イスラエルへの核査察を要請する署名

　僕が会員として加入しているミーダーンという市民グループから、WEB署名を呼びかけるお知らせが来た。といってもこのグループが取り仕切っているわけではなくて、イスラエルの反シオニスト左派の組織、オルターナティブ・インフォメイション・センター（AIC）が行なっている署名活動の紹介である（サイトはつながらないことあり）。メールの転載は不可とのことなので、概要を僕の言葉で書き直して紹介させていただく。

　先頃、アメリカのゲーツ次期国防長官とイスラエルのオルメルト首相が相次いでイスラエルの核保有を暗に認める発言を公にしたことが、物議を醸している。
　イスラエルが核を保有している（推定200発以上と言われる）ことは、かれこれ20年以上も前から暗黙の常識であって、今さら驚くようなことは何もない。問題は、今までうやむやにしてきたことを、今になって公にリークした意図は何かということである。推測は様々に飛び交うが、中東地域における軍事的緊張を煽り、国内の締め付けを強化し、その中であらためて軍事的優越を敵対国に知らしめるという狙いの、手法の転換があったことは間違いなさそうだ。
　いずれにしろ核保有が事実なら、イスラエルはただちに国際社会の通例にならい、IAEA（国際原子力機関）の査察を受けなければならない。
　IAEAはもともとアメリカの肝いりで作られた、思い切りアメリカの息がかかった機関ではある。だからこそイスラエルに対してきっちりと査察を、また、今まで「ない」と言い張ることでサボタージュしてきた核保有国としての責任や負担を、さかのぼって追及することによって、国際社会への義務を果たさなければならないだろう。要するに北朝鮮やイランにやらせようとすることを、まずもって既に核大国化している可能性が濃厚なイスラエルにやらせなければならない。ましてイスラエルはディモナ原発（写真上）を有していながら、核兵器不拡散条約（NPT）への加盟を拒否したままなのである。
　この危機の度合いは北朝鮮の脅威どころではない。中東全域が核開発競争に走るゴーサインになりかねない。日本政府としても当然最大級の懸念を表明し、必要な査察をイスラエルが受け入れるよう、要請しなくてはならない。でなければ結局、「経済制裁」同様、ここでも日本は北朝鮮にやらせようとすることをイスラエルには免除するという、馬鹿丸出しの二重基準を露呈することになる。それは国際的に、日本の主張が軽く見られることにつながる。すなわち国益の損失につながるということを、愛国者の一人としては（嘘）言っておかねばならない。もちろんその二重基準はアメリカ譲りのものであって、アメリカに追従することすなわち国益というのなら、もはや勝手にすればいいのだが。

　AICの署名ページ（英語）はこちら。上のような内容に沿った要請文と賛同署名の呼びかけがある。
　Click here to Sign Petitionというところをクリックして開き、６列の欄にそれぞれローマ字で記入。記入欄のrequiredは必須という意味（つまりComments以外のすべての欄が必須）。Stateの欄には日本の場合都道府県、cityの欄には市や区の名を入れればよい。
　要請文左上のView Current Signaturesのところから、これまでに署名した世界各国の人の名前とコメント（ある場合は）が読める。

　昨晩TVのニュースを何気に見ていたら、冬期休暇を利用して海外旅行に行く人達の出国ラッシュが報じられていた。その中で、NYへ行くという若い女性客が、「本場のクリスマスを味わいたくて─」とその目的を語っていたのを聞いてずっこけた。
　だって、ニューヨークって、クリスマスの本場だったんですか？長いこと生きてきて、そんな話は初めて聞いた。そもそも、クリスマスに「本場」があるとは・・・・何星人の発想なんだ？（あのロックフェラーセンターの電球の集合体が「本場」なのか？）
　強いて言うなら、クリスマスの本場はキリスト生誕の地、そして死去の地であるパレスチナ以外にないのではないだろうか。だけど、それを聞いたらたいていのパレスチナ人（イスラエル人でも）は、「へ？本場？」と聞き返すだろう。
　そういうプアな日本人ばかりじゃないことを伝えるためにも、皆さんぜひ署名に参加してください（お、うまくオチがついた）。

追記：
P-navi info 22日エントリーで紹介されている、エイズのジェネリック製剤に関してスイスの製薬会社に訴訟を取り下げるよう要請する署名にも、ぜひ一読の上ご参加を。