先月、9月25日の報道で、アメリカのシンクタンクCSISから名指しで親中派と言われた今井尚哉氏が菅内閣では内閣官房参与に起用されたと知り、内心穏やかではありませんでしたが、安倍内閣時代にその地位に就いておられた谷口智彦氏が松田政策研究所チャンネルで語られた内容を聞いて、誤解であった事が判明。献身的に総理に尽くして下さる方だと分かりました。
先ずは、心に引っ掛かっていたその記事と、続いて、松田政策研究所チャンネルの動画をご覧下さい。
尚、文字起こしは、今井尚哉氏の誤解を解く部分からの一部のみです。全部ではなくて、申し訳ございません。取り敢えず、今井尚哉氏への誤解を皆さんにも解いて頂きたくて、このブログでUpさせて頂きます。
今井元首相補佐官を内閣官房参与に起用 飯島勲氏ら再任
2020.9.25 12:21 産経新聞 政治 政策
安倍晋三前首相に随行する今井尚哉氏(左から3人目)=昨年9月11日、東京・永田町の自民党本部(酒巻俊介撮影)
政府は25日、安倍晋三内閣で首相補佐官を務めた今井尚哉氏を内閣官房参与に起用する人事を決めた。今井氏は経済産業省出身で、第1次安倍内閣で首相秘書官を務め、平成24年に安倍氏が政権に返り咲いて以降は首相秘書官、首相補佐官を歴任した。
また、安倍氏の首相辞任とともに退任した飯島勲氏ら4人を再任した。飯島氏は小泉純一郎内閣の首相秘書官だった
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松田政策研究所チャンネル
特番『伝説のスピーチライター谷口智彦氏が語る、安倍元総理の真実』ゲスト:慶応大学大学院教授 元内閣官房参与 谷口智彦氏 2020/10/03
谷口:今井さんっていう人は、押し出しも立派で経済産業省の中でも、この押し出しの強さで、この人有りと内外に認められてきた人なんですよ。
エー、こういう押し出しの強い人が、まぁ、見事に7年8ヶ月、1年365日、24時間、総理に捧げたっていう、そこの処を、この視聴者の方は是非汲み取って頂きたいんです。正に無私の人ですね。
で…話をチョッと早めると、今井さんと二階さんを組み合わせて親中派だと
松田:よく言うCSISですか
谷口:CSISのリポートにあったんですが、このCSISのリポーとを書いた人が、引用した日本語の論文というのがあって…そこでは必ずしも今井二階派とは、日本語の原文では書かれていないんですね。
その日本語のとある関西方面の先生の学者さんが書かれた物が英語になったのを、そのCSISっていうアメリカのシンクタンクの人が孫引きしてんですけど。
その英語になった段階で、今井二階派っていう…これ英語で言うとFactionsっていう言葉になっちゃったんです。
そこにはある意味翻訳の中での誤解があるんですが、それはチョッと脇に置いても、私はねぇ、今井さんの気持ちは絶対こうだったろうと思うんです。
つまり…絶対多数っていうモノを与党として握る。公明党と一緒にですね。三分の二以上を。しかも、その与党の中が更に絶対多数でないと出来ない。
何が出来ないかっていうと、憲法審査会が出来ないんです。この憲法審査会っていう国家法で決まっている、この審査会がね、皆さんね、これホントに…これが動かない限り憲法改正出来ないんですよ。
その与党…衆院にも参院にもあります。衆院の参院のこの憲法審査会ってのは、議席の比例でありますから、共産党の人も居れば、福島瑞穂さんも居れば…これが憲法審査会なんです。
此処でですよ、与党が数に任せて強行突破なんかしたら、これはその後の国民投票が大丈夫かって感じになりますから。
ですから穏便にコンセンサスを作ってくって事が予定されているんですね。しかし、それに先ず自民党が…自民党がその気になってコレをやらなければいけない。
で、その自民党がその気になるって為にも、数多くの選挙に勝ち続けて、安倍の下でって言う結集力が居るワケですよ。
その安倍の下でっていう結集力は、細田派と麻生派はイイですよ。じゃあ、第三の派閥は何処か。これが二階さんだったんですね。
二階さんが今回もキングメーカーになったけど、安倍政権を支えた三本柱の一つなワケです。二階さんが「安倍だ」、「安倍の次も安倍だ」なんて事を言ってる。
