風邪薬や胃腸薬など市販薬と効能の似た「OTC類似薬」の一部について、政府が2026年度から公的医療保険の適用外とする方向で調整していることが分かった。患者の負担に配慮しながら品目の選定を進め、対象品目を段階的に拡大することも視野に入れる。
上記の記事を、スパッと理解できる方おられるでしょうか?
まず「OTC類似薬」って何?ですよね。
まず「OTC類似薬」って何?ですよね。
その前の基礎知識、薬局やドラッグストアなどで処方箋なしで購入できる医薬品のことをOTC医薬品:(Over The Counterの略)と呼びます。
その、OTC医薬品(市販薬)と成分や効果が似ている医薬品のことをOTC類似薬と呼びます。
まだ、理解しにくいかもしれません。具体例を出すと、分かりやすいと思います。
胃薬として広く使われているガスター(ファモチジン)を例に考えてみましょう。
ガスターというのは、先発医薬品名です。現在第一三共ヘルスケアが販売元となっています。一般薬品名がファモチジンです。薬局でも医薬品でも、先発品とジェネリックが存在します。いずれでも、先発品名はガスター、ジェネリックはファモチジンで販売されています。医薬品、OTC共に先発品の値段が高くて、ジェネリックは安くなっています。今回、話を単純にするために、先発品のガスターに的を絞って話を進めます。
ガスターは医薬品として1985年から、ガスター10は、1997年から市販薬として販売されています。
医薬品のガスターには、10㎎錠、D10㎎錠、20㎎錠、D20㎎錠、2%散剤、10%散剤、注射薬があります。
ここで取り上げるのは、10㎎錠またはD10㎎錠です。
ガスター10㎎錠、ガスターD10㎎錠の薬価は12.1円です。
ガスターD10㎎錠の写真

一方、薬局で売っているのは、ガスター10

この市販品のガスター10、amazonで 12錠包装:¥1,028でした。1錠:¥85.7
医薬品の方が圧倒的に安いですよね。その上、医薬品の場合、医療保険を利用することが出来ますので、12錠の値段は12.1×12×保険の負担率となります。
12錠 3割負担なら、¥43 1割負担なら ¥14
1錠なら、3割負担:¥4 1割負担:¥1(少数以下は切り捨てなので) 同じ薬の値段と思えないですよね!薬代だけを比べたらとんでもなく医薬品がお得です。
ただ、初診料、処方料など色々取られますので、例えば院内処方で3割負担の方にガスター(D)10㎎錠を1日1錠12日処方したとすると、本人負担は¥1,120でした。amazonで買い求めるのと似た値段になりますね。多分、そうするような「チカラ」が働いているのでしょうね。
もし、ガスター10㎎錠が保険適応外になるとすると、概算ですが先ほど¥1,120であった負担額が¥1,210と、90円高くなります。ガスターの薬価が安いのと、処方日数を短く設定したことで差が少なくなってしまいました。
同じく3割負担の方に1日2錠で30日処方したとすると、初診の場合、現在では¥1,270 保険適応外になると¥1,690 と、420円の差となりました。
1割負担の方に同じく1日2錠30日処方したとすると、初診の場合、現在では¥420の負担、保険適応外になると¥960と、540円の差となり、負担金は現在の倍以上になります。(費用はすべて概算です)現在支払額の少ない方の影響が大きくなるようです。(生活保護は別です)
保険適応外になりることが予想されている薬は、ガスター10㎎以外にも
抗アレルギー薬、湿布薬、消炎鎮痛剤など多岐にわたります。
社会保障費や社会保険費用の軽減と言うプラス面もありますが、マイナス面も大きいと思われます。さて、あなたはどう思われますか?

Across The Universe (Remastered 2009)