弱い文明

「弱い文明」HPと連動するブログです。 by レイランダー

バス1台分の信念─ルー・リード追悼・続き

2013年10月31日 | 音楽
 今までに、好きな著名人が世を去ってがっくり、あるいはしんみりしてしまったことは、もちろん何度もあった。だけどルー・リードの場合、おそらく初めて、「喪に服す」という気持ちになっている自分がいる。表面上の生活に何ら変わりはないけれど、頭の片隅に、常に彼がいたはずの場所が大きな穴になっているのを感じている、という状態だ。それほど自分の中で、彼は大きな場所を占めていた。大して彼のレコードを聴かなくなって久しい、今頃になっても。知らなかった。

 取り上げるのは、ソロ時代の今いち乱雑かつ空回り的な(笑)作品群の中でも、意欲的で完成度の高い1989年のアルバム『ニューヨーク』所収の一曲。ちょうどこのアルバムと、間を置かず発表されたアンディ・ウォーホール追悼アルバム『ソングス・フォー・ドレラ』の頃の来日公演に行った思い出がある。
 その頃と変わらず、この曲を聴いていると、渋いグルーヴにハマると同時に、妙に落ち着く。身も蓋もないことを言ってしまっている割に、ニュートラルな気分が核にあるからではないだろうか。こういう曲こそ、喪に服すという意味において、ふさわしいのかもしれない。

BUSLOAD OF FAITH

家族には頼れない
友達にも頼れない
始まりには頼れない
終わりにも頼れない
知性にも頼れない
まして神には頼れない
頼れるものは一つ
バス1台分の信念 それで切り抜けるしかない

バス1台分の信念
バス1台分の信念
バス1台分の信念
切り抜けるにはバス1台分の信念が要る

いつも最悪のことが起こるのはあてにできる
殺人衝動もあてにできる
男が女を強姦したら
あっけなく子どもができちまう
それで彼女が中絶したら間違いなく
中絶反対派が怒り狂って責め立てる
いつも最悪のことが起こるのは請け合える
切り抜けるにはバス1台分の信念が必要だ

バス1台分の信念
バス1台分の信念
バス1台分の信念
切り抜けるにはバス1台分の信念が要る

「いい人」はあてにできない
「いい人」が人間からランプの笠や石鹸を作った
聖なる儀式なんかあてにできない
神もいなければ 聖霊もいない
買いたい不動産でもなければ
どんな教会もあてにできない
多くのことがあてにできない
切り抜けるにはバス1台分の信念が要る

バス1台分の信念
バス1台分の信念
バス1台分の信念
やっていくにはバス1台分の信念が要る

奇跡には全く頼れない
空気にも頼れない
賢いやつにも頼れない
そんなやついないから見つけられない
冷酷さはあてにできる
思考と音の粗さもあてにできる
いつも最悪のことが起こるのは間違いない
切り抜けるにはバス1台分の信念が要る

バス1台分の信念
バス1台分の信念
バス1台分の信念
やっていくにはバス1台分の信念が要る

http://www.youtube.com/watch?v=wBIlehYpdwk

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