命のカウントダウン2(健康余命844日)

以前のブログ「命のカウントダウン」にユーザーとしてアクセス不能。今しばし、こちらに引越します。以前のブログも見てね!

上下消化管検査3日前

2024-09-23 19:44:10 | 医療
今度の木曜日に上下消化管検査を受けます。
王子にあるまつおかクリニックで意識下鎮静法 での検査です。
鎮静下で検査を受けるので、ぼうっとしている間に胃カメラと大腸ファイバー検査の両方が終わっています。
3日前の今日から食事制限があります。

  • 食物繊維を多く含むもの、脂肪分の多いものを控える。食物繊維を多く含むものには野菜、豆、きのこ類、海藻、こんにゃく、ごま、ナッツなどがあります。脂肪分の多いものには、脂肪が多い部位の肉、加工肉(ソーセージ、ベーコン)、鶏皮、油料理などがあります。
  • 消化の悪いラーメンやパスタ、加工品(ソーセージ、ハム)、玄米の摂取を控える。
当日の流れはこんな風です。
⑥からは朦朧としています。ぼうっとしている間に上部消化管検査(胃カメラ)下部消化管検査(大腸ファイバー)の両方を施行していただきます。

食道:約25センチ、胃:20~30センチ、小腸:約6~8メートル、 大腸:約1.5~2メートル。口から肛門まで9m前後、そのうちの上部(食道、胃、十二指腸)と下部(大腸)を検査してもらいます。間にある小腸は検査していただきません。小腸の検査って受けたことのある方非常に少ないと思います。小腸がんは数が少なく稀少がんに分類されています。

消化管は、一見すると身体の中にあるように見えますが、解剖学的には身体の外です。消化管の内側は、外気に触れることのできる内なる体表だというわけです。その内なる体表を綺麗にするための食事制限です。
木曜朝まで食事制限続きます。長いですねぇ!

まつおか医院で使用中の富士フィルムの最新ファイバーシステムです。


繊毛が回らないと、右も左も分からない

2024-09-04 23:55:55 | 医療
繊毛が回らないと右も左も分からなくなる?なんのこっちゃですよね。
それを今から説明します。

繊毛は、気管、脳、卵管、精子などに存在します。
龍角散のCMで有名ですよね、繊毛。

繊毛は、細胞表面から突き出した毛状の細胞小器官で、波打つ運動をすることで、さまざまな働きを担っています。

気管では、呼吸によって吸い込まれた空気中の異物を肺まで届かないように守る役割を担っています。また、脳では脳髄液の循環、卵管では受精、精子では泳ぐための働きを担っています。
そんな繊毛ですが、受精卵が細胞分裂していく時にも重要な役割を担っていることが分かってきました。
繊毛の回転が作り出す水流が身体の左右軸を決定する役割を担っており、繊毛の運動が不十分になると左右軸の決定が乱れ、臓器の左右配置が乱れて内臓逆位症が発生します。

これが、最初に述べた、繊毛が回らないと右も左も分からない であります。

本日、完全内臓逆転症の患者さんが来院されたのですが、病名は
線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群を含む。)(指定難病340)のカルタゲナー症候群です。

完全内臓逆位の方は2万数千人に一人らしいです。しかし、この患者さんの疾患は、繊毛の機能不全が主体で、内臓逆位は珍しいですが、病気ではありません。

カルタゲナー症候群の主な症状には、慢性鼻副鼻腔炎、気管支拡張症、長引く咳と痰などがあります。呼吸器感染を繰り返して呼吸不全に至ることもあります。これらは繊毛の機能不全に基づくものであって、内臓逆位とは無関係です。

線毛機能不全症候群、今年4月から指定難病に加えられたのだそうです。知りませんでした。私、この方の病名をカルタゲナー症候群としております。それ、間違いないと思うのですが、難病申請には、確定診断が必要であり、それには「運動線毛の電子顕微鏡検査、線毛に関連する遺伝学的検査、鼻腔一酸化窒素産生量測定」などが必要なのだそうです。奈良県にそんなことが出来る病院あるのでしょうか?また、仕事が増えちゃいました。

それにしても、人間の体って面白いですね!!受精した細胞の毛の回転で水流が起こり、その流れの向きで内臓の配置が決まるなんて!!


