子どもは２人欲しかった

将来設計をするのが好きで、
中学のとき結婚は21歳、子どもは2人と決めていた。

結局のところ、結婚は27歳。子どもは１人。
今の生活にとても満足していて、幸せ。

でも、やっぱり子どもは２人欲しかった。
赤ちゃんに会うたび、もう１人産みたかった。
おっぱいをあげたかった。
娘に妹が弟がいたら、どんなだっただろう。
と、思う。
贅沢な話だ。でも、そう望む私がいる。


望むことは自由だ。
心の中は自由でいい。


私は子どもがもう１人欲しかった。



結婚して12年。
間もなく39歳になろうとしていた。
不妊治療、体外受精で授かった命。

高齢出産、体外受精、それだけでリスクは大きい。
医師は万が一に備えていたが、
私は出産に何の不安もなかった。

お産はとても痛かったが、経験できて幸せだった。
その痛みの先に会えた我が子を抱くことができた。
出血が止まらず、医師たちが焦っている。
ドクドクと流れ出る音がしている気がした。
私はそんなこと気にもとめず、幸せだった。

やっと会えたから。

どこからの出血か分からない、と言っていた。
何があるか分からないのがお産だとも言っていた。
できれば輸血は避けたいと言っていた。

医師の経験から縫い合わせた場所で正解だった。
出血が止まった。
2000cc。
輸血寸前だったと聞かされた。

しばらくそなまま分娩室にいた。
数時間後となりの部屋、陣痛室に戻った。
夜中にトイレに行った。
助産師に付き添ってもらっていて、大丈夫だと思ったが、気を失ってしまった。
産後から始まる授乳は遅らすことになった。
貧血で頭がガンガンに痛く、
さらに張ってきた胸もガンガンに痛く、
人生で一番苦しい夜だった。


でも、幸せだった。


その娘が今5歳。
かわいい盛り。
愛しい盛り。
この子が生まれてきてくれて、
心から感謝しています。
当たり前と思うことなど一度もない。

ただ、時々娘が言う。
どうしたら、かっかのお腹に赤ちゃんがくる？

そうだよね、欲しいよね。きょうだい。
ごめんね。

ごめんね。

ごめんね。

かっかはもう産めないんだよ。


私も欲しかった。
その気持ちは大事にしまっておきます。



cocchiy