団藤保晴氏のブログ時評で知ったスリランカ津波被害者の手記。
「私は自分のバンガローのベッドサイドにおいてあった、カシオの完全防水の時計をしっかり握り締めたままだった。この時計と上下別々の水着以外はすべて流されてしまった。」
ウナワトゥナのビーチ(コロンボから約120キロ離れたスリランカ南西部のリゾート)で津波の直撃を受け、パスポートや現金・カードを含め持ち物の一切を失ったこの女性は、被災直後は怪我人の救急措置に挺身した後、2日かけて首都コロンボにたどり着き、日本大使館でパスポートの再発行を申請する。
「するとパスポートの再発行には10250ルピー(約1万円)が必要でお金は貸せませんというではないか。愕然とする。津波より怖い日本大使館!
とにかく私は何もなくなってしまって、この洋服ももらいもので、お金もぎりぎりバス代があるだけなんだということを伝えるしかない。
私はインドに住んでいるから、インドに帰ればすぐにお金も返すことができる。どうか貸して下さいと何度も頭を下げてお願いする。」
(中略)
「ロビーに誰もいなくなって一人で待っている間も涙がぽろぽろ出てきて困った。セキュリティのスリランカ人がどうしたのか?と小さな声で聞いてきたので、津波で全部なくなってしまった。2日かけてウナワトナからキャンディ、コロンボにたどり着いたけど、お金を貸してくれないといっている。お金がないとパスポートも再発行できないし、お腹も減っていて疲れていると答えた。悲しいというよりも惨めだった。」
日本の在外公館の相変わらずの対応に暗澹としてしまう・・・・。
救いは、大使館ロビーで一夜を明かした翌日、須田明夫大使と思われる人物が現れるに及び、待遇が漸く好転したということだ。
須田大使をググルと、JICAの総務部長務めた方のようだ。
「大使館を出るとテレビ東京のインタビューがあった。
私はそのスタッフの方々に助けられた。エアラインのオフィスやインド大使館に車で送ってくれたり、彼らのホテルで休憩もさせてくれた。この場を借りてもう1度お礼を言いたい。本当にありがとうございました。
そして、そのおかげで使わなかった200ルピーはホテルにあった災害救助の寄付金箱に入れた。」
ふーん、ご本人の直後の映像が残っているようですね。>テレビ東京さん。
さて、私が悲しく思うのは、まったく改善しない在外公館の対応のまずさだ。
・未曾有の災害の中、被災地には助け合いの精神が生まれている。この被害女性も自らの被災にかかわらず、現地で救急措置活動に粉骨砕身している。なんで日本大使館の対応にはやさしさのかけらも感じられないのだろう。
・眼の前に、水着にわずかな衣料を羽織っただけ(?)の着の身着のままの女性が立っているのだ、当人の状況を思いやろうとの発想はないのだろうか。
・在外公館の重要な任務のひとつが邦人保護であることをどのように受け止めているんだろう。まさか、津波被害にあったのは被害者の「自己責任」と考えているのではないでしょうね。
・そもそも大惨事の2日後だというのに、邦人保護のための対応が出来ていないかに見えるのはなぜなんだろう。正月休みで人員が少なかったとしてもそれは理由にならないだろう。
瀋陽のハンミちゃん事件や北朝鮮の拉致問題で露呈したのは、外務官僚の人権意識の希薄さだった。
公金詐欺事件で明らかになったのは、予算を湯水のように私的に流用して恥じない、外務省高官のさもしい体質だった。
そして、海外の日本大使館の一般邦人に対する冷たさは、かねてから耳にしていることだ。
例えば、傷ましいことに毎年何人かの留学生や旅行者、駐在員などがアメリカで銃の犠牲になっている。94年に最愛の子息をニューヨークで失われ、それ以来銃廃絶のため「ストップガン運動」の先頭に立っている砂田向壱氏によると、銃で撃たれたとの領事館から家族への第一報は、コレクトコールでくるという。受信を拒否したら連絡しないということなのかしら。
