命のカウントダウン2(健康余命913日)

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点滴しないという選択(長文です)

2024-07-08 23:25:47 | 在宅医療
末期の医療において、点滴をしないと言う選択肢を選ぶのはなかなかに困難です。

患者さんそしてご家族の多くが点滴幻想を持たれています。点滴すれば病気は良くなる、病状は改善するという幻想です。通常の急性期医療の場合、必要な薬剤や、水分、塩分などを血管から直接体内に入れる点滴治療は非常に有効です。その印象が強いので、点滴すれば何でもかんでも良くなると思っておられる方が多くおられます。

しかし、末期医療においては全く状況が異なります。何しろ、有効な医療が既に無くなった状態なのですから。そこで点滴をすると、折角枯れて死を受け入れようとしている「体の中の自然」に逆らう事になります。それで、患者さんに苦痛を負わせてしまうことが多いのです。

亡くなる直前の点滴は、弱り切った体に余計な負荷をかけ、心不全、呼吸不全を悪化させることが多くあります。
自然に近い形で穏やかに亡くなったご遺体は軽いのに、病院で苦しんで亡くなった方のご遺体は重いと葬儀関係者の方に聞いたことがあります。
苦しまれた分だけ重みが増しているのではないかとも感じる私です。

私達、在宅末期医療を扱う医療関係者の間では、末期の点滴は施行しても500mlまで。許されるならゼロにしたい。というのが本音です。

私達、患者さんの苦痛の除去には熱心ですが、点滴は出来たらしたくないのです。

先日、そんな私たちの方向性を具現化した在宅看取りを経験しました。突発性間質性肺炎の患者さんでした。年齢は私と同世代の男性。

昨年夏まで海外を飛び回っておられた超エリートエンジニア。自立心の強い方で、肉体的な苦痛には我慢強いのに、入院加療の様に行動を縛られることが大いに苦手な方でした。自由を制限されることが苦手なのは私も人後に落ちない自信があります。私は肉体的苦痛にも弱いですけれどね。

その方の病気は、突発性間質性肺炎という難病の中でも急速進行性の特に質の悪いものでした。最初に坂根医院に来られたのが今年春だったのですが、これは手に負えない、と、その日のうちに病院に紹介しました。それなのに、患者さん、2つの病院を経由した挙句、約一か月後に戻って来られました。何故?と聞くと、病院は検査ばかりで何もしてくれなかったとの事でした。強引に退院してこられた事と、2つ目の病院は当院からの紹介では無かったので、診療情報も何もありませんでした。仕方なく、ありあわせの情報で難病の申請をし、在宅酸素療法を開始、病状が急速に悪化してきたのでステロイド治療も開始しました。

それでも、病状悪化は止まりませんでした。そこで、何か出来る治療はありませんか?抗線維化薬、免疫抑制剤、ステロイドパルス治療など、出来ることがあれば施行していただけませんかとの紹介状を書いてN医大を受診していただきました。病院受診に気の進まない患者さんご家族の背中を強く推して受診していただいたのですが・・・

入院されたと聞いてホッと一息ついていたのに・・・・2週間ほどしたら、明後日退院してこられますとの話が・・・・退院日に訪問看護師とご自宅に伺ったのですが、退院時の診療情報がありません。N医大に問い合わせてどうなっているのか聞くと、退院後もこちらに通院していただくことになっているので、紹介状はありませんとの事でした。在宅酸素の業者も変えられています。

患者さん、ご家族に聞いても、そんな希望はさらさら無くて、主治医に何度も「退院後は坂根先生に在宅医療してほしい」と念を押されていたそうです。

ご家族に「私に向かってなので、そう言われているわけでは無いですよね。」と、失礼ながら念押しの確認をしてから、N医大に文句の電話を入れました。「病院医と在宅医の間でトラブルが発生している。そんなトラブルは、何処に相談したらいいのか」と地域連携室に聞きました。そんな部署はありませんとの答えでした。無いのなら、作らないと、今後もこのようなトラブルは発生し続けますよ。とても重要な問題ですよ!と、脅しました。多分、その話が上の方にまで届いたのだと思います。とても驚いたことに、一開業医の文句が通りました。翌日には診療情報がFAXで届きましたし、2日後には病院の主治医本人から謝意の電話が直接ありました。

