エッセイ -日々雑感-

つれづれなるままにひくらしこころにうつりゆくよしなしことをそこはかとなくかきつくればあやしゅうこそものぐるほしけれ

 大文字山から“おーい 雲よ・・・”

2017年06月12日 | 雑感

2017年6月8日

 

ここ二月ほど頻繁に大文字山の“大の字”の火床まで登っている。

3年前に肺の手術をしてから日課のジョギングをやる気が全くなくなった。その結果、体力の極端な低下に愕然として鍛錬を再開した。

ジョギングを大文字に変えたのは、どちらかといえば単純運動のジョギングにくらべて山登りはいろんな筋肉を使うのとバランス感覚がよくなるという利点があるためだ。

 家内は私の大文字行を嫌っている。ひっくり返ったら危険だというわけだ。実際大文字でひっくり返って大けがをした友人がいる。

保護者のつもりか、彼女は私に同行した。

家から銀閣寺前までバスで行き、そこから銀閣寺へ、そこを出発点として時間を測る。

                                   

友人Mにバカにされるのは、“お前は山に行ってもどれだけハアハア”走ったかに換算することや“、という。最初のうちは35分ほどで息切れがしたが、今は25分で落ち着いている。これ以上速くするのはあぶない。                                                                          

行程の2/3くらいの地点にあたる千人塚の地蔵に手を合わせる。

                                   

ここでは第二次大戦末期に軍が高射砲設置のために地面を掘ったらおびただしい人骨が出て来た。滅亡寸前の室町幕府の将軍義輝(最後の将軍義昭の父)が三好、松永勢と戦って惨敗した敗軍兵の屍だったという。                                                                      

さらにだらだら坂を登り、最終の石段を経て頂上に至る。この階段がかなりきつい。

                                    

大文字の“大”の中心にある弘法大師御堂で手を合わせる。

                                     

この日は雲がとてもきれいだった。

 

<山村暮鳥>

“おーい 雲よ

悠々と

馬鹿に呑気そうじゃないか

何処まで行くんだ

ずっと磐城平の方まで行くんか“

                               

                             

 トンビが白い雲の中であそんでいるように見える。