新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
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偽装移民政策になる入管法改正案

2018年11月27日 10時59分21秒 | 政治

怒りよりもむしろ脱力感を感じてしまった昨日の衆議院参院委員会。
 
山尾志桜里の質問には、残念ながら安倍晋三首相は「自分の言葉」では答弁できず、官僚作成の答弁書(ふり仮名つき)を読むことに精いっぱいであった。 
 
  
      安倍vs山尾志桜里(立憲)「外国人材」受け入れ人数の上限11/26衆院・予算委
 
そして、参院予算委員会でのいい加減さ!


この状況はNHKが生中継していたのだが、その後の定時のニュースでは正確に伝えていなかった。


 「(時時刻刻)入管法、熟議ないまま きょう衆院委採決」 
 
                      【朝日新聞DIGITALより】 
 
「衆院法務委での審議時間は26日時点で15時間15分。このうち2時間45分は、立憲など野党4党・会派が欠席するなか、閣僚らが着席して待つ「空回し」と呼ばれる手法で積み増した」
 
入管法がいかに国家にとって都合のよい建付けになっているのか、いまさらながらに痛感する。

「安倍政権が強気の姿勢を貫くのは、これまで入管法がすべての在留資格の詳細な運用方針を法律ではなく省令で定める形で運用されてきたことがある」
 
さて、第197臨時国会での外国人労働者の受け入れを拡大するための入国管理法改正案について、改めておさらいしておく。
 
安倍晋三首相本人は「移民政策ではない」と主張し続けているにもかかわらず、安倍政権は、医師や弁護士など高度な専門人材に限られていた在留資格の就労目的に単純労働を追加し、外国人に単純労働を開放する歴史的な政策転換を目指そうとしている。
 
6月に開かれた経済財政諮問会議で安倍晋三首相は、政策転換の理由を「地方の中小・小規模事業者を始めとして人手不足が深刻化している」と説明し、移民政策ではないことを強調していた。
 
なぜなら、自民党支持の根強い保守層は「移民政策」を認めていないため、政府としてもあからさまな「移民政策」は進められない事情があるからである。
 
だが既に自民党法務部会からは人手不足が深刻な14分野から希望が出ているという。
 
その内訳は、介護▽ビルクリーニング▽素形材産業▽産業機械製造▽電気・電子機器関連産業▽建設業▽造船・舶用工業▽自動車整備業▽航空業▽宿泊業▽農業▽漁業▽飲食料品製造業▽外食業--の14分野である。
 
現実的にはすでに多くの外国人が単純労働に従事しているにもかかわらず労働不足が生じているという。
 
しかし、実態は「労働力不足」ではなく、低賃金でも黙って働く労働者が減っているということであろう。 
 
現在は、単純労働を就労目的とする在留資格はないにもかかわらず、外国人技能実習制度という抜け道を使って、技能実習生が「出稼ぎ留学生」と合わせ単純労働の担い手になっていることは公然の秘密となっている。
 
発展途上国への技術移転を謳って1993年に創設された外国人技能実習制度は当初、就労先職種が17種類、滞在期限2年だった。 
現在では職種は80種類近くまで広がり、滞在期間も5年に延びている。
 
なし崩し的広げた抜け道は、あたかも派遣法が制定された当時の限定された職種がいつのまにか無制限にちかく広げられた
事を彷彿させられる。
 
それにしてもそんな抜け道を利用しても人手不足を解消できない産業界からの痛烈な要請が「人手不足の解消」としての出入国管理法改正案となった事情である。
 
こんな実態からは、技能実習生の在留期限延長焦眉の課題となってくる。
 
具体的には3年間働いた技能実習生に「特定技能1号」資格を付与すれば、滞在期間がさらに5年延長できるという措置になる。 
「2025年までに50万人の受け入れ」を掲げる安倍政権は、この法案を成立させて現在の技能実習生と資格就労外の留学生を合わせた数に匹敵する受け入れを今後僅か6年で達成しようとする計算になる。
 
まさに短期的な労働需給の調整弁に活用しようとする意図が透けて見える。
 
単純労働に門戸開放しながら「移民」を党利党略から「禁句」とすることは、少子高齢化がますます進み、労働人口の減少を見据えた将来ビジョンを描くということをしなければ、入管法改正案は単なる姑息な手段に過ぎない、とオジサンは思う。
 
 
【付録】
 

     外国人労働者弁護団代表・指宿昭一氏「法務省は“移民政策”の真実を語るべき」

     
  


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