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クチヒゲノムラガニの生態

退職し晴耕雨読的研究生活に入った元水族館屋の雑感ブログ

川湯 リベンジ

2025-03-09 | 雑感
熊野地方の独特な地形や奇岩は,約1500万年前の熊野カルデラ噴火に由来する。この噴火は地史的に見ても指折りの大噴火でカルデラの大きさは半径30kmにも及んだが,あまりにも古すぎるため今では熊野各地の名勝として痕跡程度にしか残っていない。

熊野地方は温泉地としても有名で,和歌山・奈良・三重の広範囲にわたって名湯が分布するが,不思議な事に熊野地方には火山が存在しない。火山がないのになんで高温の温泉が産出するかというと,それには熊野カルデラ噴火が関係している。

紀伊半島沖に存在する南海トラフにプレートと共に海水が絶えず沈み込み,それがマグマに触れて上昇圧を持つが,通り道がないと地表には現れない。熊野地方の地下には,カルデラ噴火の際に生じたマグマの噴出道が残っているため,高温・高圧の海水はそれを通って地下水を伴いながら地表に温泉として現れているのである。

本宮町大塔川のほとりに位置する川湯温泉・仙人風呂もしかり。当地の川底からは70℃を超える温泉が湧き上がり,冬季に川岸の一部をせき止めて一大露天風呂を作り,無料で開放している。その特異性から,熊野温泉群の中では知名度が最も高い。しかしながら,熊野地方の片隅に住んでいながら,これまで一度もこの温泉に親しんだことはなかった。

そこで,2月のある極寒・快晴の平日に当地を訪れた。ところが当日は生憎の河原の整備,入浴は中止となっていた。縁がなかったとあきらめて近所の温泉に入って帰宅した。

仙人風呂の開期は2月一杯であるため,再訪は来季に持ち越しと決めていたのであるが,今季の最終日の前日,天気が良好であったため(翌日の天気は雨の予報),急遽リベンジを思い立った。

自宅から川湯までは車で2時間ほど。仙人風呂は入浴無料であるばかりか,駐車場や更衣室・トイレまで無料で整備されている。素晴らしいサービスである。

仙人風呂は露天・混浴のため水着着用が義務づけられ,洗剤の使用は禁止されている。駐車場から風呂までは公道と河原を数分歩く必要があり,しかも寒いので水着の上に着衣が必要とされる。ただし,通りがかりに興味を引かれたのであろうか,腰にタオルを巻いて走っていく強者もいた。

千人風呂とも言われるため,広いプールを予想していたが,意外と狭い。200人風呂といった感じである。人が少ないプールの山側から入ったが,とても熱い。それもそのはず,山側には源泉があり,あぶくと共に湯が湧いている。そこは50℃以上はあろうか。河原を見ると「高温注意」の小さな立て札があった。

プールの川側は温度が低いのであろう,人が多い。我々夫婦は直接湧き上がる場所を避けて山側に居座り,入浴はプールの中央で行ったがやはり熱い。45℃はあったであろう。出たり入ったりを数回繰り返して風呂を出た。ゆっくりつかれなかったがが,それなりに堪能し,満足できた。

風呂は夜の10時まで入れるとのこと。来季は雪の降る夜にでも入りたいものだと思ったが,妻君は同意しないであろう。


温泉街の中ほどにある橋にはオブジェが並ぶ。千人風呂は画像の上部中央にある。


千人風呂(画像上部)


風呂の広さはこんな感じ。


風呂の川側は温度が低く人が多い。


山側は源泉があり温度が高い。

高温注意の立て札


分かり難いが,山側からはあぶくと共に温泉が湧き出ている

カード不正利用未遂

2025-02-18 | 雑感
 今朝メールを開くとカード会社から利用確認メールが届いていた。昨晩,「誰かが私のカード番号でアマゾンから6000円程の商品購入を試みたが不審があり,カード利用を凍結している。下記URLに確認して欲しい」という内容のものだった。メールアドレスや内容は本物にとてもよく似ており真偽の判定はできなかったが,これは巧妙なフィッシング詐欺だと思い込み,URLを開かずにメールを削除した。すると今朝,カード会社から昨日送ったメールの内容を確認して欲しいとのSMSが届いた。