国際電話代ぐらい、大使や総領事のシャンパン1本倹約すれば、年間費用が出そうなものなのに。
そんな外務省の体質改善を図るために、川口前外相は「変える会」なる、名前からは目的意識のうかがえない第三者の組織をつくったのではなかっただろうか。
参考のため、平成14年7月22日に出された、「外務省改革に関する“変える会”― 最終報告書 ―」を見ると、
XI.危機管理体制の整備
1.領事業務
(1) 政策優先順位の飛躍的向上【平成14年12月までに結論】
外交政策と外務省の外交執行体制における領事業務と危機管理の政策優先順位を飛躍的に高める。その際、もっとも重要な任務が海外における邦人保護であることは言うまでもない。
お題目だけはちゃんと掲げられているじゃないの。
これが実効性を持つに至っていないということは、
やはり「ポン子」だったのだろうか、あの人は・・・・。
コロンボ大使館の対応に問題があったとして、他の大使館はどうだったのだろう。
バンコクの大使館からは、不幸にして吉野貞行一等書記官親子という犠牲者を出している。
ニューデリーやジャカルタは迅速な初期対応が出来ていたのだろうか。
情報があればお教えいただきたい。
私たちはせっかくブログという道具を手に入れたのだ。
ガ島通信さんが中越地震の際に、マスコミの取材活動の実態を地道に検証をされたように、
国民の立場から在外公館の活動を検証していく必要があるのではないだろうか。
「私は自分のバンガローのベッドサイドにおいてあった、カシオの完全防水の時計をしっかり握り締めたままだった。この時計と上下別々の水着以外はすべて流されてしまった。」
ウナワトゥナのビーチ(コロンボから約120キロ離れたスリランカ南西部のリゾート)で津波の直撃を受け、パスポートや現金・カードを含め持ち物の一切を失ったこの女性は、被災直後は怪我人の救急措置に挺身した後、2日かけて首都コロンボにたどり着き、日本大使館でパスポートの再発行を申請する。
「するとパスポートの再発行には10250ルピー(約1万円)が必要でお金は貸せませんというではないか。愕然とする。津波より怖い日本大使館!
とにかく私は何もなくなってしまって、この洋服ももらいもので、お金もぎりぎりバス代があるだけなんだということを伝えるしかない。
私はインドに住んでいるから、インドに帰ればすぐにお金も返すことができる。どうか貸して下さいと何度も頭を下げてお願いする。」
(中略)
「ロビーに誰もいなくなって一人で待っている間も涙がぽろぽろ出てきて困った。セキュリティのスリランカ人がどうしたのか?と小さな声で聞いてきたので、津波で全部なくなってしまった。2日かけてウナワトナからキャンディ、コロンボにたどり着いたけど、お金を貸してくれないといっている。お金がないとパスポートも再発行できないし、お腹も減っていて疲れていると答えた。悲しいというよりも惨めだった。」
日本の在外公館の相変わらずの対応に暗澹としてしまう・・・・。
救いは、大使館ロビーで一夜を明かした翌日、須田明夫大使と思われる人物が現れるに及び、待遇が漸く好転したということだ。
須田大使をググルと、JICAの総務部長務めた方のようだ。
「大使館を出るとテレビ東京のインタビューがあった。
私はそのスタッフの方々に助けられた。エアラインのオフィスやインド大使館に車で送ってくれたり、彼らのホテルで休憩もさせてくれた。この場を借りてもう1度お礼を言いたい。本当にありがとうございました。
そして、そのおかげで使わなかった200ルピーはホテルにあった災害救助の寄付金箱に入れた。」
ふーん、ご本人の直後の映像が残っているようですね。>テレビ東京さん。
さて、私が悲しく思うのは、まったく改善しない在外公館の対応のまずさだ。
・未曾有の災害の中、被災地には助け合いの精神が生まれている。この被害女性も自らの被災にかかわらず、現地で救急措置活動に粉骨砕身している。なんで日本大使館の対応にはやさしさのかけらも感じられないのだろう。
