良い子の歴史博物館

訪れたことのある博物館、歴史上の人物、交通機関についての感想、小論など。

セスナ

2005年03月04日 | 交通機関
セスナ社は軽飛行機の代名詞になるまでに
ポピュラーな小型飛行機を生産している。
特にセスナ172スカイホークは、最も売れ、世界中で飛んでいる。

セスナ社はクライド・セスナという人が創設した。

クライドは1911年に自作の飛行機を飛ばしたパイロットでもある。
曲技飛行に影響されて自ら単葉機を作って、地方巡回飛行をしたらしい。
1927年に会社を創設した。
クライドはファミリー向け飛行機にこだわったらしい。
だが、たちまち大恐慌に見舞われ、倒産寸前で一時解散する。
後に甥のドゥエイン・ウォレスが会社を再建する。

複座の120型単発機(85馬力)は2000機販売し、ヒットする。
140型機はエンジン出力を90馬力に増やして約5,000機売れた。
150型機は77年までの20年間で約2万4,000機も売れる。

4人乗り軽飛行機として、1948年に170型機(145馬力)の生産を開始した。
これも8年間で5,000機余りが製造される。
172型スカイホークは160馬力にエンジン性能を上げたものだ。
78年末までに3万機以上が生産された。

セスナ社は、人々に軽飛行機の楽しさと、簡便さをメディアを活用して、宣伝する。
飛行機の操縦は車を運転するのと、ほとんど変わらないとアピールしたのだ。

さらにパイロットスクールを開いて、比較的簡単に操縦技術を学べるようにした。

戦後、日本に輸入された軽飛行機は圧倒的にセスナ機が多かった。
このため、他のメーカーの軽飛行機まで“セスナ機”と呼ぶこともある。

“本家”セスナ機は、胴体の上部に主翼がある。
他社の軽飛行機の大部分は胴体の下部に主翼があるので、区別しやすい。

私自身は乗ったことがないので、よくわからないが、
主翼の位置によって、景色の見やすさが違うのではないか?
航空写真を撮るには、下側に翼がない方が良い気がする。

順調に売上を伸ばしたセスナ機だが、
1980年代は事故や欠陥のために訴訟問題が発生する。
とうとう、ついに生産中止になってしまった。
製造が再開されるまで、10年かかった。

現在は、ビジネスジェットがセスナ社の主力商品になっているらしい。

それでも確かな技術と優れたコンセプトのために、技術面で古くても、
セスナの軽飛行機は幾多の障害を乗り越え、今でも売れ続ける。

1 コメント

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こんにちは (マージ)
2005-03-04 16:34:24
トラックバックをたどってやって来ました。

"セスナ"とひと口に言っても奥が深いんですね。

会社名が個人の名前からだとは知りませんでした。

勉強になります。
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