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磯城郡休日診療所の当番でした。

2024-08-18 23:46:30 | 医療
今日は、磯城郡休日診療所で当番をこなしてきました。
新型コロナ陽性患者、8名診断しました。
規定では、1日5人で良いのだそうです。陰性含めてね!!
陰性含めたら、9名か10名診ました。
磯城郡休日診療所、やる気のない気分の悪い診療所として名が通ってしまっているようです。何でなのかなぁ。
https://www.google.com/search?q=%E7%A3%AF%E5%9F%8E%E9%83%A1+%E4%BC%91%E6%97%A5%E8%A8%BA%E7%99%82%E6%89%80&oq=%E7%A3%AF%E5%9F%8E%E9%83%A1%E3%80%80%E4%BC%91%E6%97%A5%E8%A8%BA%E7%99%82%E6%89%80&gs_lcrp=EgZjaHJvbWUyBggAEEUYOTIKCAEQABiABBiiBDIKCAIQABiABBiiBDIKCAMQABiiBBiJBTIKCAQQABiABBiiBNIBCjEyMDk3ajBqMTWoAgCwAgA&sourceid=chrome&ie=UTF-8#lrd=0x600131884c3bee79:0x50554734fc5642ba,1,,,,
私は、いつも真面目に対応しているつもりなのだけれど・・・
まあ、まじめに仕事をしても、すべてを断っても、報酬は同じなので、やる気のない人が多くなってしまうのかもしれませんね。でも、それでは満足感も達成感もその時間を生きている意義すら感じられないと思うのですが、違うのでしょうか?

私は、何年も前から、存在価値が無いのなら、潰すべきだと思っていて、そう言い続けています。やる気のない医師や職員がパラサイトしているだけの診療所なんて、ある方が迷惑です。税金の無駄使いです。

やる気を奮い立たせるようなシステムに変えるか、統合廃絶するか、はっきりすればいいのになと思っております。

平均寿命と健康余命と患者さんの人権

2024-07-06 22:33:45 | 医療
平均寿命とは「0歳における平均余命」のことで、2019(令和元)年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳です。一方、健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことをいい、2019(令和元)年の健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳となっています
男性の健康寿命をもとに、命のカウントダウンの日数掲載しています。
 
私、1954年5月生まれの70歳男性です。
厚生労働省の「主な年齢の平均余命」によりますと、平成22年で残り15.08年なのだそうです。平成21年だと残り15.10年だったので、1年で0,02年ほぼ1週間ほど短縮しちゃったのですね。
平均余命が短くなったというと、悪い事の様に思えますが、そうとは限らないです。日本人の平均寿命は男女ともに世界有数に長いですが、「延命が過ぎる」とも言われています。「無用な延命」の結果での寿命の延伸はほんと、無駄です。税金の無駄遣いでもあり、人権蹂躙に当たるとも思えます。

私、昭和の終わりに医師免許を得たのですが、その頃の大学病院では、がん末期の患者さんが息を引き取られる際ほぼ全員に延命処置を施していました。がん末期で静かに息を引き取ろうとしている患者さんに、人工呼吸やボスミン(強心剤)の心臓への直接注射をすることが、半ば儀式化していました。

とても印象深かった症例。吉野の田舎の本当に人の良い老夫婦。ご主人が肺癌、手術を受けられたのですが、数年後に再発。通院治療から入院治療へと移行、3か月ほどの入院加療の後、万策尽きて亡くなりました。

