エッセイ -日々雑感-

つれづれなるままにひくらしこころにうつりゆくよしなしことをそこはかとなくかきつくればあやしゅうこそものぐるほしけれ

怪房長官と共謀罪と穴太姫

2017年06月18日 | 雑感

 2017年6月17日

 

「あなた、もっと格調高い話を出しなさい、大文字に行ったとか山小屋にいったとか、おんなじことばかり

毎回出すから人気がないのよ」と朝刊を読んでいた家内が言った。

 たしかに私は世間の不条理を怒っても、いつも茶化している。己の考えを理路整然としたまともな文章にする力が

ない。


 さて、それはともかく、「今日は花壇を縮小する」と家内が言った。

母は花が好きだった。 動ける間、家内に手伝ってもらい、そのころは百花繚乱、庭は所狭しと花々で溢れていた

しかし90を過ぎると気力を失い、家内に任せる他はなかった。

私もずいぶん手伝ったが、我々は花を咲かせるよりは、花を枯れさせる才能のほうが強かった。

昨年母は亡くなった。なんとか10年家内は持ちこたえたが、もう母親を喜ばせる必要はなくなった。

  

私は石庭が好きだ、だから砂利の部分をふやして花壇をつぶそう。

もっともこれまでにもずいぶん花壇は縮小してはいる。

手始めは西すみにあるクロモジ、蝋梅と大学の恩師宅からもらってきたタラの木の周辺の整備だ。

どうしようかと家内は考えている。

 

彼女、花を育てるのはからきしだめだが、石を積み上げたり配置したりするのはうまい。

だから私は有名な滋賀坂本の穴太積の石工(穴太衆:あのうしゅう))にちなんで穴太姫と呼んでいる。

もともと彼女は音楽が好きで詩が好きな文学少女だった。だから母親と同居するまで身体なんか動かしたことがな

かった。 “かわいそうなゆめみるゆめこさん・・・”と、時折彼女は呟きながら己の任務を果たしている。


 ちなみに蝋梅はほぼ寿命に近く、20年ほど前にもらってきたクロモジは貧相なことこの上ない。

元気なのはタラだけだ。

            

           

 次は花壇の処理。つぶして砂利をまく。

つぶすにはブロックの囲いをつるはしでこそぎあげて、土を一般地面と同じ平らにしなければならない。

私にとってもかなりの労力だ。あともう一つで今日はひとまず終了だが炎天下での4時間はしんどかった。

家内はさらに私より1時間30分よけいに働いて仕事を完了させた。お見事!!

            

途中、今朝の会話を思い出して云った。

“川柳一句、「怪文書しか智恵のない怪房長官」こんなのどうやろ”。

“こんな話をしてたら、共謀罪になるのかな”、といったら、せっせと仕事している家内は

「二人で反政府の話してるから、共謀罪になるんでしょ」、とまったくそっけない。


 私4時間でギブアップ、家内は5時間半まで頑張った。

結局、こんども格調高くにはなれなかった。