・眼の前に、水着にわずかな衣料を羽織っただけ(?)の着の身着のままの女性が立っているのだ、当人の状況を思いやろうとの発想はないのだろうか。
・在外公館の重要な任務のひとつが邦人保護であることをどのように受け止めているんだろう。まさか、津波被害にあったのは被害者の「自己責任」と考えているのではないでしょうね。
・そもそも大惨事の2日後だというのに、邦人保護のための対応が出来ていないかに見えるのはなぜなんだろう。正月休みで人員が少なかったとしてもそれは理由にならないだろう。
瀋陽のハンミちゃん事件や北朝鮮の拉致問題で露呈したのは、外務官僚の人権意識の希薄さだった。
公金詐欺事件で明らかになったのは、予算を湯水のように私的に流用して恥じない、外務省高官のさもしい体質だった。
そして、海外の日本大使館の一般邦人に対する冷たさは、かねてから耳にしていることだ。
例えば、傷ましいことに毎年何人かの留学生や旅行者、駐在員などがアメリカで銃の犠牲になっている。94年に最愛の子息をニューヨークで失われ、それ以来銃廃絶のため「ストップガン運動」の先頭に立っている砂田向壱氏によると、銃で撃たれたとの領事館から家族への第一報は、コレクトコールでくるという。受信を拒否したら連絡しないということなのかしら。
国際電話代ぐらい、大使や総領事のシャンパン1本倹約すれば、年間費用が出そうなものなのに。
そんな外務省の体質改善を図るために、川口前外相は「変える会」なる、名前からは目的意識のうかがえない第三者の組織をつくったのではなかっただろうか。
参考のため、平成14年7月22日に出された、「外務省改革に関する“変える会”― 最終報告書 ―」を見ると、
XI.危機管理体制の整備
1.領事業務
(1) 政策優先順位の飛躍的向上【平成14年12月までに結論】
外交政策と外務省の外交執行体制における領事業務と危機管理の政策優先順位を飛躍的に高める。その際、もっとも重要な任務が海外における邦人保護であることは言うまでもない。
お題目だけはちゃんと掲げられているじゃないの。
これが実効性を持つに至っていないということは、
やはり「ポン子」だったのだろうか、あの人は・・・・。
コロンボ大使館の対応に問題があったとして、他の大使館はどうだったのだろう。
バンコクの大使館からは、不幸にして吉野貞行一等書記官親子という犠牲者を出している。
ニューデリーやジャカルタは迅速な初期対応が出来ていたのだろうか。
情報があればお教えいただきたい。
私たちはせっかくブログという道具を手に入れたのだ。
ガ島通信さんが中越地震の際に、マスコミの取材活動の実態を地道に検証をされたように、
国民の立場から在外公館の活動を検証していく必要があるのではないだろうか。
わたしは、バンコクのドンムアン空港でスイス大使館のヘルプデスクのボランティアをしていましたが、日本大使館のデスクがないことをもらしたところ、オーストラリア大使館のデスクにいた大使館スタッフ(タイ人)が教えてくれました。
貴重なコメントありがとうございます。
ドンムアン空港でのボランティア、ブログで拝読しました。
元旦からのご活躍、敬服します。
近頃の北朝鮮の拉致問題だって、急に発生した事件ではない。横田めぐみさんの写真が物語るとおり。少女が大人の女性になっても、まだ国民の大半がそ知らぬ顔だから。外務省は痛くも痒くもない。なにしろ国民に見えない飛距離の玉前をごまかすことなど、朝飯前。我が身のパスポートをしっかり見たまえ。なにが書いてあるか?
国民よ!もう少し自国のことに関心を示そうではないか。外務省に限ったことではない。安全保障のこともしかり、毎日の安心、安全しかり。もし万が一の時、貴方は自分で、いやたったひとりで、しかも外国で自分の国民としての権利を強く主張できますか?
被害に遭うことばかりではありません。罪も無く、外国の官憲に不当な逮捕をされることだって、ありうることです。その時、貴方はどうされますか?