当時の事ですので、心停止と同時に主治医と新米医者全員集合!!心肺蘇生を開始、人工呼吸施行の上、カテラン針という長ーい針で心臓に直接ボスミン(強心剤)を主治医が注射、なんだかんだ30分ほど格闘しましたが、筋書き通り亡くなりました。

そのあとで、おばあさんが当時私の上司であった主治医に言った言葉が未だに耳に残っています。

「先生、本当にありがとうございました。信頼する先生に最後にはトドメまで打っていただいて・・・・主人は思い残すことなく旅立って行きました。本当に最後まで・・ありがとうございました。」

「あの、いや、私、トドメを打ったわけではないです。蘇生しようとしたのですよ。」

「分かっております。分かっております。先生には本当に最後までお世話になって、トドメまで・・・」

と言うような会話でした。

時代は移ろい、現在ではがん末期の方の最後に居合わせても医療行為は見合わせることが多いです。苦痛があればそれを除去する努力はしますが、延命には注力しません。

上記のような経緯で平均寿命が短縮したとしたら、それは悪い事ではないでしょ?

問題は、平均寿命と、健康寿命の差すなわち、何らかの介護が必要な年数です。
男性8.73年、女性、12.06年 この年数を短縮するには、健康寿命の延伸、平均寿命の短縮の2つしか選択肢が無いのです。
平均寿命の短縮が目標なんて厚労省では口が裂けても言えませんから、健康寿命の延伸をいろいろなプランで推し進めてはいます。

でも、西欧の医療を見習えというのなら、口から食べられなくなったなら、枯れるような死に向けて苦痛除去の保存的治療に留まるべきなのです。食べられなくなった方に胃婁だの点滴だのしている現在の日本の医療は、20年後には笑い話になっていると思います。20年前には列車、バス、飛行機の中で、自由にタバコが吸えたのだよ という話のようにね!!

私個人としては、西欧の医療に比べて日本の医療が決して後れを取っていると思っていないので・・・西欧の医療を見習う気なんてかけらもないです。ですが、日本の現在の医療は患者さんの人権を軽視し過ぎています。本人が望んでもいないのに延命医療を勝手に開始して、「これをやめたら死んでしまいますけど良いのすか?」などと家族を脅して治療を継続する。これ、本当に人権軽視だと思います。

この点は改善するべきです。その意味だけであれば、欧米の医療を見習ってもいいとは思います。でも、その点以外は殆どの点で、日本の医療の方が、平均レベルでは西欧各国よりも上だと感じています。国民皆保険の保険制度も世界に類を見ない成功例で、世界が真似をしたいと思っています。何でもかんでも、自国を貶める論理を展開するおバカ左翼には辟易です。私は愛国者です。でも、右翼ではないのですけどね。私は、日本国の伝統文化を愛するごく普通の日本国民だと思っています。

日本の医療レベルが高いことを実証したのが、新型インフルエンザ、新型コロナなどの新興感染症に対する死亡率です。いずれも世界最低レベルです。これで、日本の医療は世界最高レベルにあることが証明されたと私は思っています。

端折って言ってしまうと、日本の医療は延命に重きを置きすぎて患者さんの人権を軽視してきてしまったのです。延命の技術は世界一かもしれないけれど、患者さんの人権を軽視した医療なんて不要ですよね。そのあたりの是正が必要なのです。

今後の日本の医療の課題は、患者さんの人権を大切にすること、そしてそのためにも在宅医療を普通に誰でも受けることのできる医療の一分野にまで普及させること
その2つが喫緊の日本の医療のテーマだと強く思っています。

