中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

小野光景の生家を訪ねて(2)

2018年08月07日 | レトロ探偵団

 敷地の一画に建つ「小野光賢光景記念館」。自宅の庭にこんな立派な建物があるなんて、すごい……


 玄関を入ると、小野光景さんの胸像が迎えてくれる。全体的にレトロ感のある室内は静かで、なんとなく開港期の空気が流れているような気がした。
 左にある受付が記念館らしい造作であるが、ここは無人のようである。ご主人が案内してくれるので、誰もいなくてもいいのかもね。


 受付奥の喫茶室。時間に余裕があれば、ここでティータイムを過ごすのもよさそうだ。
 

 まずは1階から史料を案内していただく。


 これには小野さんの会社のことが書かれている。


 むかし、あまり電話が普及していないころは、こんな電話番号票が門に貼られていた。小野さんちは1番だったことが分かる。
 標識の左横には、小野局から辰野局に変ったときの変更通知が掲示されてる。
 電話交換手がいる時代は、「小野局1番」と伝えるだけで電話がつながったが、変更後は02664-6-2001になったことを示している。
 下一桁の「1」が小野局時代の歴史を背負っているようだ。


 小野製糸株式会社の案内。その概況は国立国会図書館に保存されている「製糸工場概況」(昭和8年)を見てね。71ページに小野製糸が掲載されている。
 衛生関係は充実していたのかな。病室アリ、嘱託医二名、看護婦代用者一名、健康診断二回などと記されている。


 小野病院設立認可申請書。


 病院に欠損が出た場合は、製糸場主が3割を負担するという取り決め。


 良質の生糸を生産していたようだ。


 本牧にあった小野さんちを描いた絵。照明が反射して分かりにくいかもしれないが、海岸に出るためのトンネルが見える。
 小野光景別荘については、開港資料館館報第34号(平成3年6月1日発行)の8ページから10ページに詳しく載っているので、お時間のある方はそちらを見てね。


 小野さんの銅像。戦時中に供出されたとか。


 外交官・来栖三郎と。


 親戚だったんだね。



 さまざなな史料が剥き出しで展示されている。大丈夫なのかな……。


 関東大震災のあとの関内の写真。町会所や旧三井物産ビルが写っている。


 小野商店は倒壊もせず、焼け残ったようだ。


 大正6年に建築される「開港記念横浜会館(現在の開港記念会館)」の建設予定地。
 この写真は横浜開港資料館に保存されている。
 昨年、開港記念会館は100周年を迎え、その記念誌が発行されたが、その中にこの写真が使われている。


 どの建物が何かは、記念誌に詳しく書いてある。


 開港記念会館や市役所1階サービスセンターなどで販売している。1,500円。
 中身を読めば分かると思うが、決して高くはない。時間のある方は読んでみてはいかが。

 もっと時間のある方は、こちらもどうぞ。
 
横浜開港と生糸貿易
小野光賢・光景年譜
 
 いろいろ勉強になったよ。


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2 コメント

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電柱番号・・・ (メタ坊)
2018-08-07 21:43:12
電話番号が「1」ならば、
たぶん工場にもまず電気をひき込んだと想定すると、
ここから電話局や変電所に電線がひかれ、
そこいらじゅう電柱番号に「小野○○番」て、
表示されているんでしょうね。
所在地が「小野町」だからと思いがちですが、
たぶん「小野さんの家」への引き込み線でしょう。
映画「ああ野麦峠」を観て、
早速、車を走らせて、高山から伊那へ峠越えをしました。
つづら折りの厳しい道で、落石がごろごろしていて、
石をどけながら走り抜けました、
ご案内の製糸概況を見ていると、
待遇の差や新潟県の女工さんに言及しているところが気になります。
片倉製糸場は、財閥としての歴史を持つ一方、
富岡製糸場を守った功績も見逃せません。
返信する
小野さん (管理人)
2018-08-08 06:35:44
>メタ坊さん
小野という姓と、地名は一緒なんです。
小野さんの名前が地名になった、
そこに電話局ができたから小野局なんでしょうけど、
こうなると地名から採ったのか、
小野姓から採ったのか、分からなくなりますね。

野麦峠、むかし自転車で越えたことがあります。
エライ苦労したことを覚えています。

片倉製糸の概況を見ると、
なかなか充実していたようですね。
返信する

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