ちーろぐ

今日の出逢いに感謝を込めて

諸行無常を伝えたい

2006-11-23 20:03:49 | 教育
『平家物語』の冒頭に語られる「諸行無常」のくだりを
覚えておられるでしょうか。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。
おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。


諸行無常とは、現実存在はすべて、すがたも本質も常に流動変化する
ものであり、一瞬といえども存在は同一性を保持することができない
ことをいいます。
この場合、諸行とは一切のつくられたもの、有為法を現しています。

虐めを苦に命を絶つ子ども達に、この諸行無常の理(ことわり)を
伝えたいと思います。

子ども達は、小学生であっても高校生であっても生活空間や
接している社会が大変狭いものであるために、過酷な状況にあればあるほど
その状態が延々と続き、八方塞がりの心境に追い込まれてしまう。
これが、絶望となり自らを暗黒の世界へ導いてしまうことが
あるかもしれません。

しかし、人間の社会にあってその一瞬たりとも「常」なるものは
ありえないと、説いたこの教えはその状況と苦しみが続くことは
ないと教えてくれています。

今瞬間だけに捉われて、本当に大切なものを自らの手で葬って
しまうような愚かな思いを抱いてはならないのです。

具体的な対策はもちろん必要です。
しかし、人の世に横たわる真理を語ることもまた必要であると
強く感じます。