ちーろぐ

今日の出逢いに感謝を込めて

教育再生会議「いじめ問題への緊急提言」に思う

2006-11-29 02:07:24 | 教育
いじめ「見ぬ振りも加害者」・・・教育再生会議が緊急提言

安倍首相直属の教育再生会議(野依良治座長)は29日午前、首相官邸で、
首相も出席した総会を開き、「いじめ問題への緊急提言」をまとめた。

 提言は8項目で、いじめをした児童・生徒に出席停止など
厳しい措置を取ることを念頭に、問題行動に対する指導・懲戒基準を
明確にして毅然(きぜん)と対応するよう求めたほか、
いじめにかかわったり、放置・助長したりした教員を懲戒処分の対象
とすることなどが柱だ。いじめを傍観した児童・生徒の指導強化も盛り
込むなど、踏み込んだ内容となった。

 首相は総会で「いじめは社会全体で真剣に取り組むべきだ。
政府も真摯(しんし)に受け止め、提言を具体化するよう努力したい」
と語った。

    ≪読売新聞 より引用≫

『出席停止』という言葉だけがなぜか独り歩きし、今もって本質的な
問題点になかなか近づけないもどかしを、誰もが感じているのでは
ないでしょうか?

●いじめにかかわったり、放置・助長したりした教員を懲戒処分の対象
 
 この当たり前のガイドラインが示されたことに意義はあると思いますが


●問題行動を取った生徒への毅然とした指導

●見て見ぬ振りをした者への指導の強化

 との提言の中のキーワードである『指導』の部分は、全て学校裁量と
 さらに言えば、教師の裁量に委ねられているのです。
 
 大多数の教師が、大学では教職取得課程では教科の知識の習得はあっても
 その指導法や、教育学や保護者への対応などはほとんど学ぶ機会もなく
 採用後は教壇に立つのです。

 新人研修と呼ばれるガイダンスは行われますが、それも先輩教師による
 指導であり、その先輩教師の価値観の中でどのような「指針」が
 示されているかの実態把握はよくわかりません。

 つまり『的確な指導』を謳えば、教育現場では『的確な指導』が
 施されるとの前提での、提案に多いに疑問を感じているのです。

多くの先生方が
 「今の子は、悪いことをいけないといっても、そのこと事態が
  通じない。親もまた然り」
と嘆きの言葉を吐露されていることをよく伺います。

『指導』することがどれほど難しく、この点において先生方が
迷いや困難を感じているかの現状認識が乏しい中で、この提言に
よって、この問題の突破口が開かれたように思うのは無理があると
思います。

だからこそ、
『何を』『指導するのか』
『その指導をいかに行うのか』の提言がなされなければ、
本質的な解決につながらないのではないでしょうか?

教育指導の本質は、
 ●全ての子どもに光を当てる
   ・・・発表の機会、発言の機会、言葉掛け
 ●人間社会の真理と普遍性を伝える
   ・・・日本の素晴らしい先人の人生を学ぶ
ことであると、私は思っています。

まどろっこしく思えるかもしれません。
これもまた遠くから進むみちかも知れません。
しかし、真理の追求なしに問題解決の道はないと思います。