ちーろぐ

今日の出逢いに感謝を込めて

ホリエモン対する群集心理

2006-11-07 21:53:47 | つれづれに
自らの裁判に出廷するホリエモンことライブドア前社長堀江貴文氏を
1年前誰が想像していたでしょうか?
日本中のお金持ちが集まるかの六本木ヒルズにオフィスも住まいも構え、
ヒルズ族として人々の羨望のまなざしを一心に受けた彼が、今では
被告として多くのフラッシュを浴びています。

自社株の売却益を売り上げ利益として計上し、不当に株価を吊り上げ
老若男女を問わず多くの被害者を生み出したこの「ライブドア事件」が
一時期ほど報道されなくなっていることに私は、いささか疑問を感じています。

私は、全く株取引なるものとは無縁な世界に生きていますが
ひところは、自分で稼いだわけでもない小・中学生までもに、
「金銭教育」と称して株のマネーゲームに参加させることを良しとする
親が増加しているといいます。

そもそも「株」などというものは、半ばギャンブルという認識を持つ私には
到底理解の出来ない「金銭教育」です。
なぜなら、汗水流さずにでも稼げる。しかも一日中パソコンとにらめっこして
株価の変動を見て、売り買いをするクリック、クリック、クリック・・・
これが世の中のお金の流れだなどと勘違いされては、家族のためと懸命に
働くお父さんの存在に尊さなんて見いだせないじゃないか!と思うのです。

株式事態を否定しているのでは全く有りません。
そもそも、ある会社の株を持つと言うことは、その会社の将来性や業績に
「ひとつ乗った!」的な意味合いを持っているように思います。

その会社が何を扱い、どんなビジョンを持っているかも何もなく
数字だけを追っかけっこしているような状態が、本当に投資なのかも
分かりません。

ホリエモンはかつて全国に向かって
「人の心はお金で買える」
「女も然り」
と公然と言い放ちました。

そんな人物を見て、「これは、少々胡散臭いぞ???」と感じたのは
私だけではないと思います。
なのに、ライブドアの株価は、ホリエモンのマスコミ登場回数が増える
度に上昇し、いつしか「胡散臭いけど一理ある」「だって成功してるから」
と、彼の持論どおり人々の心をお金と一緒に、鷲づかみにしてしまいました。

彼を国政の場に引き出した政府も、糾弾を免れることは出来ません。

なのに、もう誰もかつての時代の寵児ホリエモンを深く語ろうとはしません。
それは、あんな拝金主義で下品な人物をかっていた自分が、みんなちょっと
恥ずかしいのかもしれません。

私はそれを救いに感じています。

元来日本人は、お金で買えないものがあり、いつもお金で買えないものを
優先し選択してきたのです。
その貧しくとも気高い日本人の根に気づき、人のものを欲しがることや
お金に心を売ることや、多勢に流されることを「恥」とした日本人の品性に
立ち返る機会であったように思いました。

みんなが・・・これは子どもが良く使う言葉です。
約25年前「クラスのみんなが持っている」あの筆箱を買って欲しいとねだった時、母は「誰が持っていようとうちは買いません」と断固拒否でした。

ところが最近では、「クラスのみんなが持っていると言うなら、うちの子が
持っていないと、仲間はずれにされてしまうからかわいそう」との親達の
言葉をよく耳にします。

事柄の論点がずれてしまい、そもそも論が成り立たないのです。

ホリエモンに熱狂した大人、全て自己責任で済まされる時代に
「自己」確立こそ急務であると思いました。