goo blog サービス終了のお知らせ 

クチヒゲノムラガニの生態

退職し晴耕雨読的研究生活に入った元水族館屋の雑感ブログ

大雲取越のさわりを歩く-亡き友人の声は聞こえたか

2025-05-07 | 雑感

大雲取越の行路(田辺市熊野ツーリズムビューローの古道地図を引用)


もう20年前の話。知人の紀伊民報記社さんの設定で、古老ガイドによる熊野古道大辺路は富田坂を歩いた事があった。この時のガイドさんは、当地にあったとされる「姥捨て山」探索をライフワークに手がけていたり、霊感はあったりと、とてもユニークな人であったのであるが、この人からとても興味深い話を聞かされた。熊野古道の中でも難所の一つとされる「大雲取越」を夜中に一人で歩いていた時に、ザッザッと音を立てた落ち武者の行進に出会ったそうである。同行した友人はその話にたいそう関心を示し、その後、しきりに夜中の「大雲取越」敢行を所望されていたのであるが、残念ながら彼が存命中にはその実現は叶わなかった。

数日前、帰省中の娘がどこか歩きたいというので、「大雲取越」のさわりをコースに選んだ。「大雲取越」は熊野本宮大社から熊野那智大社を結ぶ山深い参詣道で、「小雲取越」を含めると30kmにも及ぶ熊野古道屈指の難関である。ここを一度に完歩するのは体力的に無理であるので、那智大社寄り1/10に当たる高原公園-色川辻(約3km)往復をコースとし、帰りは車道を歩いた。ただし、ただ歩いただけではない。上述した古老ガイドが落ち武者の亡霊に出会ったと思われる地点「亡者の出会い」をコース内に含めた。

高原公園に車を止め、通常の参詣ルートとは逆向きにハイキングを開始、90分ほどかけて展望台のある舟見峠に到着、ここで昼食を取り、「亡者の出会い」を通過し、出発から150分で色川辻に到達した。

さて懸案の地点である「亡者の出会い」。解説付きの看板が立ててあったのでそれと分かったが、他とあまり変わりない尾根中にある。解説を読むと、当地は古より亡くなった親族や友人に出会う場所であるらしい。幸いにも亡き友人の姿や声は感じなかった。


石畳の道が続くよく整備された古道である





ちゃんと看板と解説があり、とてもうれしい。


途中に出会ったギンリョウソウ。幽霊のような花。


ウンゼンツツジ:小型で可憐なツツジ。今が最盛期。ウンゼンと名が付くものの、雲仙には分布しない。和歌山県ではウンゼンツツジとは呼ばず、コメツツジと呼ぶ。

晩春の花

2025-04-28 | 雑感
この時期は花に溢れ、毎日古道を散歩していて本当に楽しい。目に付いた派手なものを撮ってみた。

タツナミソウ


ジャケツイバラ


アブラギリ

モチツツジ


クロバイ



桜花の銀河

2025-04-09 | 雑感


続けて桜の話題。

2年前に本宮大社に至る熊野古道を歩いていたら、大斎原の対岸に一際もえ立つ桜の山が目に入った。気になって訪れたところ、散り桜にはなっていたが、道路に散り積もった桜花の洪水に感激を覚えた。満開の桜も良いが、散り桜こそ美しい。

後に調べたら、この場所は七越峯(ななこしのみね)という桜の名所で、しかも修験道の道として知られる大峰奧駈道(おおみねおくがけみち)の入り口でもあることが分かった。

さて、2年振りに七越峯に訪れた。もちろん散り桜目当てであり、来訪に際しては熊野本宮観光協会ホームページ・桜情報の「散り始め」との表示を参考にさせていただいた。

期待通り、今回も道路上の桜花の銀河を堪能させていただいた。毎年訪れたい。







「ヤマザクラ」と思っていたのはクマノザクラ

2025-03-25 | 雑感



ソメイヨシノよりも半月もしくはそれ以上早く、山に普通に咲く桜を、これまでヤマザクラだと思っていた。ところが、どうやら違うらしい。

今日、散歩の途中で一際美しい薄桃色で咲く「ヤマザクラ」の写真を撮り、調べて見たらそれはヤマザクラではなく、クマノザクラであることが分かった。

花に基づいたクマノザクラとヤマザクラの違いは以下のとおりである。
・クマノザクラの花の色は白色~薄薄桃であるのに対しヤマザクラは純白
・クマノザクラは1つの花芽につき2個の花を付けるのに対しヤマザクラは3~4個
・クマノザクラの花柄の長さはヤマザクラに比べて顕著に短い
・クマノザクラの開花時期は3月上旬~下旬であるのに対しヤマザクラは4月中旬~下旬

上記の相違点に基づけば、写真の種はクマノザクラに同定される。

クマノザクラ Cerasus kumanoensisは2018年新種として報告されたばかりの、熊野地方(紀伊半島南部)原産の日本固有種である。これまで私が誤認していた「ヤマザクラ」が本種であるとするならばうれしい限りであり、明日からは見る目が違ってくることであろう。

