■驚安の殿堂
株式会社ドン・キホーテ
(英: Don Quijote Co., Ltd.)
日本の主要都市や主要地方都市でドン・キホーテブランドなどの主に総合ディスカウントストア及び総合スーパーマーケットを展開する企業。
本社は東京都目黒区青葉台。
略称はドンキ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/a2/b6126294f47671aefb958875c4f2d384.jpg?1689344658)
現在の株式会社ドン・キホーテは2代目法人である。
2013年8月に株式会社ドン・キホーテ分割準備会社(ドン・キホーテぶんかつじゅんびがいしゃ)として設立され、初代法人より会社分割で事業を承継した。
初代株式会社ドン・キホーテは2013年12月に商号を株式会社ドンキホーテホールディングス(現・株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)へ変更し、持株会社体制に移行。
《概要》
1号店は、京王線東府中駅近くにある東京都府中市の「ドン・キホーテ府中店」。当初は平屋の小さな店舗で倉庫形態を採用していた。
本社も府中市に置いていた。
その後、総合ディスカウントストアとして展開を開始。
1997年11月に東京都江戸川区の「ドン・キホーテ葛西店」内へ本店を移転。
2006年9月には東京都新宿区西新宿の新宿住友ビル35階に本店を移転。
さらに2009年9月には、東京都目黒区の「ドン・キホーテ中目黒本店」(イエローハット跡地)内に本店を移転した。
営業本部は東京都八王子市松木の「ドン・キホーテ京王堀之内店」の3階にある。
パーティー用品や雑貨などのほか、食料品や酒類、化粧品、日用品、衣料品、レジャー用品、インテリア、家電製品、携帯電話本体および関連商品、宝飾品、ブランド品、アダルトグッズなどを、幅広く取り扱っている(取扱商品は店舗により異なる)。
《特徴》
▼営業時間
大半の店舗は、午前9時から11時に開店して深夜0時から5時の間に閉店する長時間深夜営業で、一部の店舗は24時間営業である。
ただし、午後8時から9時など比較的早い時間に閉店する店舗も存在するため、ドン・キホーテの店舗がすべて深夜営業というわけではない。
幹線道路沿いの店舗では駐車場を完備しているが、都心・駅前店などでは立体駐車場を併設している場合が少数あるのみである。
駐車場は基本的に無料だが、店舗によっては買物金額に応じて無料時間を設定したり、近隣のコインパーキングと提携している店舗もある。
▼陳列・販促方法
「圧縮陳列」と呼ばれる陳列方法を採用しているのが特徴である。
隙間なく商品を並べて店内は半ば迷路のようになっており、買い物客に目当てのものを探し出させる宝探し的な要素をもたせている。
▼POP広告
店内に散在している数多くのPOP広告もドン・キホーテの特徴である。
これらの広告はドン・キホーテの本部が各店舗に配布しているわけではなく、各店舗で「POPライター」を採用して1店舗ごとに1人から3人配置し、「買場」の担当者と共に作成しており、POP文字は「ドンキ文字」と呼ばれるドン・キホーテ独自のフォントを使用している。
▼店舗による価格の違い
同じ市町村内の店舗であっても、店舗により同一商品でも価格が異なることは珍しくない。
これは価格決定が担当者(店長や地域マネージャーの場合もある)の裁量に広く委ねられているためである。
店舗によっては「ロープライス保証商品」と銘打った商品を陳列するときがあり、その場合は購入後に他店舗(ドン・キホーテの他店舗も含む)でさらに安い価格が設定されていた場合に差額を返金する保証制度を取っている。
またかつては無期限で返品可能とするなど返品に柔軟であったが、その後は店長の裁量で返品受付の可否を決定している。
▼公式キャラクター
ペンギンを図案化した
「ドンペン」と「ドンコ」。
▼テーマソング
同店のテーマソング「MIRACLE SHOPPING〜ドン・キホーテのテーマ〜」が基本的に流れている。
このテーマソングのCDはドン・キホーテ店内で販売されており、着うたの配信もされている。
また店舗に電話をかけると保留音としてこのテーマソングが流れる。
作詞作曲・歌唱は同社の元社員でプロ・ミュージシャンの経歴を持つ田中マイミである。
▼従業員の就業規則
