遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

敗戦特集 8.靴下更生器

2019年08月20日 | 敗戦特集

 

戦時中に作られら、靴下を再生する器具です。

題して、『強国靴下更生器』。

「一足が数足に使へる」「勝ち抜く為の資源愛護」「必ず備へよ一家に一組」など、いかにも戦時中らしい標語がおどっています。

定価 40銭。 実用新案。

使用法図解とボール紙で作った型紙がついています。

 

足型と丸型。足型は、大22.7㎝、小、16.7~20.6㎝可変です。

丸型は、6、 4、 2.7㎝の3種。それぞれ、一回り小さな丸紙で二重になっています。

 

二種類の更生法があるようです。

第一使用法は、足型を使う方法(底全部の付け替え)です。

(一)破損靴下の上部か別の布を裏返し、足型より少しい大きめに切る。足型をあて、細棒で足型の穴に布を差し込んで、足型に布を留める。

(二)底が破れた靴下の底部を切り取る。

(三)(二)の布を裏返し、(二)の足型布を穴に差し込む。最初に段縫いをして、足型を抜きとり、本縫いをする。

 

(四) 余りの布部を切り落とし、表に返す。

 

 

 

第二の使用法は、丸型を使う方法です(かかと、つま先の修繕)。

(一)適当なあて布を丸型より大きく切り、丸型の小さい部分へヘラでおしこむ。

(二)破れた靴下を裏返し、あて布を挟んだ丸型を穴から入れる。

(三)絞るように軽く押さえて、丸型の後ろで2枚の布を縫う。

四)(五)丸型を抜きとり、余分な布部を切り、あて布の余りの部分をまつる。

 

 

 

もう一種類、あります。

『廃品再生 靴下更生器』です。

「一足が数足に使える」、「資源愛護」、「物資節約」、「廃物利用は家の富・国の富」のスローガンがおどっています。

内容物は、先の更生器とほぼ同じ。少し、簡易版です。定価 35銭。

取り扱い説明は、包み紙の裏に簡単に書いてあります。内容は、先の更生器と同じです。

 

 

 

さらに、もう一種類あります。

『各種靴下更生型紙』です。

おおげさなスローガンは書かれていません。

特許出願中とあります。

 

型紙が二種入っています。

 

袋の裏側に使用法が書いてあります。

頭がゴチャゴチャしてきて、よくわかりません。

 

拡大しておきますので、各自で読み取ってください(^_^;)

 

 

 

 

靴下は、特定の部分が擦れて破損します。戦後しばらくの間は、家庭で、破損部を繕って長くはき続けました。家庭の力が大きかったのです。

現在、地球規模で、省資源や省エネルギーが謳われていますが、なかなか思うようにすすみません。

こんな類の品が手近にあれば、案外、うまくいくかも知れません。

コメント (2)
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