今が最盛期の「ヤマザクラ」ならぬクマノザクラ


クマノザクラの大木

飛行機雲はエンジンの数と同じ本数で現れる

2025-03-24 | 雑感


少し前になるが、旅客機がいつになく鮮烈な筋を引いていた。

上空に旅客機があると、つい、どこに向かっているのであろうかと想像を巡らしてしまう。

写真の機体は南東方向に向かっていた。たぶん東京行きであろうが、もしかしたらハワイ航路かもしれない。。。。。

ところで、旅客機は雲を作る時もあれば、全く作らない時もある。気になって調べてみた。

飛行機雲ができる条件は、「飛行機の高度が1万メートル付近であること、上空の気温が低いこと(-40度~-60度程度)、上空の湿度が高いこと」だそうである。

従って、写真を撮影した時は上空の湿度が異常に高かったことが窺える。また、飛行機雲ができない時は、この真逆なのであろう。

また、さらに面白いことが分かった。飛行機雲が顕著な時は天気は落ち、そうでない時は晴れが続く。これは常識なのであろうが知らなかった。

さらにトリビア:飛行機雲はエンジンの数と同じ本数で現れる。




ついに納車

2025-03-17 | 雑感


半年待ちと言われ到着を待ち望んでいた新車(新型スペーシアギアXZターボ2WD)が,予約から2ヶ月ほどであっけなく納車となった。本車に乗り始めてまだ2週間。過剰すぎる機能にはなかなか慣れず,いささかうんざりもしているが,運転しやすく総合的には満足している。

自宅の太陽光発電システムと連携できる理想の軽EVが発売されるまでの「つなぎ」として購入した次第であるが,長く乗りそうな予感はある。これからの活用が楽しみである。

新旧交代


名勝「一枚岩」で記念撮影

川湯 リベンジ

2025-03-09 | 雑感
熊野地方の独特な地形や奇岩は,約1500万年前の熊野カルデラ噴火に由来する。この噴火は地史的に見ても指折りの大噴火でカルデラの大きさは半径30kmにも及んだが,あまりにも古すぎるため今では熊野各地の名勝として痕跡程度にしか残っていない。

熊野地方は温泉地としても有名で,和歌山・奈良・三重の広範囲にわたって名湯が分布するが,不思議な事に熊野地方には火山が存在しない。火山がないのになんで高温の温泉が産出するかというと,それには熊野カルデラ噴火が関係している。

紀伊半島沖に存在する南海トラフにプレートと共に海水が絶えず沈み込み,それがマグマに触れて上昇圧を持つが,通り道がないと地表には現れない。熊野地方の地下には,カルデラ噴火の際に生じたマグマの噴出道が残っているため,高温・高圧の海水はそれを通って地下水を伴いながら地表に温泉として現れているのである。

本宮町大塔川のほとりに位置する川湯温泉・仙人風呂もしかり。当地の川底からは70℃を超える温泉が湧き上がり,冬季に川岸の一部をせき止めて一大露天風呂を作り,無料で開放している。その特異性から,熊野温泉群の中では知名度が最も高い。しかしながら,熊野地方の片隅に住んでいながら,これまで一度もこの温泉に親しんだことはなかった。

そこで,2月のある極寒・快晴の平日に当地を訪れた。ところが当日は生憎の河原の整備,入浴は中止となっていた。縁がなかったとあきらめて近所の温泉に入って帰宅した。

仙人風呂の開期は2月一杯であるため,再訪は来季に持ち越しと決めていたのであるが,今季の最終日の前日,天気が良好であったため(翌日の天気は雨の予報),急遽リベンジを思い立った。

自宅から川湯までは車で2時間ほど。仙人風呂は入浴無料であるばかりか,駐車場や更衣室・トイレまで無料で整備されている。素晴らしいサービスである。

仙人風呂は露天・混浴のため水着着用が義務づけられ,洗剤の使用は禁止されている。駐車場から風呂までは公道と河原を数分歩く必要があり,しかも寒いので水着の上に着衣が必要とされる。ただし,通りがかりに興味を引かれたのであろうか,腰にタオルを巻いて走っていく強者もいた。

千人風呂とも言われるため,広いプールを予想していたが,意外と狭い。200人風呂といった感じである。人が少ないプールの山側から入ったが,とても熱い。それもそのはず,山側には源泉があり,あぶくと共に湯が湧いている。そこは50℃以上はあろうか。河原を見ると「高温注意」の小さな立て札があった。

プールの川側は温度が低いのであろう,人が多い。我々夫婦は直接湧き上がる場所を避けて山側に居座り,入浴はプールの中央で行ったがやはり熱い。45℃はあったであろう。出たり入ったりを数回繰り返して風呂を出た。ゆっくりつかれなかったがが,それなりに堪能し,満足できた。

