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Happyday of LUCKY

日々の気付きと感謝を忘れないように綴るページ

わたしと世界をつなぐもの

2013年07月07日 | Life
定刻に2回目の文章作成ゼミははじまった。

まず、横内先生に添削してもらった自分のステートメントを、みんな(参加者は4人)に配り、音読する。
朱筆の入っているところでいったん止まり、先生が説明の足りない部分や気になる点を質問してくる。
その質問は鋭く、たいていはこちらの考えが足りなかったり、あいまいなことばに対するものだ。
文章を読みすすめながら、先生との問答をくり返すことで、ステートメントの精度を上げていく。

たとえば、わたしは作品のテーマのなかにこんな文章を書いた。
「まちがった考えの人間によって、自然は破壊され、環境も悪くなっています」
すると先生は「ここでいう自然とはなにか」「環境というのは自然もふくめたものなのか」「そこに人間(社会)はどのように入ってくるのか」などと、矢継ぎ早やに質問をあびせてくる。
そのやりとりによって、自分の本心とはちがうのに杓子定規にものを考えていたり、自分で勝手に思い込んでいることに何度も気づかされる。
指摘されたことはその場で答えるのではなく、次回の締め切りまでにもう一度よく考えて作文し、先生に送ることになっている。



朱筆とゼミ当日の指摘によって真っ赤になったステートメントを、きょうは朝から修正していた。
修正には決まりがあって、あたらしく加筆した文章は緑色で書く。(元の文章は黒色)
また元の文章を消すときは完全に消去するのではなく、文章をのこしたまま取り消し線(横線)を引いて消す。
こうすることで元の文章がどのように修正されたのかがよくわかる。
そのようにしてどんどん修正していくと、元の文章にはほとんど取り消し線が入り、文章が緑色になってしまった。



まえにも書いたように、このステートメントというのは作家の創作理念であるから、一つひとつの作品のステートメント(コンセプト)の基礎となるものだ。
自分の履歴(おいたち)を振り返り、これまでなにを見てなにを感じて生きてきたのかを掘り起こす。
その中から写真との接点やテーマを見つけていく。
「なぜ、その写真を撮るのか」ということを意識化する作業だと言い換えてもいい。

作家がしっかりとしたステートメントをもつというのは、写真の世界に限ったことではなく、むしろ現代アートの世界ではあたりまえのことになっている。
べつの言い方をすれば、写真がアートとして認識されるようになったのは、こうしたステートメントを発信する写真家が出てきたからだ。
アートというのは、制作段階では非常にプライベートな行為で、作家は自身の心の中へ深く潜っていく。
そしてふたたび心の中から上昇し、外の世界へ向かうときに発表すべき作品が生まれる。
だとすれば、ステートメントというのは作家の心と世界の人々とをつなぐ、なにか翻訳機のようなものだと言えないだろうか。

体力エンプティー

2013年07月03日 | Life
きょうはTIP文章作成ゼミの2回目。
昨夜、大阪駅から夜行バスに乗って、今朝、東京駅に7時すぎに着く。
ゼミは19時からなので、約12時間、都内をうろうろ。

まずは腹ごしらえ。コンビニでサンドイッチとお茶を買う。
レジが4台もあって、どの列にもみんな整然と並んで待っている。レジの係員の口調と動作がものすごく速くて驚く。小銭を出すときにまごまごしてたら怒られそうでこわかった。
あの係員はひょっとすると、どこかの大学の先生がつくったアンドロイドじゃないか?
お濠の和気清麻呂像のまえで朝食をとる。



そのあと神保町にあるランナーズ・ステーションへ行く。
ここは皇居の周りを走るランナーのために、着替えやシャワーのできる場所だ。早朝から開いているのがありがたい。
ウェアに着替え、荷物を預ける。
神保町から一番近い竹橋をスタート地点にして、反時計回りに走り出す。
いよいよ「皇居ラン」デビューである。

竹橋から千鳥ヶ淵、さらに半蔵門までゆるい上り坂がつづく。
そこを越えるといっきに下り坂となり、桜田門あたりで平坦路になる。この下りはけっこうきついので、気をつけないと後ろから来る自転車と接触事故を起こしかねない。
左手にお濠を見ながらのんびり走るのは、なかなか気持ちがいい。55分かけて皇居の周りを2周走る。



都営新宿線で新宿3丁目へ行き、photographer's galleryで中村早さんの写真展「Flower」を見る。
フィルムからデジタルに変えたことははたしてよかったのか。稚拙なライティングはどうなのか。
A1サイズくらいの大きな作品が7万円で売られているが、材料費は4万円くらいかかっているだろうな。ギャラリーに2万円くらい支払ったら、利益は1万円くらいか。儲かりまへんな。



ギャラリーを出て、四谷、千駄ヶ谷、青山、乃木坂を経て、六本木まで歩く。約6キロ。
スマホなんて持ってなくても、森タワーがランドマークになるので、そのあたりをめざして歩けば迷うことはない。
タワー53階の森美術館で開催中の「LOVE展」を見る。
1,500円も払って見る価値あるかな、と思って入ったけど、いやいや、これは面白かった。ひさびさに面白い展覧会でした。
世界中のいろいろなアーティストが「愛」を表現しているけど、まずその多様性におどろく。
時間軸で見ていくと、時代の背景によって表現がどんどん変わることがわかるし、初音ミクがいまの時代からしか生まれ得ないことも理解できる。
関東に住んでる人で、写真やアートに興味があるなら、ぜひ見にいきましょう。損はさせまへんで。

日比谷線で銀座まで出て、ぶらぶらする。京橋まで歩き、さて、いよいよTIPのゼミ開始。だけど、なんか疲れたな。