レッスン11 ビタミンAの補欠選手、β-カロテン
陳佳奈 (ちん・かな)
2014年6月 7日
今週のポイント
1.β―カロテンは体内で2分子のビタミンAに変わる
2.必要な分だけ体内でビタミンA変わる賢い栄養素
3.血管が詰まるのを防いでくれる
カロテノイドのうち、炭素と水素のみで出来ているカロテン類について解説しましょう。
カロテン類の中で特に知っておきたいのはβ(ベータ)-カロテンとリコピンの2つです。
今回はβ-カロテンについて解説します。
1.β―カロテンは体内で2分子のビタミンAに変わる
カロテンにはα(アルファ)、γ(ガンマ)、β(ベータ)などの種類があり、これらは体内でビタミンAに変換されます。他のものは1分子のビタミンAになるのに対し、β-カロテンだけは体内で2分子のビタミンAになるため、最も効力があるとされています。
β-カロテンが多い食べ物は、以下の通り。
野菜・果物のうち多く含む順に唐辛子、しそ、モロヘイヤ、ニンジン、パセリ、バジル、ゆでたほうれん草(生より多い)、明日葉、春菊、よもぎ、大根の葉、西洋カボチャ、赤いメロン、赤ピーマンなど。
基本的には緑の野菜と赤やオレンジの野菜・果物と覚えておけばOK。
他には抹茶やアプリコットにも多く含まれています。
2.必要な分だけ体内でビタミンAに変わる賢い栄養素
β-カロテンは体内に入ったあと小腸の上皮から血液中に吸収され、カイロミクロンという脂肪の運び屋に乗って肝臓へと送られます。(β-カロテンはビタミンAと同じく脂に溶ける性質を持っています。)
普段は肝臓に蓄えられていて、体内のビタミンAが足りなくなるとビタミンAに変えられます。
必要な分しか変換されないため、ビタミンA過剰症の心配がほとんどありません。
(ビタミンAについてはレッスン6参照)
体の状態を見て臨機応変に対応してくれる賢い栄養素なのです。
3.血管が詰まるのを防いでくれる
脂肪が酸化するのを防いで頸動脈や他の血管へのコレステロールの沈着を減らし、血管がつまるのを防いでくれると言われています。
胃がんなどの予防に効果的という報告がある一方で、喫煙者など肺がんのリスクがある人がβ-カロテンをサプリで大量に摂ると肺がんになる確率が上がったという報告もあるので、ガンの予防に関する効果に関してはまだはっきりしていません。
喫煙者の人がサプリで大量にβ-カロテンを摂るのは避けた方が安全と言えるでしょう。
サプリでは天然由来と合成で作られるものがあり、天然のものは藻類(主にドナリエラ)、毒性のない菌やカビ、パームオイル(ヤシの油)から作られます。
体内でより多くのビタミンAに変わるのは合成ものか藻から作られたサプリです。
ちなみに糖尿病の人は体内でβ-カロテンをビタミンAに変換することが出来ないので、β-カロテンではなくビタミンAのサプリを摂った方が良いです。
量に関しては明記されているものはありませんが、1日30mg摂ると大量すぎて皮膚が黄色くなるという報告もあるので、サプリでの摂りすぎには注意してくださいね。バランスが大切です。
次回はリコピンについて解説します!
陳佳奈 (ちん・かな)
2014年6月 7日
今週のポイント
1.β―カロテンは体内で2分子のビタミンAに変わる
2.必要な分だけ体内でビタミンA変わる賢い栄養素
3.血管が詰まるのを防いでくれる
カロテノイドのうち、炭素と水素のみで出来ているカロテン類について解説しましょう。
カロテン類の中で特に知っておきたいのはβ(ベータ)-カロテンとリコピンの2つです。
今回はβ-カロテンについて解説します。
1.β―カロテンは体内で2分子のビタミンAに変わる
カロテンにはα(アルファ)、γ(ガンマ)、β(ベータ)などの種類があり、これらは体内でビタミンAに変換されます。他のものは1分子のビタミンAになるのに対し、β-カロテンだけは体内で2分子のビタミンAになるため、最も効力があるとされています。
β-カロテンが多い食べ物は、以下の通り。
野菜・果物のうち多く含む順に唐辛子、しそ、モロヘイヤ、ニンジン、パセリ、バジル、ゆでたほうれん草(生より多い)、明日葉、春菊、よもぎ、大根の葉、西洋カボチャ、赤いメロン、赤ピーマンなど。
基本的には緑の野菜と赤やオレンジの野菜・果物と覚えておけばOK。
他には抹茶やアプリコットにも多く含まれています。
2.必要な分だけ体内でビタミンAに変わる賢い栄養素
β-カロテンは体内に入ったあと小腸の上皮から血液中に吸収され、カイロミクロンという脂肪の運び屋に乗って肝臓へと送られます。(β-カロテンはビタミンAと同じく脂に溶ける性質を持っています。)
普段は肝臓に蓄えられていて、体内のビタミンAが足りなくなるとビタミンAに変えられます。
必要な分しか変換されないため、ビタミンA過剰症の心配がほとんどありません。
(ビタミンAについてはレッスン6参照)
体の状態を見て臨機応変に対応してくれる賢い栄養素なのです。
3.血管が詰まるのを防いでくれる
脂肪が酸化するのを防いで頸動脈や他の血管へのコレステロールの沈着を減らし、血管がつまるのを防いでくれると言われています。
胃がんなどの予防に効果的という報告がある一方で、喫煙者など肺がんのリスクがある人がβ-カロテンをサプリで大量に摂ると肺がんになる確率が上がったという報告もあるので、ガンの予防に関する効果に関してはまだはっきりしていません。
喫煙者の人がサプリで大量にβ-カロテンを摂るのは避けた方が安全と言えるでしょう。
サプリでは天然由来と合成で作られるものがあり、天然のものは藻類(主にドナリエラ)、毒性のない菌やカビ、パームオイル(ヤシの油)から作られます。
体内でより多くのビタミンAに変わるのは合成ものか藻から作られたサプリです。
ちなみに糖尿病の人は体内でβ-カロテンをビタミンAに変換することが出来ないので、β-カロテンではなくビタミンAのサプリを摂った方が良いです。
量に関しては明記されているものはありませんが、1日30mg摂ると大量すぎて皮膚が黄色くなるという報告もあるので、サプリでの摂りすぎには注意してくださいね。バランスが大切です。
次回はリコピンについて解説します!
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