良い子の歴史博物館

訪れたことのある博物館、歴史上の人物、交通機関についての感想、小論など。

リニアモーターカー

2005年03月26日 | 交通機関
日本における磁気浮上式高速鉄道の本格的な研究開発は1960年代から始まる。
旧国鉄、そして鉄道総合研究所(JR総研)が中心となっている。
既に40年以上の研究が続いているわけだ。
残念ながら、実用化に至ってない。

JRとは別に、日本航空が独自に開発をしたのが、HSSTと呼ばれるシステムで、
こちらは愛・地球博の交通機関として、本格的な営業運転を開始している。

JRの方が超伝導で磁気反発式、HSSTの方が常伝導の磁気吸引式という違いがある。
HSSTは都市交通向け、JRマグレブは本格的高速幹線向けという位置づけになる。

数年前にアメリカの技術者の論文を読んだことがある。
それには磁気浮上式高速鉄道が発展する見込みはないという結論が出ていた。
せいぜいテーマパークの呼び物程度の利用でとどまるであろうと予言していた。
そして磁気浮上式高速鉄道の持つ重大な欠点が列挙されていた。
記憶があいまいで、英文だったので、
今ここで、その具体的な内容を正確に列挙できないのが残念だ。

それまで読んだことのある日本語資料は
リニアモーターカーの優位性を強調するものばかりだった。
多くは
・鉄輪での摩擦力の限界がないので、時速500キロを超えることができる。
・静粛性
・省エネ性
・安全性
などを歌い上げている。

この中の省エネ性に関して、大きな疑問が書いてあったように思う。
あるいはコスト面での問題だったのかもしれない。
ともかく、重大な欠点をズバズバと挙げていたのが新鮮に感じたことを覚えている。
(内容を忘れても、感じたことは覚えているものだなぁ)

リニアモーターカーの実情はどうなのだろうか?

上海のリニアに関しては、様々な問題が発生していることが報じられている。
そのためか、中国高速鉄道の建設計画では、リニアではなく鉄輪方式が採用されそうだ。
新技術のための初期不良という側面もあるだろう。
今後改善されていくのかどうかは、わからない。

日本のマグレブに関しては、中央新幹線計画が凍結状態になったままだ。
実用化からは、程遠い。
もし、すぐにでも実用化できるものなら、中国高速鉄道への売り込みは、
従来型新幹線ではなく、リニアで売り込んだはずだ。
長年の研究のおかげで、幾つもの技術的問題は解決済みという話も聞くが、
実際のところ、どうなのだろう?

HSSTに関しては、愛・地球博の乗客をさばくだけの輸送力が
確保できていないことが明るみになっている。

鉄道の利点は、大量輸送力にある。
だが、リニアモーターカーはHSSTもマグレブにしろ、輸送力に疑問符が付く。
中央新幹線計画でも、この点を指摘する鉄道ライターの本を読んだことがある。

そもそも、時速500キロを超える物体を地上で走らせるのは
“暴力的”な気がしてきた。
何しろ、1気圧の空間の中を叩き割ってぶっ飛ばすわけだ。
飛行機なら、気圧の低い高空を飛ぶ。
もしかして、磁気浮上式高速鉄道って、飛行機よりもエネルギーを食うんじゃない?

もし、あのアメリカ人技術者の論文が見込み違いなら、
既にあちこちにリニアモーターカーが走っていて、
鉄輪鉄道が消滅しても良いはずなのに。

あの不吉な予言が当たるかどうか?
私の子供の頃から、リニアモーターカーの夢が語られていたが、
現在も幻、ようやく、博覧会の玩具程度になった程度なんだよねぇ。

話は変わるが、浮上しないものの、
リニアモーターで推進する鉄道は営業運転されている。
東京の都営大江戸線、大阪の地下鉄長堀鶴見緑地線、
神戸市営地下鉄海岸線、福岡市営地下鉄七隈線などだ。

