ちーろぐ

今日の出逢いに感謝を込めて

21年絶てど癒えぬ悲しみ「日航機事故」を思う

2006-08-12 22:24:27 | つれづれに
あれから21年も経ったなんて、月日の流れの速さに
ただ驚くばかりですが、日本中があの日に起こった
大惨事を忘れることはないと思います。

御巣鷹山に激突した日航ジャンボ機は、521人の命を奪う
といういまだかつてない大量輸送機事故を引き起こしました。
やむを得ぬ事故だったのか、それとも防げるはずの事故
だったのかを人間模様と、商業ベースに真実を忘れた姿を
ドキュメンタリータッチで描いた
「沈まぬ太陽~御巣鷹山編」山崎豊子



私はこの本を、去年の5月に手にしました。
きっかけは、JR尼崎事故の衝撃からです。
「ありえない、そしてあってはならない事故を
 一度起こせば会社の存続をも揺るがすということを
 知りながら、なぜこのような惨事が起こるのか?」

このことを思うと、日航機事故に重ね合わせてしまいました。

日航機ジャンボ事故機は、数年前に油圧幕壁の亀裂を
ボーイング社に修理に出した際の欠陥修理が原因であったと
報告されています。
修理を半分でおさめようとしたために、その「はとめ」が
十分ではなく、圧力に耐えかねて破裂をしたのでした。

521人の乗客は、極限の状態の中で家族に震える文字で
遺書を書き、愛するわが子を胸に抱いて恐怖の中命を
失ったことが、事故現場で回収される遺体と遺品が
物語っていました。

まさか・・・
わが身に・・・
起こるなんて・・・

人々のいつもの生活を突如奪ったものは、不幸にも
起こってしまった自然災害や不可抗力に起因するものではなく
人間の人間による「怠慢と過失と無責任」であったのです。

この世に起こる全ての人災は、幾万の「はっと」した瞬間
つまり「えらいことにならなくて良かった」と胸をなでおろす
ことを背景に持っていると言われます。

人によって引き起こされる事故を限りなく‘0‘に近づける
為には、底辺(水面下)にある「はっとするようなこと」を
なくさなければならないのです。

21年前の悲しみを思うとき、私自身背筋に冷たい氷のような
ものを感じました。
はっとする瞬間を幾度私が、やれやれとやり過ごしたことか。。。と
今一度自らを省みた一日でした。