 カード番号はスキミングにより盗まれることはあるが,電話番号まで一度に盗むのは難しい。まして,SMSの発信先はカード会社であった。こうなると,疑り深くなっている私でもカードが不正利用されかけたことは確かなようであり,ゴミ箱に入っているメールを復活させてカード会社指定のURLにアクセスした。

 結果は,身に覚えがない購入試行があったことは疑いなく,カード会社にカードの凍結と再発行を依頼して一件落着となった。

 それにしてもカード会社の対応の親切さには感心させられた。さすがはSMBCである。不正利用があったのが22:32で,直後にカードを凍結し,22:34にはメールが届いている。そしてメールを確認しない盆暗にはSMSで念を押してくれている。また,再発行の対応も早い。今回は本当に未遂で済んで良かった。

 ところで,今回の件で大きな恐怖が2つ残った。1つはいつスキミングされたかである。直近では町内のスーパーで使用した以外に記憶にない。しかも,カードはスキミング防止ケースに入れて持ち歩いている。従って,スキミングが町内で起こったとすれば,犯人はスーパーの店員以外考えられない。そうだとすれば,今後カードを使うのはとても気持ちが悪い。
 なお,昨秋,大阪の無人駐車場でこのカードを使ったところ,精算機が不審な動作をしたことがあった。唯一思い出すのはこの時のことであるが,まさか。。。。

 他の1つは,他の会社を語る詐欺メールがあまりにも多すぎて,全てが信用できなくなっていることである。今回はたまたまメールを完全削除しなかったため,早期に対応できたが,メールもSMSも無視していたらトラブルが波及していたかも知れない。それは,犯罪者はしたたかだからだ。
 これ以上悪質メールが増えると正しいメールが悪質メールの中に埋もれてしまい,メールサービスを利用する気が失せてしまう。実際のところ,迷惑メールサービスを利用していても,とてもうんざりしている。私の知人の中には,メールサービス会社もしくはアドレスを変えて詐欺メール対応をしている人が多い。いろいろ問題はあろうが,メールサービス会社の詐欺メール対応はとても手ぬるく感じている。いたちごっこではあるが,もっと効果的な対応を取らないと利用者から見放されると思うのだが。。。


名所:橋杭岩
散歩途中の月並みな風景ではあるが,この時は時が止まったような,幻想的な絵が撮れた。

那智の滝壺

2025-02-06 | 雑感


 昨日のニュースで「那智の滝の滝壺が2年振りに結氷した」と聞き,寒波の最中を物ともせず見に行ってきた。熊野古道で最も有名な大門坂を登り,かわいい郵便局の横を通って那智の滝に下りた。残念ながら滝壺が見える山道は関係者以外立ち入り禁止となっていたため,ニュースで見たような結氷は確認出来なかった。ただし,滝の途中には氷が張り付き,本州最南端に近い南国にあっては珍しい景色であった。

大門坂


かわいい郵便局


那智の滝全景


滝の落口にはしめ縄が張られている


滝の中ほどには氷が張り付く


背伸びして撮った滝壺。一般者が見られるのはここまで。氷っているようであり,そうではないようではもあり・・・


哀愁漂うマイカーの後ろ姿。もうすぐ新車と交代する。

古座の海霧

2025-01-21 | 雑感
和歌山県古座海岸では冬季に海霧が見られることで有名である。海霧は海上に現れる霧のことで、当地では暖かい海水・冷えた河川と空気・無風の条件が重なることで発生する。

今朝、偶然車で通りかかってこの海霧に出会った。残念ながら、風が出始めていたため霧は既にだいぶ流され、しかも霧と太陽が被ってしまい、きれいに撮影することはできなかった。それでも間近で眺めるのは初めてであり、幻想的な冬の風物詩を堪能させていただいた。