風呂は夜の10時まで入れるとのこと。来季は雪の降る夜にでも入りたいものだと思ったが,妻君は同意しないであろう。


温泉街の中ほどにある橋にはオブジェが並ぶ。千人風呂は画像の上部中央にある。


千人風呂(画像上部)


風呂の広さはこんな感じ。


風呂の川側は温度が低く人が多い。


山側は源泉があり温度が高い。

高温注意の立て札


分かり難いが,山側からはあぶくと共に温泉が湧き出ている

カード不正利用未遂

2025-02-18 | 雑感
 今朝メールを開くとカード会社から利用確認メールが届いていた。昨晩,「誰かが私のカード番号でアマゾンから6000円程の商品購入を試みたが不審があり,カード利用を凍結している。下記URLに確認して欲しい」という内容のものだった。メールアドレスや内容は本物にとてもよく似ており真偽の判定はできなかったが,これは巧妙なフィッシング詐欺だと思い込み,URLを開かずにメールを削除した。すると今朝,カード会社から昨日送ったメールの内容を確認して欲しいとのSMSが届いた。

 カード番号はスキミングにより盗まれることはあるが,電話番号まで一度に盗むのは難しい。まして,SMSの発信先はカード会社であった。こうなると,疑り深くなっている私でもカードが不正利用されかけたことは確かなようであり,ゴミ箱に入っているメールを復活させてカード会社指定のURLにアクセスした。

 結果は,身に覚えがない購入試行があったことは疑いなく,カード会社にカードの凍結と再発行を依頼して一件落着となった。

 それにしてもカード会社の対応の親切さには感心させられた。さすがはSMBCである。不正利用があったのが22:32で,直後にカードを凍結し,22:34にはメールが届いている。そしてメールを確認しない盆暗にはSMSで念を押してくれている。また,再発行の対応も早い。今回は本当に未遂で済んで良かった。

 ところで,今回の件で大きな恐怖が2つ残った。1つはいつスキミングされたかである。直近では町内のスーパーで使用した以外に記憶にない。しかも,カードはスキミング防止ケースに入れて持ち歩いている。従って,スキミングが町内で起こったとすれば,犯人はスーパーの店員以外考えられない。そうだとすれば,今後カードを使うのはとても気持ちが悪い。
 なお,昨秋,大阪の無人駐車場でこのカードを使ったところ,精算機が不審な動作をしたことがあった。唯一思い出すのはこの時のことであるが,まさか。。。。

 他の1つは,他の会社を語る詐欺メールがあまりにも多すぎて,全てが信用できなくなっていることである。今回はたまたまメールを完全削除しなかったため,早期に対応できたが,メールもSMSも無視していたらトラブルが波及していたかも知れない。それは,犯罪者はしたたかだからだ。
 これ以上悪質メールが増えると正しいメールが悪質メールの中に埋もれてしまい,メールサービスを利用する気が失せてしまう。実際のところ,迷惑メールサービスを利用していても,とてもうんざりしている。私の知人の中には,メールサービス会社もしくはアドレスを変えて詐欺メール対応をしている人が多い。いろいろ問題はあろうが,メールサービス会社の詐欺メール対応はとても手ぬるく感じている。いたちごっこではあるが,もっと効果的な対応を取らないと利用者から見放されると思うのだが。。。


名所:橋杭岩
散歩途中の月並みな風景ではあるが,この時は時が止まったような,幻想的な絵が撮れた。

那智の滝壺

2025-02-06 | 雑感


 昨日のニュースで「那智の滝の滝壺が2年振りに結氷した」と聞き,寒波の最中を物ともせず見に行ってきた。熊野古道で最も有名な大門坂を登り,かわいい郵便局の横を通って那智の滝に下りた。残念ながら滝壺が見える山道は関係者以外立ち入り禁止となっていたため,ニュースで見たような結氷は確認出来なかった。ただし,滝の途中には氷が張り付き,本州最南端に近い南国にあっては珍しい景色であった。

大門坂


かわいい郵便局


那智の滝全景


滝の落口にはしめ縄が張られている


滝の中ほどには氷が張り付く


背伸びして撮った滝壺。一般者が見られるのはここまで。氷っているようであり,そうではないようではもあり・・・


哀愁漂うマイカーの後ろ姿。もうすぐ新車と交代する。

古座の海霧

2025-01-21 | 雑感
和歌山県古座海岸では冬季に海霧が見られることで有名である。海霧は海上に現れる霧のことで、当地では暖かい海水・冷えた河川と空気・無風の条件が重なることで発生する。

今朝、偶然車で通りかかってこの海霧に出会った。残念ながら、風が出始めていたため霧は既にだいぶ流され、しかも霧と太陽が被ってしまい、きれいに撮影することはできなかった。それでも間近で眺めるのは初めてであり、幻想的な冬の風物詩を堪能させていただいた。


鯛島を包み込むように流れる海霧


有名な田原海岸の海霧

風で海面上を流されていく海霧