
ソメイヨシノよりも半月もしくはそれ以上早く、山に普通に咲く桜を、これまでヤマザクラだと思っていた。ところが、どうやら違うらしい。
今日、散歩の途中で一際美しい薄桃色で咲く「ヤマザクラ」の写真を撮り、調べて見たらそれはヤマザクラではなく、クマノザクラであることが分かった。
花に基づいたクマノザクラとヤマザクラの違いは以下のとおりである。
・クマノザクラの花の色は白色~薄薄桃であるのに対しヤマザクラは純白
・クマノザクラは1つの花芽につき2個の花を付けるのに対しヤマザクラは3~4個
・クマノザクラの花柄の長さはヤマザクラに比べて顕著に短い
・クマノザクラの開花時期は3月上旬~下旬であるのに対しヤマザクラは4月中旬~下旬
上記の相違点に基づけば、写真の種はクマノザクラに同定される。
クマノザクラ Cerasus kumanoensisは2018年新種として報告されたばかりの、熊野地方(紀伊半島南部)原産の日本固有種である。これまで私が誤認していた「ヤマザクラ」が本種であるとするならばうれしい限りであり、明日からは見る目が違ってくることであろう。

今が最盛期の「ヤマザクラ」ならぬクマノザクラ


クマノザクラの大木