鯛島を包み込むように流れる海霧


有名な田原海岸の海霧

風で海面上を流されていく海霧


20250102の今日の1枚

2025-01-05 | 雑感


 カメラ撮影が好きである。ただし、マニアのように細かい描写のための撮影設定には拘らない。銀塩時代にはOMを愛用していたが、しばらくの一眼ブランクを経て、今はPEN EP7にZUIKO 12-200 mmのセットで散歩の際は絶えず持ち歩いている。
 なぜこのセットかというと、共にOLYMPUSの名を冠した最後の製品であり、かつ手が届く価格であったためである。また、このズームは神レンズであり、広角から望遠まで良くこなし、色再現がとても良い。
 常に手持ちなので、カメラはシャッタースピード優先オートのままで気ままにカシャカシャと撮る。
 この日の1枚は、紀北のある入り江で、沖合にのんびりと浮かぶ遊漁船を、熊野古道伊勢路の山並みをバックに200 mmで撮影したもの。
 実はスマホアプリのみ対応の「今日の1枚」サービスが始まったので、すぐにそれに飛びついた。しかしながら、スマホを持っていてもほとんど駆使できない化石人間なので、使い勝手が悪い。結局、いつものようにパソコンからの投稿になった。

次の車が決められない

2025-01-03 | 雑感
 愛車の「ハスラー」も早10万kmを超え、来年は10年を迎える。近年は車体のきしみと騒音も増した。いよいよ乗り換えと思い、一昨年から新たな軽自動車を物色している。軽に絞っているのは、駐車スペースと税金の関係である。さて、次の車がなかなか決まらない。それは、以下の厳しいハードルがあるからだ。

①人生最後の車にふさわしいか(次の車では70才を越えるので最後になる可能性が高い)
②安全装備は最新のものか(巷であふれる老人の事故には身につまされる)
③EVかe-power、もしくは燃費が優れているか
④SUV風(まだ車中泊はしたい)
⑤スバル、トヨタ、スズキは乗ったので、他のメーカーも試したい

 家の太陽光発電・オール電化システムは、将来的にEV車導入を見据えたものであったが、現行で満足のいくものはないし、ここ数年のタームでは登場しそうもないことが分かった。まして、夢の全固体電池の普及には運転寿命が追いつきそうにない。軽自動車へののe-power導入にも期待していたが、当の日産がこけてしまった。

 とにもかくにも、現時点では「これぞ人生の最後にふさわしい車」は、見つからないので諦めた。ただし、買い換えは避けられない。そこで、技術は日進月歩、最新の安全装備の新車に乗りつつ、人生最後の選択は3年後に先延ばして「最後の車の出現」を待つという戦略を取った。

 戦略とは、スズキの残価設定3年据え置き払いクレジットを使うことである。それは、価格の半分を先払いし、3年後に、①新たなスズキの新車に乗り換えるか、②別のメーカーの車に乗り換えるか、③車を買い取るか、を選ぶのである。このクレジットは月払いはない。①の場合はまたスズキの別の新車に3年間乗れるが、新たな車の半金を支払う必要がある。②の場合は別途他者メーカーの車を購入することになるが、前車の半金は払い捨てとなる。③の場合は残金を支払って車をそのまま乗り続けることができる。私が選んだ車の場合、クレジットの手数料は10万ほど。現金一括で車を購入するとこの手数料は不要となる。ただし、クレジットには5万円程度のメインテナンス料金がパックされており、実質の手数料は5万円で済む。5万円で「最後の選択」を3年後に先延ばしできるのはうれしい限りである。

 さて、私が選んだのはスズキの新型スペーシアギア。試乗してその乗り心地と装備の良さに心を動かされ、即決となった。ただし、3年後の情勢が未知であるため、オプションはターボ、全方向ナビ、マット、ETCのみに止め、費用を極力抑えた。さらに、ドラレコとオプションのマット・ETCは割引で対応していただいた。

 なお、スペーシアギアはたいへん好評とのことで、なんと納車まで6ヶ月待ちとなった。ハスラーには愛着があるが、新車の到着がたいへん待ち遠しい。ところで、ハスラーの買い取りも期待していたのであるが、10年を経過した軽自動車はほぼ価値が無くなるらしい。残念であるが仕方がない。

 はたして、3年後の「最後の選択」はどうなることであろう。スズキの別の新車なのか、ホンダ・日産の軽e-powerなのか、全固体電池搭載の航続距離が300kmを超える夢のEVなのか、それともギアをそのまま乗り続けるのか。結末はいずれまた本ブログで紹介したい。現実的にはギアを乗り続け、全固体電池車を持つような気がするが。。。



