弱い文明

「弱い文明」HPと連動するブログです。 by レイランダー

「調査捕鯨中止」について

2011年02月18日 | 環境と文明
 生きものだから、飢えをしのぐためには他の生きものを殺して食わねばならない。その限りにおいて、誰が何と言おうと、クジラを食べることが悪だという考え方に僕は賛成できない。捕鯨問題というやつを知る前から、そして知った後も、依然として僕はそう考えている。
 だが現実に僕はクジラを食わねばならないほど飢えていないし、クジラを食べるのが「日本の伝統文化」というのはかなり極端な歴史の解釈だし、(百歩譲って伝統文化と呼べる面があると認めたとしても)伝統だから必ずしも守るべきと決まっているわけではないし、まして「調査捕鯨」は調査でも何でもない、まやかしである。
 そういうわけで、今年の「調査捕鯨中止」の件は、最低限以下のような背景をふまえて受け止めるべきだろう。シー・シェパードの皆さんも読めるなら読んだほうがいいんだけど。

 調査捕鯨船団、早期帰港の本当の理由

 で、昔から寿司屋に行った時などよく思うのだけど、クジラ肉って高くね?俺らの税金を投入して捕まえてきてるんだから、その分もっと還元して、他の魚介類と同等の価格にぐらいできるんじゃないか、っていう気がするんだけど。俺はどうせ食わないから関係ないけど、日本の捕鯨の味方して、クジラ肉楽しみにしてる人に対して、あんまりな仕打ちじゃないかと。
 たとえば寒ブリが今は少し安いけど、たまたま今年大漁なだけで、いつもいつもってわけじゃない。だから、即座に「安い!」というほど値段に反映されないで、売る側の懐にいつもより厚めにお金が行くんだとしても、まあたまにはいいじゃん、と思える。でも、クジラは・・・延々と余ってんだからさ。
 やっぱ、食糧難の国とかに寄付する、っていうのもありじゃないかな。本題とズレてる?いや、そうでもない・・・。

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3 コメント

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いつもお世話になっております (井上俊介)
2011-02-21 00:25:16
レイランダーさん
はじめまして井上と申します。

数日前にSYSTEM OF A DOWNの和訳でこのサイトを知りました。
僕にとっても大切なバンドなので、
レイランダーさんのバンドを敬愛する気持ちと
独自の視点で深く掘り下げた考察の記事を読んで
すごくうれしくなりました。
勝手ながらいつも応援させて頂いております。

鯨を食べる=悪ではないという意見に僕は同意します。

何故なら僕たちは自然界の一部だと思っています。
自然界から僕たちの生活を完全に切り離すことと、
自然界から搾取を止める事は永遠に不可能で、
自然界に住む鯨を食べるという事は
家畜という食べるためだけの生物を大量生産するよりも
本当はごく自然な行為だと思っているからです。

僕も鯨を食べた事がない人間ですが、
捕鯨の伝統文化は鯨を「食べる」という行為に重点を置いていたので
守っても良いのではと思っていました。

その上で倉庫に眠っている大量の鯨肉の件について思うのは
やはり伝統文化として鯨を食べると主張してきた人達や
僕みたいなその文化に賛成してきた人達が
その責任を持って食べるべきだと思います。
食糧難の国の人達にはもっとちゃんとした食べ物を差し上げたいです。
自分たちですら食べないものをあげるのは、自分勝手だと思います。

僕は鯨を食べると言っている人たちが
鯨の肉をちゃんと責任をもって食べてしているものだと思っていました。
それが倉庫の中で延々と眠っているなんて思いもしませんでした。
自分の無知がとても恥ずかしいです。

以上です。初めての投稿で長々とコメントしてしまい大変申し訳ございませんでした。
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>井上さん (レイランダー)
2011-03-10 15:50:27
はじめまして。ありがとうございます。

食糧難の国に送る、っていうのは、以前の関連スレッドでも書いたんですけど、あくまで「どうせ余ってるなら」という文脈の勢いでの話です。余りものをあげるのが失礼だという前に、鯨肉を食する文化がそもそもほとんど外国にはないわけだし。いくら飢えててもこれは食えない、って言われるのがオチだろうと。だから、たとえば特定の成分だけ抽出した栄養剤(昔あった「肝油ドロップ」みたいな)ものが作れるなら、それを寄付するのはありかな、とか。
でもそんなのが開発されたらまず日本でそこそこ売れちゃうだろうし、そういう商品が開発される気配がないところを見ると、需要の問題じゃなくて、結局無理なのかな、とか。
要するに、捕らなきゃいい。最低、今余ってる分がはけるまで。それだけの話なんですけどね…。

とにかく僕にとっての本題は、「クジラは数が減っててやばい」っていう「環境」問題と、食い物粗末にしてる度ナンバー1の国がクジラまで寄越せって騒ぐのはどうなのよっていう「飽食」の問題だけです。それと、作られた「日本の伝統」の問題が少し絡むかな。それは前からずっと変わってません。
だから、「コーヴ」とか観る気しないんですよね。あの映画の告発の方向性と、僕にとっての捕鯨問題は、たぶん大幅にズレてる。まあ、たぶんですけど。

あんまりいい記事書けないことも多いですが、今後ともよろしくお願いします。
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井上さん宛て私信 (レイランダー)
2011-08-10 20:23:44
井上さん

私信読みました。ご丁寧にありがとうございます。
僕の方こそ実のところ、井上さんのコメントにうまく噛みあうレスになってなくて、ちょっと失敗したな、気悪くしないでほしいな、と思ってるところがありました。古いエントリーまで探索して、こちらの言わんとするところを捕捉理解してもらって、かたじけないです。

捕鯨問題はほんと、結構頭の柔らかい人でも、ややこしくて勘違いしやすい問題をいろいろ抱え込んでいます。
僕自身も数年前まで、この件に関しては「欧米人ウザイな。えらそうに」って思ってるクチだったんで、そう思う人の気持ちはよくわかるんです。実際現時点でさえ、欧米の反捕鯨論者には独善的な方向の意見もあったりします。が、それ以上に独善的なのが日本であって、しかも多くの国民がその実情を知らない。
まして福島事故で、日本近海は今まで以上に汚染されました。というか、自らの手で汚染してしまいました。だから南氷洋のクジラを捕らせろ、日本の伝統だと、まだ息巻くやつらがいるんだろうか…?いろいろ、将来に大変なことが待っていそうですが、少しでもいい方向の変化につなげていかないと…。今後ともよろしく。
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