2022年3月から規則を改定し、ヘアカラーは自由となり、ネイルについても凹凸のないデザインであれば色は自由に緩和された。
《沿革》
・1978年
創業者の安田隆夫が小規模店舗「泥棒市場」を杉並区上荻四丁目に開業する。
・1980年9月
卸売業を主体として株式会社ジャストを設立する。
・1982年7月26日
本店を東京都杉並区桃井四丁目4番19号から埼玉県新座市栗原一丁目6番8号へ移転する。
・1989年
◇2月10日 本店を東京都府中市八幡宿北7782番地5へ移転する。
◇3月 小売業へ業態変更し、「ドン・キホーテ」第1号店となる府中店を出店する。
・1995年9月 商号を株式会社ドン・キホーテに変更する。
・1996年12月 店頭市場に株式を公開する。
・1998年6月 東京証券取引所市場第2部に上場する。
・2000年
◇6月 ナスダックジャパン市場に上場する。
◇7月 東京証券取引所市場第1部銘柄へ昇格する。
・2003年 商業施設事業を営む株式会社パウ・クリエーション(現在の日本商業施設株式会社)を設立、初の商業施設パウ川崎を神奈川県川崎市に開設、続けて北池袋、平塚、中川山王など全国27施設を開設し、ドン・キホーテを核テナントとしたショッピングモールを展開。
・2003年8月 テレビ電話を利用した遠隔薬剤師による医薬品の販売を開始する。
後に厚生労働省より指導を受けたため、深夜早朝帯の緊急時に薬剤師がテレビ電話で相談を受け、無料で提供するサービスに変更する。
・2004年
◇2月 携帯機器販売事業を営む株式会社ドンキ情報館を設立し、2013年6月期に売却した。
◇9月 不動産開発事業を営む株式会社ディワンを設立して連結子会社とする。
◇12月13日 埼玉県さいたま市内の「浦和花月店」と「大宮大和田店」の2店舗で連続放火被害が発生し、花月店が全焼し店員3名が逃げ遅れて死亡する。
◇12月15日 上記と同一犯により「大宮大和田店」で再び放火が発生する。
放火に乗じた万引き窃盗の容疑で40歳代の女が別件逮捕され、のちにドン・キホーテ放火被害の放火を認める。
・2005年
◇1月 モバイル・ウェブ・ファイナンス・マーケティング事業を営む株式会社リアリット(連結子会社)を設立する。
◇12月8日 経営再建中であったダイエーが所有しているハワイの子会社および現地の食品スーパー4店舗の買収に合意する。
・2006年
◇2月24日 ダイエーのハワイ子会社の株式を譲り受けて同時に全従業員を受け入れ、「Don Quijote (USA) Co. Ltd.,」が発足し、初の海外店舗となるオアフ島内4店舗を取得する。
◇9月 本店を東京都新宿区西新宿二丁目6番1号へ移転する。
・2007年
◇1月31日 - 埼玉県を中心に展開するホームセンタードイトを子会社化する。
◇10月25日 - スーパーマーケットチェーン「長崎屋」の株式を譲り受け、子会社とする。
・2009年
◇8月31日 本社を東京都目黒区青葉台二丁目19番10号に移転する。
・2011年 売掛債権の買取業などを営む株式会社フィデックを子会社とする。
◇6月6日 当社元常務が当社から得た経費を私的に流用して着服したとして警視庁に詐欺容疑で逮捕される。
2013年
◇8月 (初代)株式会社ドン・キホーテにより株式会社ドン・キホーテ分割準備会社が設立。
◇12月 (初代)株式会社ドン・キホーテ(株式会社ドンキホーテホールディングスへ商号変更)の持株会社移行に伴う会社分割により、事業を継承した株式会社ドン・キホーテ分割準備会社が、株式会社ドン・キホーテ(2代目)に商号を変更する。
《業態》
▼総合ディスカウントストア事業
・ドン・キホーテ
通常業態。基本的には生鮮食品を扱わない。主に若年層を対象とする。
・MEGAドン・キホーテ
総合スーパー業態をコンセプトにした店舗。
通常の店舗とは異なり通路が広いことを特長とする。
家族や高齢者を対象としている。
・NEW MEGAドン・キホーテ
MEGAドン・キホーテより規模が小さい業態。
生鮮食品の割合を減らすなど、より収益性・効率性を重視した業態。
・MEGAドン・キホーテUNY
後述のアピタやピアゴからの転換で、MEGAドン・キホーテとユニーのダブルネーム店舗。
UDリテール株式会社が運営する。
・ピカソ
小型店舗の位置づけ
・essence(エッセンス)