どうも、こちらのリニアも省エネ性では劣るらしい。

従来型モーターが長年研究され、進歩したのに比べて、
リニアモーターは発展途上だ。
プレートとリニアモーターとの間隙が最適位置に一定でないと、
効率が悪くなるわけだが、
車体は揺れるもので、一定になりえない。

リニアモーターという言葉で、夢の技術だから薔薇色だと錯覚してはいけない。

5 コメント

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乗ってみたいなー (china_seiko)
2005-03-27 07:24:36
リニモの事はまったく知識がありませんが

いろいろと問題があるみたいですねー

でも時速500km/h、体験してみたいもんです
Unknown (ホシノミヤ)
2005-07-26 05:10:31
立花隆さん曰く、リニア中央新幹線が実用化されないのは、議員先生が他の整備新幹線にかまけて、予算を回してくれないから、だそうです。

予算が回れば、明日にでもリニア中興新幹線は着工できます。



中央新幹線を中国に売り込まなかったのも、『技術的に不完全』という事より、国産最先端技術の輸出への抵抗、軍事技術への転用の恐れなど、技術的完成度以外の問題によるものです。



万博のHSST(リニモ)ですが、イベント会場に人が殺到し、アクセス鉄道が混雑するのは、珍しいことではありません。リニアのせいではありません。

そして現在、リニモは正常に運行を続けています。たいした輸送機関です。



リニアは飛行機より、エネルギーを食いません。

それに食った所で、化石燃料を消費し、排ガスを出す飛行機と、電気を消費するだけのリニア。エネルギー消費量だけで比較は出来ません。



500km以上を地上を出すのを心配されていますが、それも技術的に解決済みです。騒音は、国の基準値以内に抑える事に成功しました。



しかし、「リニアの総工費は10兆円」と言う話を聞いた事がありますが、10兆円以上もする第二東名高速は、着工してるんだからなー。
予算 (ノルト@管理人)
2005-07-26 10:19:48
道路にばかり予算配分されているという問題は確かにありますね。

もっと鉄道などの公共交通に予算を出すべきだと思います。



ただ、立花隆さんの「リニア中央新幹線が実用化されないのは、議員先生が他の整備新幹線にかまけて、予算を回してくれないから」というのは違う気がします。

だって、道路に比べれば、整備新幹線に割かれる予算なんで、ずーーっと少ないですよ。

効率と安全性 (T)
2006-01-23 10:16:57
 リニアの効率が低いことは事実ですが、排気浄化の不可能な飛行機に比べて大気汚染が少なくできるし、飛行機でさえ自動車(乗用車)より実質的な燃費はよいのですから、安全性が現在の鉄道程度出せるのであれば、実用化するべきだと思います。

 
Unknown (プッwwwww)
2007-09-08 20:11:30
goo ID
cfsasaki
性別 男性
都道府県 神奈川県
自己紹介
コードネームはノルト。40代の会社員。3歳の娘が一人。



キミおもれーよwwwww
もっと理論的にのべてくれよwwwww
ははははははwwwwwww


>そもそも、時速500キロを超える物体を地上で走らせるのは
“暴力的”な気がしてきた。
何しろ、1気圧の空間の中を叩き割ってぶっ飛ばすわけだ。
飛行機なら、気圧の低い高空を飛ぶ。
もしかして、磁気浮上式高速鉄道って、飛行機よりもエネルギーを食うんじゃない?



エネルギーを食うのが「暴力的」www
意味わからんwwww
しかもエネルギ効率はリニア>>>ヒコーキなのはググればすぐわかるぞwwwwww

しかしヒコーキって何十年も前に基本設計されたやつがまだ生産されてるwwwwww
B747って新幹線で言うと0系世代だぞwwww

ガキの頃の鉛筆に描かれてた奴が“まだ生産”されてんだもんなwwwww
そーいや太平洋を半分の時間で横断するとかいう次世代旅客機とかいうのはどうなったのかな?www
プッwwwwwwwww

あんまりいじめ過ぎるとかわいそうだからこのへんにしとくか