弱い文明

「弱い文明」HPと連動するブログです。 by レイランダー

佐藤レオさんを悼む

2009年10月05日 | パレスチナ/イスラエル
 ヨルダン川西岸地区、ビリン村の非暴力抵抗運動を描いたドキュメンタリー、『ビリン・闘いの村』を撮った佐藤レオ監督が、先月半ば急逝されたことを、つい先日知った。まだ30代後半の若さだった。

 『ビリン・闘いの村』公式サイト
 当ブログでの過去の紹介記事
 http://blog.goo.ne.jp/civil_faible/e/b852d467d771106d00c0fc90716aa530
 http://blog.goo.ne.jp/civil_faible/e/299eaa0b94561dcb72e6a52ec3aa905a
 http://blog.goo.ne.jp/civil_faible/e/83fc762d436d89f6a33141c6bbc27972

 3番目の記事では「ビリン勝利!」などと浮かれたタイトルをつけてしまったが、実際には法廷での「勝利」がその後の住民の権利回復になかなかつながらず、イスラエル占領当局側の悪意の前に頭を押さえつけられた形で今日に至っている。今年4月には、ビリンで初めて軍に殺される犠牲者も出てしまった。
 そのあたりの事情も(不完全ではあるが)そこそこふまえた、今年3月のニュース23での特集が、YouTubeにレオ監督自身の手でアップされている。インタビューには本人も登場する。

 http://www.youtube.com/watch?v=buJ9DQA6TpI

 冥福を祈る、という言葉は実感が湧かなくて好きじゃないので、使いたくない。かといって代わりに何を言えばいいのか、言葉が浮かばない。
 たら・ればの話は意味がないのを承知で、感情的に言わせてもらえば・・・もし僕がお金持ちだったら、渡航費用も含め、レオさんに山ほど資金を与え、『ビリン』の続編でもその他のドキュメンタリーでも、好きなだけ撮らせてあげたかった。
 ・・・いや、本当に意味がない。おまえはおまえのやることをやれ。そういうことだろう。
 残念だ。

*レオさんが設立したHAMSAFilmsの「ハムサ」について、あまり知られていないと思うので簡単に紹介しておきたい。
 手のひらに目玉というデザインの「ハムサ」は、中東世界でイスラム教徒・ユダヤ教徒双方にとって、伝統的な魔よけのお守りだそうだ。どちらの社会でも、土産物屋などにはハムサをあしらった商品が置いてあるという。レオさんはパレスチナ人・イスラエル人共通のお守りである「ハムサ」を、共存の未来に向かうシンボルとして大切に考えていた。

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5 コメント

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先月半ばでしたか・・・ (ダルヴィーシュ見習い)
2009-10-06 11:05:52
こちらも元気であれば、いろいろと協力できたかもしれません。今となってはすべて繰言に過ぎませんが・・ただご冥福をお祈りするだけです。
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驚き (月の子)
2009-10-06 15:43:30
ビックリしました。
ビックリしました、、、、
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Unknown (レイランダー)
2009-10-07 23:14:48
ダルヴィーシュ見習いさん、月の子さん

ものすごくベタな言い方で、かつ僕自身正しいとは思ってませんが、「若死にするのは善人だけ」という言葉があります。
違う違うと考えつつ、どうしてもその言葉を思い浮かべてしまう。それで思わず僕としては、友人・知人すべてに声を大にして言いたくなります、「みんなで悪人になって生き延びましょう」と。
ハァ?って言われそうですけど。
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あるような気がします (ダルヴィーシュ見習い)
2009-10-08 05:56:19
年齢の近い友人~知人の関係で今まで亡くなった人たちが三人。26歳のとき、四つくらい下の男性は白血病でした。会社の元同僚でこっちが会社辞めてから1年以上会ってなく、松山出身でしたが、ワタシが出張で広島から松山にフェリーで移動前にうちの親との電話で亡くなっていると知り、愕然としましたが、まさに絵に描いたような善根の持ち主でした。「兄貴」と慕ってくれていて、会社辞めてからもそのうち会おうと言いつつ連絡が遅くなってしまって…さらにここ数年で大学のひとつ上の先輩2名が、ひとりは脳腫瘍で長い闘病の末、また、もうひとりは脳梗塞で寝ている間に逝ってしまいました。ふたりとも、やはり「いいヒト」タイプでした。おふたりともあまり親密に話したことはなかったけれど。レオさんについては、最後に会ったのは今年の3月くらいだったかな、パレスチナの集まりで立ち話。その後、ハムサのメールでやりとりしていて、こちらの苦境について少し書いたら、彼は「ぼくになにかできることがありますか?」と言ってくれました。・・・「憎まれっ子・・・なんとか」で、「コイツは~」と言うようなタイプは本当にしぶといけれど・・・また思うのですが、本当に辛かったのだろうなあ、と。ワタシなんかは中学のときに登校拒否やってから、それなりにしぶとくなってますが、本当に辛いときの辛さとういのは・・・・・・さしあたっては忘れないようにするしかないかな、と。そして、ビリンに平和が訪れますように・・・
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>ダルヴィーシュ見習いさん (レイランダー)
2009-10-12 12:47:22
確かに僕も「あると思います」が…あると認めたくないような、認めても意味がないと思うような…。
「つつがある日々」でもレオさんのことが取り上げられています。ビリンの人達に伝えていただいたそうです。金曜デモで、レオさんの友人が写真を掲げています。

http://sawa.exblog.jp/12101720/

なんか、日本のレオさんの友人として、ビリンの人達に申し訳ない気持ちがしてきます。
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