元TBSワシントン支局長の山口敬之氏に持ち上がったレイプ疑惑ですね。詩織さんの訴えで警察が動き、山口氏は帰国直後に成田空港で逮捕されるはずが、執行直前に逮捕状が取り下げられた。
 逮捕状取り下げなんて、通常はあり得ないでしょう。官邸は身近な人間や取り巻きを守るために警察まで動かすのかと。衝撃でしたね。この国では警察国家化も進んでいる。官邸を支える内閣情報調査室(内調)が公安を使ってさまざまな情報を吸い上げ、官邸はそれを政敵潰しに利用しています
 加計学園疑惑をめぐり、「あったことをなかったことにはできない」と告発した前川喜平元文科次官の出会い系バー通いが官邸寄りの新聞にリークされたり、昨年9月の自民党総裁選で対抗馬に立った石破茂さんの講演会に内調職員が潜り込んで支援者をチェックしたり。この作品で内調を取り上げたのは、安倍政治の象徴であると同時に、最も触れられて欲しくない部分ではないかと感じたからです
 ――望月記者の著書が原案ということで配役が注目されましたが、ヒロインは日本人の父親、韓国人の母親を持つ米国育ちという設定。実力派女優として知られる韓国のシム・ウンギョンさんが演じていますね
 この2、3年間で現実に起きた問題を生々しく展開したかったので、当初はリアルな事件をリアルに描こうと思い、実名を使うことも考えたのですが、そうすると作品としての広がりがなくなる。個人史としてではなく、テーマとして官邸支配とメディアの萎縮を扱いたかった。映画ならではの表現の自由を生かして普遍性を持たせたかったので、フィクション仕立てにしました。
 一方で、現実にリンクしたリアルなイメージを出すために、望月さん、前川さん、朝日新聞の南彰記者(新聞労連委員長)、元ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラーさんの4人が安倍政権の実態や報道のあり方について議論している映像を劇中で流しています。
 映画の設定としては、男女が出てくると作品が盛り上がるし、観客の期待値も上がる。ですが、どうしても恋愛関係の進展も期待されてしまう。その点で、シム・ウンギョンさんは男女関係という枠組みを乗り越えられる女優で、役柄にぴったりとハマった。記者と官僚の緊張感を豊かな表現力で演じてくれました。
「干されるかも」オファー固辞が相次ぐ
 ――内調に出向中のエリート官僚に扮した松坂桃李さんは〈「こんな攻めた映画を作るのか!」という純粋な驚きがありました〉とコメントしていましたが、キャスティングでご苦労は?
 役者のキャスティングは実はそうでもなかったのですが、スタッフ集めが難しかったですね。「テレビ業界で干されるかもしれない」と断ってきた制作プロダクションが何社もありましたし、「エンドロールに名前を載せないでほしい」という声もいくつか上がりました。映画館や出資者など協力してくれた人たちは口には出しませんが、いろいろと風当たりがあったと思います。僕自身は圧力を感じたことはありませんが。
 ――藤井道人監督にも一度はオファーを断られたそうですね。
 監督は32歳。新聞をまったく読まない世代で、政治にも関心がなかった。それで、「民主主義国家で生きている以上、政治とは無縁ではいられない。一人一人の生身の生活と政治は切り離せない。政治から遠ざかれば、民主主義からも遠ざかる」というような話をしたんです。「上から目線ではなく、若者の視点から映画を撮ったら面白いとは思わないか。やってみないか」と。
 すると、監督は俄然ヤル気を出して、東京新聞の購読を始めて、モーレツに政治の勉強を始めた。国民が何も知らなければ、権力によって意のままに分断されてしまう。そこに「政治に無関心」の怖さがある。そうしたことが政治による同調圧力に屈してしまう下地になっていることを監督は悟ったんです。うれしかったですね。
 ――芸能界にも政治を忖度する雰囲気が広がっているのですか。
 毎年恒例の首相主催の「桜を見る会」があるでしょう。官邸は芸能人や文化人をたくさん招待している。彼らの間では、呼ばれることが一種のステータスのような雰囲気が出来上がっていますよ。官邸はSNSを通じたイメージ戦略にも非常に長けていますよね。安倍首相は若者に影響力のある芸能人には積極的に会い、彼らはその様子をツイートする。思想的に近い文化人もうまく利用して、安倍政治に都合の良い色に社会を染め上げている印象です。
 ――官邸自身も「安倍首相スゴイ!」と言わんばかりの動画を量産し、SNSでバンバン発信しています
 野党に比べ、実にしっかりとマーケティングができています。それと、安倍政権は2つの要素を使い分けている。来年の東京五輪開催への期待や、新元号「令和」の祝賀を利用したお祭りムードによる国威発揚。非常事態が継続しているという雰囲気づくり。要所要所で福島をはじめとする復興を持ち出し、災害に対する危機感を維持させる。核・ミサイル開発を進める北朝鮮の脅威もあおってきた。よく練られたコントロールだと思いますよ。
 これではメディアがいくら政権の腐敗を報道してもかなわない。中でも、認可事業であるテレビ局は官邸に服従していると言わざるを得ない状況でしょう。結果的にメディアが官邸を守る役割を担っているのが現状です。 
 ――政権に批判的な言論人はメディアから消え、もの言えば唇寒しの風潮が広がる一方です。

 もうひとつ、安倍政治で間違っていると感じるのが、憲法改正が政治目的化していることです。憲法は法律の親分という一面ばかりが強調されていますが、憲法はそもそも、国民の代弁者である国会議員や為政者を縛るもの。為政者が前のめりに改憲を進めようとしているいまの政治状況は明らかにおかしい。なのに、国民レベルではそうした意識は希薄です。政治について財界人が遠慮なくモノを言い、学校でも職場でも語り合うようにならないとおかしい。そういう社会に戻さないとマズイことになりますよ。
(聞き手=坂本千晶/日刊ゲンダイ)
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さて話は変わって、参院選のためには「何でもあり」状態で利用できるものは国際会議でも自分のために利用してしまう安倍晋三。
 
スケジュール的には、毎年G7の会合が行われた後に、G20が開催されることが通例であったが、既に1年前から画策して、今年は参院選前に開催し、議長国としての世界各国の首脳と語り合う姿を国民に見せつけようとしたG20が昨日から行われている。 
海外のあるメディアでは、「安倍首相は『みんなのお気に入り』=独紙、調停役として評価-G20」ということらしいが、通訳なしでは直接会話できない安倍晋三は、強烈な自己主張はせず、何もしなくても日本の国益無視で政権維持のためだけに、金をくれる人とみなされており、まるで各国首脳からは「安牌(安全牌)」とみられているかも知れない。

もっともトランプ大統領だけは、「シンゾーを脅せばいくらでも出てくる」と日本を米国のATMと勘違いしているようである。
 
貿易交渉『大きな取引』攻める米 日本は『加速』示し圧力回避
 
    
              【毎日新聞より】
 
それでは、初日のG20ではどのような「議長国」としての「やってる感」を出したのであろうか。 

最後に、やはり映画「新聞記者」を見て、そして「2019夏 与野党激突!」第二部 中島岳志×望月衣塑子「安倍政権を再考する」をお勧めしたい、とオジサンは思う。
 
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