「マイコプラズマ肺炎」の全国の患者数が5週連続で増加。
国立感染症研究所によりますと、8月4日までの1週間で全国約500の医療機関から報告された「マイコプラズマ肺炎」の患者は、1医療機関あたり0.95人で5週連続増加しました。
マイコプラズマ肺炎と言うと、オリンピック病とかオリンピック肺炎と思ってしまう・・・古い奴でございます。
その昔、夏季オリンピックが開催される4年おきに流行して、そう呼ばれていたのですが、いつの間にかその周期が崩れて、その呼び名は廃れてしまいました。しかーし、今年は、パリ5輪の年ですよね。ひょっとすると旧名復活?
まぁ、そんなことはどうでも良いのですが、マイコプラズマ肺炎、なかなか厄介なのですよ。まず、薬が効きにくい。副作用が少なくて使いやすいセフェム系と呼ばれる抗生物質、全く効きません。セフェム系の抗生物質は、細菌の細菌壁に作用して細菌を崩すのですが、マイコプラズマには細菌壁が無いので、セフェムは全く効きません。そして、同様の働きをするペニシリン系抗生物質も無効です。
そして、マイコプラズマは気管支壁に沿って炎症が広がり気管支壁を刺激するので、頑固な強い咳が長期間残ります。咳止め薬も効きにくいのです。
そして、マイコプラズマの診断には、臨床症状や胸部レントゲン所見、血液検査所見などから類推することが多いです。マイコプラズマ迅速検査キットもあるにはあるのですが、まだまだ感度が低くて使いにくいです。(オーツカのものはまだましだけど、当院では期間内に使い切ることが出来ません。)感度の良い検査は、検査に日数がかかって実用にならいです。
何しろ、難儀な病気なのですよ。その、しつこい咳を特徴とするマイコプラズマ肺炎が、8年ぶりに流行ってきています。
外来肺炎の中で一番多い肺炎です。肺炎というと呼吸困難などで寝込んでしまう事が多いのですが、マイコプラズマ肺炎は症状が軽いことが多く、歩いて来院される肺炎として有名です。若い方に多い病気ですが、年長者でもなり得ます。右を向いても左を見ても、馬鹿と阿呆の絡み合い。何処に男の夢がある??
薬の効きにくい、しつこい、乾いた頑固な咳が熱が下がったとも続く・・・・
そんな時は、可能であれば呼吸器内科を受診してください。少し厄介な病気なので・・・ベテラン(古い奴)の方が良いのかもしれません!!
鶴田浩二 傷だらけの人生