まあ、そんな大事件とはお構いなしに、患者さんの病状悪化は続きます。医大でも、積極的な治療は出来ないと言われたのだそうです。確かに線維化は完成しているので薬は効きにくいだろうとは思えました。しかし、何か出来る事はないかと考えました。
抗線維化剤や免疫抑制剤は在宅では扱いにくかった(保険治療でカバーできないものもある)ので、ステロイドパルス療法をご本人、ご家族承諾の上で1クール施行しました。最初の1投目した日だけ症状改善したかに思えたのですが、翌日からは元に戻ってしまい、1クール終わった時点では正に元の木阿弥でした。話し合いのうえ、維持量のステロイドを残して積極的治療は終了することにしました。

上の装置はエイミーPCAポンプと言う最新の微量薬液注入システム(患者さんがコントロール出来る機能付き)です。
これを2台使って塩酸モルヒネとミタゾラムという2種の薬の連続皮下注を開始しました。
いずれも患者さんの苦痛を取り去るのが目的です。10年前なら、そのような薬剤を在宅の非がん患者さんに使うことは想像できませんでした。こんな優秀なポンプも存在していませんでしたし。
一日の注入量は1つの装置で2.4ml、2つで5ml以下の注入量です。普通の点滴と全く量が違う事をご理解ください。


こんな最新の薬液ポンプを2台も使いながら、普通の点滴治療はしませんでした。患者さん本人の希望に沿わないからです。

下がこのポンプを使用し始めた時の血液ガスの結果です。酸素は経鼻で1.5l/minでした。
分かる人にはわかってもらえると思いますが・・・・
完全な負け戦
PaO2:64mmHgに対し
PaCO2:117.9mmHg とんでもないダブルスコアに近い大逆転(二酸化炭素濃度が酸素濃度を上回ってしまう状態)です。
それでも、話しかけると返事は帰ってきました。早く楽にして欲しい。殺してほしいとまで言われたのですが、これらのポンプを使う事で楽になられたのでしょう。傾眠ではありましたが、微笑みを浮かべられることもありました。
ポンプを使用して3日目、患者さんは自宅のベッドで大勢のご家族に見守られる中、静かに息を引き取られました。死亡確認をしたのはご家族、そして訪問看護師でした。在宅医師の私がお宅にお邪魔したのは翌朝早く、訪問看護師からの電話で知らされてでした。

ご本人、苦痛を感じない良い顔をしておられました。そして見送られたご家族の皆も涙の混じった笑顔で私を迎えてくださいました。

理想的な最後やんか と、私思ったのですが、いかがでしょうか?
長文、お付き合いありがとうございました。


今日も在宅医療についての話です

2024-07-02 22:03:16 | 在宅医療
今夜も在宅医療についての考察です。
これまで、
1,私自身は在宅医療が好きで、
2,在宅医療は患者さんの人権を守ることに長けた医療で、
3,在宅医療では患者さんが主役になれる
と書いてきました。

これ、間違っていません。
現在、在宅医療は引く手あまたな状態です。
と言うのは、需要と供給のバランスが取れていないからです
需要は多いのに供給が追い付きません。
在宅医療を要望される患者さんは増える一方なのに、在宅医療に関わる医師、看護師の数が足りないのです。
そんな状況なので、ただでさえ時間外労働の多くなりやすい在宅医や在宅看護師の労働環境はブラックになっています。

普通、ブラック企業というと、欲の深い企業主にブラックな環境で安い報酬で残業を余儀なくされる様なイメージを抱かれるかもしれません。
でも、在宅医療関係者はそうではありません。医者は企業主であることが多く、誰に命令されることなく自分の医師でブラックな環境に身を委ねています。そして看護師もほぼ同様です。彼女たちも引く手あまたの有資格者なので、職場を代わりたければいくらでも変わることは可能です。