松田:言ってましたね。
谷口:これを今井さんとしては意識するんですね。つまり、安倍晋三という期待の政治家に憲法改正迄走らせたい。その走らせるには、二階さんとの関係を俺以外誰が面倒みるんだと。
松田:あぁ…なるほど
谷口:今井さんは。ねぇ、秘書官の中で、そういう政治向きの工作が出来るのは、たった一人…今井さんですから。これ特別公務員として政治活動が認められています。
ですから自民党総裁安倍晋三の側面を見て、そして安倍さんの議会対策、自民党対策を裏で出来たのは今井さんなんですよ。
松田:なるほどねぇ。
谷口:ですから、大向こうを意識して、二階さんと一緒に一帯一路の国際会議に敢えて出るワケです。
松田:あれもビックリしましたねぇ。
谷口:ネッ。
松田:色んな事があったみたいですけど、あの時はですね。
谷口:で、今井さんは、そうやって二階さんと一緒に中国に行く事で、まぁ、言ってみれば二階さんの力を頼ったと。
松田:アッそういう事ですか。
谷口:その頼った目的は、何も親中の為じゃないです。安倍晋三を憲法改正迄連れてく為ですよ。その悲願にチョッとでも近づける為に。
ですから、ありとあらゆる悪罵・中傷・非難を今井さんは…あれくらい集中して浴びた人は居ないですけど。
松田:そういう事なんですね。
谷口:エエ。ですけど目的がハッキリしていますから。安倍の為で。そして安倍を憲法改正に持って行く為ですから。ありとあらゆるモノを犠牲にしてでもという処でね、私は今井さんは、つくづく尊敬しています。
松田:アッ、そうなんですねぇ。これあんまり知られていない側面ですね。一帯一路って、てっきり経済産業省が、二階を推したい為にやってんのかなぁって見ちゃいますけどね。
谷口:ところが今井さんは此処でも歯ぎしりしてる筈なんですよ。と言いますのはね、一体一路で、例えばスリランカ…昔のセイロンですね。モルジブ…ああいうインド洋の国々…。
「やってくれよ」と今井さんは言いたい筈なんです。日本の例えばゼネコンだとか、色々な重機メーカーだとか…このインフラ絡みの会社に。で、じゃあやりましたかって言うと、まぁ、二の足を踏むワケです。
これはまぁ、当然ですよね。利益率を見たり、採算を見るんで。日本の会社は、そこシビアな計算をするんでしょう。ですけれども、中国にやられっぱなしなワケですよ。
で、中国がやらない所は、今度はヨーロッパが来て、ヨーロッパに負けちゃうワケですね。中央アジア・トルコ…あの辺皆そうなんです。だから今井さんからしてみれば、どうしたんだ、日本企業もっと出てくれよと。これズーッと思い続けた7年8ヶ月ですね。
松田:あぁ、そうだったんですか。それもあまり知られてない事ですね。
谷口:何もやってないんですから。しかもロシアに突っ込んだだろう。中国に突っ込んだだろう…まぁ、そういうお気持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、国民の税金はビタ一文使ってないんですよ。ロシアでも、中国でも。
ロシアではJOGMECっていう政府系のエネルギーの処のお金で北極海の方の天然ガスのガス田に融資してるんですが、これは融資ですから、いつかは返してもらうお金で、それに損失補填でもした日には、税金は出て行きますが、そうでなければ税金は出て行ってない。
プーチンに恩を売る為に、病院を良くします。交通信号を良くします。港の港湾を良くしますって、色々色々やったんですよ。これ世耕さんなんかが一生懸命やったんですけど、これも言ってみれば民間ベースなんですね。一銭も税金出て行ってない。
まぁですから、これプーチンからしてみると、半身引いてるじゃないかって、日本政府はって…まぁ、思わせる原因になったのかもしれないんですが、まぁ、今井さんの立場からするとですね、そのぉ、日本企業もっと頑張って欲しかったなぁって思っているだろうと思います。
松田:そうですかぁ。なるほど。まぁ、そういった意味で今井さんの役割は非常に大きかったですが、一方で、安倍総理からすると、まぁ、逆に言うと今井さんしか信頼出来る人が居なかったっていうか、そういう雰囲気だったんですか?
