ちーろぐ

今日の出逢いに感謝を込めて

地方小売店の事情に思うこと

2006-11-24 18:25:06 | つれづれに
弊社エルピスは保育用品と学校教材を中心に商品を
お届けさせていただいています。
その取り扱い品目は2万点を超えております。
チョークからロッカー、三角定規からパソコンソフト
ジャンルも多種多様です。

大きく分けると消耗品と備品に区分けすることが出来ます。
その消耗品の流通形態が、この3年ほどで大きく変化しました。

『アスクル』に代表される消耗品通販が一般化し、
学校の購入形態として有効に用いられるようになりました。

また、大手100円ショップがあちこちに出店し、
「こんなものまで100円!?」と驚くことがしばしばになりました。
便利・早い・安い!!が当たり前の時代です。

今日おいで下さった仕入問屋さんとこのようなお話をしていると
地方では、そのような事態に小売店は対応できずに、わずか2年で
5件あった小売店全てがなくなってしまったそうです。

さて、小売店がなくなって真っ先に困ったと声が上がったのは、
地元住民と教育施設関係者だそうです。
確かに100円ショップに行けば、画用紙などの消耗品もあるけれども
作品つくりに必要な微妙な色合いのものがない。

大阪のような都市部で暮らしていると、実感がわかないだろうが
地方ではこのようなことが頻繁に起こっていると話してくれました。

もちろん100円ショップを非難するつもりなどでは全くありません。
しかし、このような消費者の選択が総合機能を持っていた町全体の
保水力みたいなものを、失わせているのではないかと感じました。

そしてこのような問題は、事務用品に限らず、食品を含めたあらゆる
産業の中で起こっているのではないかと思うのです。

消費者は、便利さと安さを追求して当然です。
業者はその消費者のニーズに応えてこそ、必要とされるものです。

しかし、消費者の選択基準が便利さと安さだけでは、町の総合機能を
最終的に失ってしまうことにも、気づいておきたいと思います。
商店街が活気ある頃、町ゆく子どもを見守る防犯機能を
持っていました。
そのようなものがどんどんと失われているのです。

ここにもまた社会のひずみの原因があるように感じます。
それと同時に、便利・安さを超える魅力ある販売店たる知恵を絞り、
社会に必要とされる有り方を、目指さなければならないことを
突きつけられています。