在宅医療に関わる医療関係者は、自分の医師で現在はブラックな環境にある職場をあえて選んでいます。それは、私達が在宅医療が否定しがたく好きだからだと思います。在宅医療が好きな医療関係者は、患者さんが日常生活を継続しておられる状況の中で医療行為を続けることに大きな意義を感じているからだと思っています。私は日常生活こそが人生だと思っています。多分、他の関係者も同様ではないかと推察しています。




在宅医療は人権侵害から少しだけですが縁遠い

2024-07-01 22:07:56 | 在宅医療
私は、医者になって5,6年経って,1人前になったかなと思えたころから在宅医療に関わるようになりました。以来30年以上、在宅医療に普通の開業医よりは強くかかわっていると思います。でも、ご存じの様に、釣りにもスキー旅行にも、山にキャンピングカーで遠征したりもして、在宅医療で生活を犠牲にしてはいません。何とか両立させようと努力しております。それには何よりも訪問看護ステーションの看護師の協力が圧倒的な力になってくれますし、それで足りない場合には、友人の在宅協力医の力を借りることもあります。日常生活を犠牲にして在宅医療に人生を捧げたいなどと言う思いは無くて、何とか好きなことを全部並立実現させていけないかなと思っております。滅私奉公なんて思いは微塵もありません。働いたら対価は欲しいと思っています。ケチではないと思ってはいますが・・・どうなのでしょうか

私は仕事も遊びも日常生活も大好きなので、好きなものすべてを並立させたいと思っているのです。だから、結構綱渡り的に忙しいことも多いですが、今のところ、人並み以上に毎日を楽しめていると思っています。そうそう、在宅医療も大好きなのですよ。

昨日、医療と人権について私見を述べてみたのですが、書いているうちに表現したいことが次々に出てきて、一旦アップした原稿を、昨夜も今日も何度も何度も(10回以上)是正更新しました。初めの頃に読まれた方、現在の記事を読み直していただいたら、随分内容が違うと思われると思います。色々意見を継ぎ足しもしたので、当初の1.5倍くらい長くなってもいます。

今夜は、昨夜ほど支離滅裂にはなりたくないので、出来るだけ簡素にしますね。言いたいことは、「私は、在宅医療が大好きです」「それは、多分ですが、在宅医療が人権を守りやすい医療だと感じているから。」です。

病室に鍵をかけることはできませんが、自宅だったら何重にも施錠可能です。端的に言えば、その違いです。 嫌なことを拒絶できる医療、逃げられる医療。私はそんな在宅医療を愛しています。分かるかなぁ???

表現を代えてみましょう。病院医療の主役は、医者ですよね。医療ドラマのほとんどで主役は医者です。でも、在宅医療の主役は、患者さん本人なのですよ。主役を取り戻すことのできる在宅医療。貴方の人生の主役は、何といってもあなた自身なのですから!!

貴方は、人生の主役を譲るつもりなのでしょうか?

在宅医療は、笑顔の医療です!笑顔のあなたが主役でしかありえないです!!

あーあ、今夜も当初アップした内容から5割ほど長くなってしまいました。訴えたいことが多いのですよ!お許しください!



患者さんの基本的人権について

2024-06-30 22:21:03 | 在宅医療
昨日、人生の最後を過ごす場所として、自分としては病院ではなく自宅を望みたいという希望を述べました。その際、入院は入獄に似ているなどという誤解を招きかねない過激な表現をしてしまいました。少しだけですが、反省しております。表現が下手ですね。

私、入院治療を否定する気は全く無いのです。ただ、自分としては、避けたいのです。入院したくないのです。団体生活になじまない私です。

手術や重症患者の急性期医療など、入院治療が必須の病態があることは、医師の端くれではありますので、十分に理解しているつもりです。信頼できる病院に患者さんの入院加療をお願いすることもしばしばあります。
でも、入院治療は、手厚い医療を施す代償として、患者さんの基本的人権を侵害することが多いのも確かなのです。だから、私は入院したくないのです。