例えば財務省との確執みたいな事は…増税2回延期しましたけどねぇ。財務省から見ると、期待していたのが延期されたみたいな事が何度かありましたけれども。
谷口:これはねぇ、松田さんねぇ、二人、すっごく大切な人が居たんです。一人は麻生太郎ですね。もう一人は知る人ぞ知る…この度、公取、公正取引委員会の委員長になった古谷一之(ふるやかずゆき)さん。
この古谷さん、この人は財務省から来られた方で、自分で自分に言い聞かせて、「安倍さんの一の子分になっちゃったらダメなんだ」って自分に言い聞かせた人なんですよ。
で、あくまでも霞が関を動かすのが俺の仕事だからと言って。しかし結局、安倍さんが描いた大きな図を理解して、要するに二度の延期というモノも、財務省に飲ませる上で、とても大きな力があったし、古谷さんの為ならって言って、各省の人が、ひと肌脱ぐワケですね。
で、この古谷さんどういう人かって言ったら、民間に下っていればですね、あすこ迄行った人なら、まぁ…もう何千万っていう給料を恐らく取っておられた方で、そういうモノも度外視して、なんと7年半年…7年と6ヶ月、東京23区を一歩も出た事が無いんです。
松田:それも凄い話ですね。
谷口:これもう、内閣官房副長官補という国内政治の要の位置にいるので、もう、台風が来ても何が来ても、全部この人の処に来るワケです。
松田:あぁ、そこ迄の役割をしていたんですねぇ。
谷口:ですから、この古谷さんが財務省を担いで官邸に送っていたので、財務省からすれば、古谷さんが言ってるからっていうのがあるんですね。
それからもう1つは麻生太郎で、麻生太郎はこの間もですね、ある人からの口伝に聞いた話なんですが、今、借金増えましたねぇ。
その借金が増えた事を心配すると、まぁ、大いに心配するんだけれども、「麻生さん大丈夫なんですか?」って聞いた人が居るんですよ。
「ウゥ、今、戦争なんだ。戦争やってる時の借金ってのはなぁ、これ戦争に勝つ為にはしょうがないんだよ。日本が日露戦争やった時の借金、いつ返したか、お前知ってるか?1986年だぞ。昭和の終わろうかって頃迄、返し続けてんだ。戦争の借金ってのは、そういうモンだ。」っと言う親分なんです。
それがですね、財務省の立場を代表し、安倍総理にあたりますね。「安倍総理、こんな事やったらダメですよ」と。
しかし安倍さんは安倍さんで、麻生さんね、ってこれやるワケですよ。最後はまぁ、アレですね。弁慶の脛を打擲(ちょうちゃく)して、芝居をやる様な事ありますでしょ。チョッとアレに近い感じで。
要するに麻生さんからすれば、義経を助ける為に弁慶の役回りでもしてみようかと。こういう感じですよねぇ。それで財務省に向って、「総理がこう言っているんだ。お前ら、それでも出来る事を考えろ」って。
で、出来た事がですね、これ、財務省がこういう事言うのかって私はビックリしましたが、ROE重視系の大転換。これの為にWall Street型と言われようが、何型と言われようが、コーポレートガバナンスを入れて、株主利益を極大化するんだ…この方向に一度大きく振るんですよ。
それによって、企業が使わずに持っているGDPの4割…GDPの4割っていう現預金…利息も一銭も生まないんですよ。
内部留保とは又違う現預金ですから。キャッシュ…もう文字通りの。このGDPの4割になろうかというキャッシュを、チョッとでも吐き出させようとしたワケです。これ財務省は非常に頑張ったと思います。そこんところは。
松田:なるほど
谷口;これ又、企業がねぇ、笛吹けど踊らずでしたねぇ。
松田:いやぁ、成長戦略が失敗だったって皆評価していますけども、やっぱりこの民間が踊らなかったっていうのが大きいんじゃないですか?
谷口:全くそうです。これねぇ、「他人(ひと)のせいにするな」って思われる方もきっと居られると思うんですけど、寧ろ現預金は着実に増えたんですねぇ。そして、コロナで一旦吐き出すんですが、この直近の第2四半期を見ると、又、増えています。
松田:あぁそうですね。ハイハイハイ
谷口:つまりこの現預金というのは、労働者に報いる事もせず、株主に還元する事もせず、又、次世代を見越したAIだとかそういうモノへの投資にも使わず、一体何してんのと私なんか思いますけどねぇ。
松田:本当に仰る通りですねぇ。そういった意味で、日本は実は十分な金融資産が眠っている。それを回せばフローはドンドン出て来るんだという…私なんかいつも言っている事なんですけど。
それはやっぱりこういう国が財政赤字の時は、企業が持っているから、そこをどうやって吐き出させるかという…のが成長戦略のポイントになるという事ですね。
谷口:そこに安倍総理自らですね、年末になると、経団連に乗り込んで行って、「頼みますから、ベースアップ宜しく」っていう。もう、ホント、連合の代表がやっているのかという様な事を安倍総理自身が、経済三団体に「ベアをお願いします」「私が此処にいるんですから、ベアをやってくれますよね」…これをやり続けた。
松田:フーン。そういった意味では、チャンと家計の方を向いた総理だったと言えますよねぇ。実質賃金上がらなかったってよく言いますけどねぇ。まぁ、でも企業に上げてくれと一番言ってたのは総理だったと。そういう事ですねぇ。
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