今夜も、平均寿命と健康寿命の話から、患者さんの人権にまで話はぶっ飛んでしまいました。もう少しまとめるよう、次からは努力したいと・・・思ってはおります。


在宅死問題

2024-06-29 21:05:16 | 医療
今日は土曜日なので、午前中で仕事終了、でも、在宅の仕事がありまして、午後2時前まで仕事しておりました。

突発性間質性肺炎の患者さんのステロイドパルス療法を在宅で施行しておりました。メチルプレドニン1000㎎/dayの点滴3日目でした。

突発性間質性肺炎の急性増悪は手強いです。やはり、ステロイドだけでは効果が薄い様です。次週からは免疫抑制剤の併用も考慮する必要がありそうです。しかし、そんな先鋭的な治療を在宅でしてもいいのかどうか、迷ってはおります。でも、患者さんは・・・入院が大嫌いなのですよね。入院治療を幾ら勧めても、頑として受け入れてもらえないです。

私自身、病気になったと考えた時に、入院加療は避けたいので、出来るだけ在宅で治療したいと思っています。ですから、分かるのですよ。

彼に入院治療を大嫌いにさせた病院の対応に問題があったとは思います。そして患者さんの性格。他人の支配する空間で生活することに耐えられないのです。それって私と同じ種族の人間ですね。私も入院などという奴隷生活は絶対にしたくない種族です。入院と懲役、私には同じに映ります。それが分からない人が不思議であります。

私は病気になったら、私自身に在宅治療に当たった欲しいですが、それ、不可能ですから、友人の医師に委ねようとは思っております。でも、可能な限り、自分で指令を出し続けると思います。!!

入院が嫌いな患者さん、複数の大病院の対応に問題があったことは確かだと思うのですが、今更そんなことを言ってもどうしようもないです。でもね、大病院に勤務している医師は、大病院の金看板を背負っていることを十二分に意識していただきたいです。病院辞めて独立したら、看板亡くしたただの医者なのですよ。

入院治療も出来ないし、自分だけでは24時間のうちの8時間も対応することも困難になるのです。訪問看護師と言う強い味方がいて、その協力を仰げば、何とか24時間の対応が可能となりますが、そうはいっても一人で出来ることは本当に少ないです。病院医師はそのあたりを全く分かっていません。金看板の下でスーパーマンになった様に思い込んでいます。おだてあげられて凧みたいに舞い上がったお馬鹿であることを全く理解していません。

たまーにそれを理解してくれている病院医 天理よろづ病院の久須美先生のような神の様に理解力のある医師もおられますが・・・・極めて極めて稀な存在です

在宅での24時間対応には、在宅訪問看護師、訪問ヘルパーなどとの連携が必須です。病院医師はそれが分かっていない、理解できていない方が殆どです。それは、病院医師が医療連携を理解出来ない医療教育システムの元に教育されているからだと私は理解しています。紹介状で馬鹿野郎と思う医師でも、一人一人とゆっくり話してみれば、わかっていただけることが多いです。事態は少しづつ改善されては来ていますが、悲しいかな、まだまだ在宅医療は理解されていません。

今後、家で最期まで過ごしたいと思う超高齢者が増え続けます。これを読んでくださっているあなた自身がそうなる可能性大です。
貴方は病院のベッドで死にたいですか?
それとも、死に至るまで、出来るだけ自宅で普段通りに生活し続けたいですか?

死に直面した高齢者が増加し、年間死者が140万人以上という時代が続く今後です。
家で、畳の上で死にたい 日常生活の延長線上で命を終えたいと考える方、とてもとても多いです。出来れば病院のベッドで死にたいなんて思っている方、私知らないです。貴方は、どうなのでしょうか?


生活の延長上で、畳の上で死にたいと思っておられるのなら、最後まで診てくれる医師を探してその先生に主治医を替えることをお勧めします。在宅死まで見届けてくれる医師は少数派です。

家で死にたいのであれば、自宅で死ぬことを見届けてくれますか?と、念を押して確認しましょうね1!
医者がそんなこと言うか!と怒られることも多いのですが・・・ヒトの死亡率は100%です。誰も死を避けられません。どう転んでも死亡率は100%なのです。

誰も必ず死にます。場所として、病院で死にたいですか?日常生活の延長上で死にたいですか???? 必ず来る問題です。深ーく考えてくださいね!!!