表現が過激かもしれませんが・・・
他人の体を鋭利な刃物で切りつけたら・・・ナイフで通行人を切りつけたら、傷害罪に問われます。対象者が死に至った場合は傷害致死罪に問われます。

ですが・・・・・病院の手術室で同じ?行為を行っても(余程の事が無ければ)そんな罪には問われません。メスを渡した(オペ出しの)看護師も共犯(傷害罪の幇助犯 )に問われることはありません。

そんな事、当たり前と思われるでしょうが・・・一事が万事 なのですよ。
病院関係者は、入院患者さんは人権を侵害されることを当然と感じています。その感覚の鈍さには驚きあきれてしまいます。現在の日本の病院は、患者さんの人権に関する意識があまりに低い。ついこの間まで、抵抗する患者さんは簡単に拘束していました。胃癌のの患者さんに胃潰瘍です肺癌の患者さんに肺真菌症カビの一種ですなんて嘘を平気でついていました。「昭和の頃は、列車の中、バスの中、飛行機の機内で自由にタバコが吸えたんだよ」などと言う話の様に「令和の頃は、病院や施設の中で、人権が本当に軽視されていたんだよ」などと言う話が出きる世界が早く実現してほしいと思っています。
嫌煙権に関しては実現したのですから、より重要な人権蹂躙の皆無化が、実現しないわけがないと思っています。

私も医師ではありますので、医療を優先するためには、ある程度の人権侵害はやむを得ないとは思っています。ですが・・・現在の日本の病院では、患者さんの人権が余りに軽んじられていると感じます。そして同じように介護などの老人施設でも。そして多くの患者さん、入所者さん達が、それは致し方が無いとあきらめてもいます。それで、問題が表面化していません。私はそれが腹立たしくてならないのです。とてもとても、もどかしいです。

精神科病院では患者さんの人権が意識され始めているようです。しかし、それは、これまで余りにも患者さんの人権を踏みにじり続けて来た反動だと感じます。
日本弁護士連合会:精神障害のある人の尊厳の確立を求める決議 
2021.pdf (nichibenren.or.jp) 
精神科以外でも、少しはそのあたり意識してくれている病院もあるようですが、まだまだ少数です。

入院は入獄と類似しているなどと過激なことを口走ってしまうのは、もどかしい思いからなのです。病院側の人権意識、本当にレベル低いです。猛省を促したい私です!!



厚生労働省の調査によると、人生の最後を迎える場所の希望はやはり自宅が最多です。
しかし、思いと現実には大きな差があるようです。そして、その差はとても大きいのです。

私達は、いずれ・・・いつかは必ず死にます。
その死因は・・・・
現在では癌が最多ですね、心疾患、脳血管障害も結構多いです。これらの疾患には入院加療には適さない「病状が安定している」時期が結構長くあります。貴方の周囲にも但癌患者さんや脳梗後遺症、心臓悪いねん などと言いながら自宅で生活をつづけられている方、おられませんか?そんな方、入院しての積極的加療にはそぐわない状態なのです。ですが、健康ではありませんので、何らかの医療は必要です。このような場合に、在宅医療が大きな力を発揮します。そんな患者さんが確実に増え続けています。

在宅医療。今でもリソース不足なのですが、今後は今以上にが深刻化していきます。
年間の死亡者数は140万人以上が続きます。医師数は全国で34万人ほどですから、医師一人当たり年間4人程度の死者を診る計算になります。(正確には死亡診断書を作成できるのは、医師か歯科医師(10万人程度)なのですが、歯科医師が死亡診断書を作成することは稀です。そして死体検案書は医師しか作成できません。)(「自らの診療管理下にある患者が、生前に診療していた傷病に関連して死亡したと認める場合」には「死亡診断書」を、それ以外の場合には「死体検案書」を交付 します、)