マイカーの新旧。上はハスラー、下は半年後に納車予定のギア(色も同じ物)。

初日の出10景

2025-01-01 | 雑感



無宗教なので初詣には行かないが、初日の出はありがたく拝む方である。先ほど、元旦散歩を兼ねて初日の出を拝んできた。無風快晴、なんとも平和な元旦ではあるが、内外問わず世は激動の時代である。今年もそれには関わりなく仙人のように過ごしたい。

夜明け前


ご来光を待つトンビ。


初日の出は大島越しであったためけっこう待たされた。この一瞬のために大勢が凍えた。

橋杭の集落に降り注ぐご来光。


自動車道建設現場にも。

主治医がいないということ

2024-12-22 | 雑感
 満身創痍である。といっても重病はない。必然的にいろいろな病院に通っている。内科、眼科、皮膚科、時に整形外科、外科、泌尿器科、稀に耳鼻科。
 
 これらの中で寿命に直結するのが内科である。痛風になってから通いつめていた町医者は、主治医の引退により転院せざるを得なくなった。そして、今の病院に換わって20年ほどになる。この間、痛風は治まったものの、高血圧、胃弱、糖尿病予備軍となり、同年齢できさくな主治医に命を託すことになった。

 この8月、薬をもらいに行ったら、主治医が急に体を悪くして入院したと看護師さんから告げられた。その一月後に訪れたら、病状が悪くて復帰の見込みが立たず、一時の転院を勧められた。そして、この11月に主治医が亡くなった。医者の不養生というものか。路頭に迷いつつ、先生のご冥福を祈った。

 さて、主治医には命を託していた。さらに、小さな町故、循環器系・消化器系に強い町医者は他にいない。これからどう延命を図るか。戦略の見直しを余儀なくされた。

 出した答えは以下のとおり。
①新たに通い出した町医者では今の薬の処方と予防注射のみを頼み、それ以上の医療は期待しない(できない)。
②高度の設備が必要な検査は数年に一度、町立総合病院で行う。
③将来的には、いろいろと好きくはないが、町立総合病院をかかりつけにかえる。

 目下心配なのは胃弱と胃にあるポリプである。良性ではあるが癌に変わる可能性もあり、2年に一度の内視鏡検査を受けていた。今年はその年であったが、タイミングを逃してしまった。来年は総合病院に依頼しなくてはならない。 

 と思っていた矢先、今度は大腸に不調が生じた。長く続く鈍い痛み、そして血便。これはやばいと思い、町医者を飛び越えて総合病院に駆け込んだ。結果は以前、本ブログに書いた通りであったが、主治医がいないということは、とても心許ない。


初めて近寄れたヤマガラ。しかもペア。なんと美しいことか。

失敗はしたが

2024-12-18 | 雑感
串本で2回目となるロケット(カイロス)打ち上げがあった。強風で2度延期され、3度目の正直となる今日(18日)11時に打ち上げられた。

前回の打ち上げは発射直後にトラブルが発覚し見事爆発させられた。今回も失敗ではあったが、オレンジ色の炎を吹き上げ数分間も飛び続けた。その姿は実に美しく、私の大好きな「スタートレック」的、感動を覚えた。これだけ楽しませていただけたら十分である。周囲からも拍手が起こった。










水中で鳥に出会った話

2024-12-08 | 雑感
 ある調査地点の過去の画像を調べていたら、完全に記憶から飛んでいたが、インパクトのあるものが出てきた。この話は他のどこかに書いた気もするが、再会した記念にここに書き止めておきたい。

 撮影したのは2017年3月、水深5m程の海底を泳いでいたら、黒い物体の小集団が水中に勢いよく飛び込んできて、水中を忙しなく猛スピードで泳ぎまくり、瞬く間に消え去った。






 その正体は「鵜」。ウミウなのかカワウなのか、その正確な種名は判然としない。カツオドリ類が海中を泳ぎ回って魚を追いかけるシーンはテレビでよく目にしていたが、この鳥の索餌もまったくそれと同様であった。それもそのはず、この鳥はカツオドリ目に属している。

 しかしながら、この鳥の泳ぐ姿はいささか怖い。画像をよく見ると、体表が空気の層で包まれている。これによって保温されているのであろうが、浮力が余分に生じて泳ぎにくい気がする。そんな欠点を、エンジン全開で泳ぎ回ることでカバーしているのであろう。

 大型のコバンザメに囲まれた時もそうであったが、この鳥との水中での出会いも、一生で一度の体験であった。