遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

そこまでやるか萬古焼3

2019年02月20日 | 古陶磁ー国焼
あーるぬーぼー萬古焼

やはり、萬古焼の急須です。



デザインが素晴らしい。








ボディは竹で編んだ籠風、そこへ葡萄のツタがからんでいます。
葡萄の実の横にはトンボが。蓋にも。全部で、3匹飛んでいます。



この急須も相当使い込まれています。
明治の藤蔓の取っ手は、傷つきながらも、まだ現役。



萬古の印はありません。
かわりに(?)、底部の真ん中に、花びらの様な模様が押されています。これは何でしょうか?陶工の知らせ印?それとも、単なる叩き目?
 ほかにも、指跡のような模様がたくさん付いています。骨董屋のオヤジが言う手捻りの証・・・・・・よーく見てみると、何本もの筋が規則正しく付いています。これは指紋ではないですねー。キレイすぎます。指形の叩き具の跡と考えた方がいい。もう、骨董屋オヤジの甘言に乗らずに済みます。


次も、トンボ。



 瓢箪形の掛花入れです。瓢箪の口に繋がった蔓が首を巻いて、後ろで掛けることができるよう、凝った造りになっています。
 全体が練り込みでできていて、紐部も練り込みです。


大きなトンボが3匹飛んでいます。


     後ろ側は、こんな具合。


  しかし、蔓の部分、補修されています。前所有者がそのまま柱に掛け、重みに絶えられなかったんでしょう。



 そこで、麻縄を巻いて掛けました。ついでに、花も。花と花入れの競合は、思ったより小さい。茶室で使えるかもしれません。

 3匹のトンボ。ガレの絵付けにもひけを取りません。流行をすばやく取り入れ、新しい日本感覚の焼締陶器を作り上げた萬古焼。
いわば、アールヌーボーならぬ、あーるぬーぼー萬古焼。

今は、土鍋の生産がほとんどです。用の美はどこへ行ってしまったのでしょうか?




コメント
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