私は、年間20枚程度死亡診断書、死体検案書を書いております。平均よりも少し多いですが、殺人罪に問われたことは当然ながら?ありません。おかしなことを言うやつだなぁと思われるかもしれませんが、「苦しそうだったら楽にしてね。お願い」などと、生前に頼まれる事結構あるのです。しばらく前に京都で、同じような願いを持ったALSの患者さんの願いをかなえてしまった医師2人が逮捕されましたよね。いずれ近いうちに死に至るであろう患者さんの苦痛をどのような方法で取り去るかに関して、悪意に満ち満ちた解釈をされてしまえば、私も殺人罪や殺人ほう助罪に問われる可能性がゼロだとは思わないです。このあたり言い出すととても面倒なことになるので別の機会に譲ります。

兎に角、私は、住み慣れた自宅で最期まで過ごしたいと思っています。ですが、急性疾患 心筋梗塞や脳卒中、肺炎などで死を迎えるのならば、病院死もやむを得ないなとも思っています。このあたりの微妙なニュアンス、理解していただけるとありがたいです。私、今後も在宅医療にかかわっていきたいとは思っていますが、マンパワーには限りがあります。そして私自身70歳を超えました。そろそろ引退したいとも思っています。そのあたり本当に微妙です。そこいらのの微妙さも合わせてご理解していただけたら本当にありがたいです!!


ワークライフバランスと信頼できる仲間

2024-05-02 01:00:48 | 在宅医療
2024GWも後半に入っちゃいましたね。とはいえ、明日5月2日(木)は平日ではあるのですが・・・・
我が奈良県田原本町の医療法人社団坂根医院は、年末年始、日曜祭日に加え、土曜午後、木曜日、第1,3,5週の火曜日が休みなのですよ。だから明日2日から7日まで6連休なのです。7日(水)休んだら8連休です。(休みませんが)
休みだらけですよね。でも、平成10年2月1日に開院以来、お盆には休みを取ったことないです。そしてそして、在宅患者さんに対しては365日24時間で対応しています。

年がら年中、近所の山に登ったり、キャンピングカー使って色々な場所に出没したり、半世紀以上上達しないスキーに飽きもせずに通い続けたり、和歌山や時には佐渡や石垣島にまで行って釣りに明け暮れたりと遊んでばっかり!と、思われているかもしれませんが・・・・結構ワークライフバランスに気を使っているのでございます。

遊んではいるけれど、仕事も何とかこなしております。その綱渡りを支えてくれているのが在宅医療仲間です。本当に信頼のおける仲間たちで、留守を安心して預けることが出来るのです。

「留守にはしますけれど、安心してください。留守中は信頼できる在宅仲間の医師に留守番を頼んでおきますので。」と言うと、患者さんは安心されるどころjか、やはり、「見も知らない医者なんて信頼できないよ!留守するなんてひどい!私はこんなに不安なのに!」と、目で訴えられます。でも、口では「行ってらっしゃい、早く帰ってきてくださいね」と、暖かい言葉で送り出してはいただけます。

留守中に患者さんが重症化された事、時にはお亡くなりになった方も何名かおられます。亡くなった患者さんは、全員悪性疾患末期の方で、延命治療拒否の方で積極的治療の対象ではありませんでした。医療として出来ることは患者さんの疼痛などの不快を除去すること。だから、不安感を与えてしまう「主治医留守」は、マイナスであることは確かなのですが、それで自分を犠牲にして自分がつぶれてしまう事の方が損失が大きいと判断したのです。

医療レベルとしては、お恥ずかしい話ではありますが、留守を任せた「留守番医師」たちの方が相当にレベル高いのですよね。でも、私には患者さんと共有してきた時間の長さと、医師ではない社会生活を(それも相当低レベルの)8年間してきたという「肥やし」があると思っていて、それが他のエリートコースを歩んできた医師に対して私が持っている優位性だと思っています。

それで、自分が居ないことは患者さんにとっては喪失ではあるとは思っているのですが、自分自身がつぶれてしまわないために、私には多くの休暇が必要なのです! こんな自己中心の発想を実現したいがために不安定な開業医になったのですから!!今後もわがまま 通し続けさせていただきます!!