小学生1965年の池谷・関彗星に始まって、高校生1970年ベネット彗星、社会人になってからの1976年ウェスト彗星、1986年のハレー彗星1996年の百武彗星、毎回毎回、いくら夕方の空を見たり、明け方に起きて薄明の空をみても、上手く見ることが出来ずじまいでした。私と同じ日に、近くの場所で見事な写真を撮影している人が雑誌に投稿したりされているのを何度も目にして、どういうわけか、彗星に関しては、他の人には見えても、私には見えない。私は彗星とは縁が薄い人間なのだろうと思い込むようになっていました。
それが、1998年のヘール・ボップ彗星で真逆になりました。
ヘールボップ彗星、普通には、1997年末頃から目視できるようになり、1998年4月までの半年ほどの間、普通に肉眼ではっきり見えた20世紀最大の大彗星です。
彗星が見えてこない私でも、1998年の3月上旬、福井県の今庄365スキー場の夕暮れ時、西の空に宇宙船の母船の如き巨体を浮かべているのを目にしました。

肉眼でダストテールのカーブがはっきりわかりました。
これまで彗星を見たくても見えなくて溜まっていたフラストレーションが一挙に解消していくのが分かりました。それ以来、4月中旬頃までに何度も何度も目にしたのですが、驚いたのが、周囲の人が大彗星を目にしているのか目にしていないのか、いや、見ようとしていないのか、何もないかのように行動するのです。花火なら、皆立ち止まって見入るのにねぇ。音もしないし、短い時間で変化はしないけれど・・・それにしても、こんな貴重な光景を見てみないふりはないだろうと思いました。
それまで、他の人には見える彗星が見えなかった私でしたが、その時は逆でした。今後100年見られないかもしれない超貴重な得難い映像、私にはこんなにくっきりはっきり認知できるのに、あなた方の視野には認識されないのですね!という不思議な、もどかしい感覚でした。
1997年から1998年に見えたヘール・ボップ大彗星を見逃した貴方、今後100年こんな大彗星出てこないよ!!
と書いたところで、本当にそうかなと調べてみたら、なんとまぁ、6年後の2031年に巨大彗星が接近するのだそうです。
(CNN) 観測史上最大級とされる直径100~200キロの彗星(すいせい)が発見された。 2031年には太陽へ最接近すると予想される。 観測チームが先月発表したところによると、発見者である米ペンシルベニア大学の大学院生と教授の名前を取って「バーナディネリ・バーンスタイン彗星」と名付けられた。 質量は通常の彗星の約1000倍。 太陽系の最外縁部が起源とみられる。
太宰治は、死のうと思っていたが 正月、お年玉に麻の着物地を貰い、これは夏物だから、夏までは生きていようと思ったと書いている。私は太宰と違って死のうなどとは思っていないが、「バーナディネリ・バーンスタイン彗星」というお年玉をネットで見つけ、2031年まで生きていたいと思う。ヘール・ボップの彗星核が直径60㎞で最大級と言われていたのに、今度のは直径100~200㎞ 本当に超巨大彗星である。ヘール・ボップが肉眼で18か月見ることが出来たらしいので、今度はどんなことになるのか?喜寿が楽しみになって来た私です!!ありがたや!!
と書いてから、より詳しく調べてみたら・・・この巨大彗星、近日点が土星軌道よりも外側で望遠鏡でしか見えないってありました。喜寿まで生きる楽しみ,急激にしぼんでしまった私です。(´Д⊂グスン!!
あの日、あの時 「ヘールボップ彗星1997」