▼スーパーマーケット事業
・長崎屋
スーパー事業(MEGAドン・キホーテに改装されずに長崎屋のまま残った店舗)。
上記の「ドン・キホーテ」や「MEGAドン・キホーテ」に転換され減少傾向にある。
株式会社長崎屋が運営するが、MEGAドン・キホーテに転換された店舗の一部も長崎屋によって運営されている。
▼その他リテール事業
・驚安堂
ピカソと同様に小型店舗の位置づけだが、かつて展開していた情熱空間を承継したコンビニエンスストア型店舗。
梅島駅前店、2015年9月8日にオープンする福生店では、「驚安堂」の看板の横に緑地で「野菜・果物・精肉」の看板が取り付けられている。
なおPPIHの国内業態としては唯一自社系のmajicaを含めたキャッシュレス決済に対応しておらず現金のみに対応している。
▼専門店
いずれも、ミニショップ形態の専門店。
・お菓子ドンキ
輸入菓子や珍味など、菓子類に特化した専門店。
・お酒ドンキ
クラフトビールや変わり種など、酒に特化した専門店。
上記「お菓子ドンキ」「お酒ドンキ」は、いずれも1号店が2021年5月21日に、八重洲地下街(東京都中央区)にオープンした。
・コスメドンキ
韓国コスメなど、化粧品に特化した専門店。
・驚辛ドンキ
辛い食べ物に特化した専門店。
上記「コスメドンキ」「驚辛ドンキ」は、いずれも1号店が2021年11月6日に、モラージュ柏(千葉県柏市)にオープンした。
なお、モラージュ柏には「お菓子ドンキ」も出店している。
・キラキラドンキ
お菓子屋やアジアンコスメなど、トレンドを意識した専門店。
「キラキラドンキ」は1号店が2022年5月3日に、ダイバーシティ東京プラザ(東京都港区)オープンした。
・ときめきドンキ
Z世代~ミレニアル世代の女性をターゲットした専門店。
「ときめきドンキ」は1号店が2022年11月11日に、ドン・キホーテ中洲店(福岡県福岡市博多区)オープンした。
・ ナイトドンキ
家電など当たるカプセルトイ型のコーナーを設置をした専門店。
「ナイトドンキ」は1号店が2022年11月25日に、ドン・キホーテすすきの店(北海道札幌市中央区)オープンした。
関連項目 ー 圧縮陳列 ー
圧縮陳列(あっしゅくちんれつ)は、ドン・キホーテが買い物の楽しさ・面白さを購買客に煽り、訴えかけるために行っている独自の商品ディスプレイ・販売促進手法である。
文字通り、狭小な売り場空間を商品で徹底的に満たし、いわば商品の無秩序空間・ジャングルを形成する。
関連項目 ー 居抜き出店 ー
居抜き(いぬき)とは、もともと存在した店舗の家具などがそのまま残った状態で不動産物件を他の者に売却したり、貸したりすることである。
狭義的には、主として同業種の閉店した地に、その旧店舗の内外装・設備類をそのまま利用して出店することを指す場合もある。
このような状態の物件を居抜き物件という。
これに対して旧店舗の内装や設備類などを撤去し建物のみとした状態の物件をスケルトンと呼ぶこともある。
物件によっては、「床・壁・天井だけあります」「厨房だけあります」というように、内装の一部だけ残っている場合でも居抜き物件という場合もあるが、その場合は「一部居抜き」といった表現をすることが多い。
▼メリット
メリットとしては、過去の店舗から残されている内装や設備をそのまま使用できるため、初期投資を少なく抑えられることがあげられる。
▼デメリット
デメリットとしては、店内のレイアウトがある程度決まっているため、イメージ通りの内装にしにくい点があげられる。
特に、飲食店の場合では、水回り(厨房やトイレ)の改装が難しいケースが多い。
また、引き継いだ設備が古く、実際には使えないといった場合、新たに買い足す必要が出てくるため、結果的に造作譲渡料以外に新たに工事費が発生してしまう。
▼スケルトン
床・壁・天井・内装などが何もない「建物の躯体だけの状態」の物件のことは、「スケルトン」という。
店舗物件は「スケルトン渡し・スケルトン返し」が基本なので、返却する際はスケルトン状態に戻す必要がある。
しかし、新たなテナントが旧テナントと同じ業種であれば、そのままで引き渡しができれば内装工事費用を節約でき、かつ元テナントにとってもスケルトンに戻す解体費用を節約することができる。
その結果、引渡時間の短縮により物件のオーナーにとってもメリットとなる。
〔ウィキペディアより引用〕