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家族の応援歌

相談活動・短歌・シャンソン

新彊ウィグル自治区

2013-11-04 00:18:23 | 作品
中国のウィグルの民が話題にあがっているこの頃

10年ほど前にウルムチ、トルファン、カシュガル
を訪ねましたので、ニュースに胸が痛みます。

たかが観光客の私でしたが、タクラマカン砂漠の
向こうに暮らす人たちにふれたときのことを
歌にしたのがありますので、紹介いたします。

新彊とう漢字国より賜りし」自治区の民の語るけなげさ

 大黄河遡れば暮らしは昭和なり砂漠の奥は明治さながら

 唇にシャワーしぶくも害となる国行く我を子は案じいる

 午前四時ホテルは明るくウルムチは異国の美女がロビーに歌う

 ゴビ坦に異様に伸びるアスファルト ロバ車の群れに現代が刺さる

 トルファンにミイラ訪ねるバス旅はドライサウナや片道四時間

 彫り深きは漢民族とは違いますとイスラム青年頤あげる

 日本語の独学の日々に職を得るガイドの夢は中古三菱

 双眼鏡ウィグルの子に渡りなば羊も見えん妹も見えん

 ボールペンにチェンジチェンジと群がりてイスラムの子は水晶を出す

 長きこと平和の続く国としてイスラムの民ヤーパンを慕う (ヤーパン=日本)

 異教徒は漢字学べぬ国にして暴徒生むまで長くかからず

    

 (写真はトルファンの遺跡 気温45度 子どもたちがみやげ物を売って働いて
     いました。学校は4年生までで漢字を学べないので、中国社会の中では就職が
     厳しいようでした。)

 

伊豆の秋

2013-06-09 08:35:38 | 作品
短歌 伊豆の秋


ようやく、先生からクレームのない、作品が詠めました。
昨年、中伊豆へ行ったときの歌が4月号に載ったものです。
昨日合評会でした。

中伊豆は紅葉彩るその奥の竹の里なる頼家の墓

競ひ立つ竹・竹・竹の隙を燃ゆるかへでの枝や源氏の血潮

頼家の幽閉されし修禅寺の今を賑はふ出店七色

幼きより活発發地な妹の赤き新車は天城を走る

日曜を母・姉誘ひハンドルを握るいもうとの肩の小ささ

一枝を三色に紅葉づるかへるでの大木赤き欄干を被ふ

修善寺の小径に入りては養生の漱石歩く下駄の音かも

賀茂・一条 都の呼び名落としたる奥伊豆深く満月昇る

やうやくに秋は来にけり南伊豆 黄葉さんざめくマングローブ林

ひなまつり・作品

2013-03-03 00:32:56 | 作品



夫婦して母の手をひき雛の里めぐれば母の面ざしやさし


降るほどの桃の実縫うや吊るし雛むすめ健やか頬も紅らむ

吊るし雛ちらほら下がるとうがらし娘の虫除け願いて縫うと

雛吊るす土地に嫁ぎて居場所ある一生よなべて安らかにあれ

わが住まぬ婚家へ雛を届けたる母の肩辺に梅は散るなり

内裏雛むすめに飾り遠き日の我のぶんまでともすぼんぼり

              
伊豆稲取の吊るし雛 開催中です

短歌・家族

2013-01-20 11:12:50 | 作品
家族

出社前 落とししメガネの小さきネジ 家族四人がキッチンにかがむ
初雪や 我が出勤を気づかひて 夫は夜明けに車を被ふ

お迎えの背なに 初めてちゃーちゃんと ささやきし声 今も鮮やか

夕闇に埋もるる我に近づきて 頬なでのぞきし吾子みどり児よ

七夕は 笹の下にて鎮座して おさなは 水密まるごとを食む



誕生日 ひととせの我を 絵本にと 子は描きたり 薔薇を表紙に


老い先の孤独はひとまず棚にあげ 今は子らをば解き放ち切る

家族とはどこまでを言ふ 紙一枚 まづはかかわり 築きますよう



子の病みてのちに 見あぐる薄曇 忘るな 家族の思いは同じ

切りたての若布を 子へと 百キロを 夫 馳せ来たり 「俺も初物」

夏の畑を 趣味とは言はぬ 「父野菜」と ほほばる家族の 声聞きてこそ



新築の居間にはめたる透きガラス 大工の父の形見なりけり


短歌作品・家族

2012-11-15 00:22:08 | 作品
家族

出社前 落としし眼鏡の ちさきネジ 家族全員 キッチンにかがむ

初雪や 我が出勤を 気遣いて 夫は夜明けに 車被ひに 

お迎への 背なに 初めて ちゃーちゃんと ささやきし声 今も鮮やか

夕闇に 埋もるる我に 近づきて 頬なでのぞきし 吾子みどり児よ

誕生日 ひととせの我を 絵本にと 子は描きたり 薔薇を表紙に

家族とは どこまでをいふ 紙一枚 まづはかかわり 築きますよう

子の病みて のちに見上ぐる 薄曇り 忘るな 家族の思ひは同じ

切りたての 若布を子へと 百キロを 夫馳せ来たり 「俺も初物」