長嶋茂雄さんが亡くなられました。89歳、死因は肺炎。誤嚥性肺炎ではないかと思われます。そして、誤嚥の原因は、04年に発症された脳梗塞:発作性心房細動による心源性脳塞栓症でしょう。
即ち、発作性心房細動が長嶋茂雄さんの命を奪ったのです!!
脳梗塞は、原因となる血管の詰まり方によって、大きく3つのタイプに分類されます。
1,ラクナ梗塞、2,アテローム血栓性脳梗塞、3,心原性脳塞栓症
1.ラクナ梗塞:
・脳の細い血管が詰まることで発症します。
- 高血圧が原因となることが多いとされています。
- 症状が軽度で、無症状の場合も多く、脳血管性認知症やパーキンソン病の原因となることがあります。
2. アテローム血栓性脳梗塞:
- 動脈硬化が原因で、脳の血管が狭窄または閉塞し、血栓が形成されることで発症します。
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病がリスクを高めます。
3. 心原性脳塞栓症:
- 心臓でできた血栓が脳の血管に流れ、詰まることで起こる脳梗塞です。
- 心房細動などの心臓の不整脈が原因となることが多い。
- 血管近位部で閉塞することも多く、症状も重篤です。梗塞巣が大きい場合には脳ヘルニア回避のために開頭減圧手術を考慮します。再発を予防するため抗凝固薬を開始します。
脳梗塞の中で、心房細動を原因とする心原生脳塞栓症が一番質が悪いと言う事であります。
心房細動(しんぼうさいどう)を経験した有名人には、長嶋茂雄さん(元プロ野球監督)、高田延彦さん(元格闘家)、益子直美さん(元バレーボール日本代表)、三浦雄一郎さん(冒険家)、イビチャ・オシム;元サッカー日本代表監督
、小渕恵三;元首相、田中角栄;元首相、橋本龍太郎;元首相、サッチャー;元イギリス首相などがおられます。この方達の現況、はっきりと2分類出来ちゃいますよね。元気な方、そうではない方。
長嶋茂雄さん(元プロ野球監督)、イビチャ・オシム;元サッカー日本代表監督、小渕恵三;元首相、田中角栄元首相、橋本龍太郎;元首相、サッチャー;元イギリス首相は、心房細動を原因とする心原性脳塞栓症を経験されてしまった方です。その方々は、亡くなるか、重い障害を持つか、どちらかになっています。
しかし、それを経験されていない高田延彦さん(元格闘家)、益子直美さん(元バレーボール日本代表)、三浦雄一郎さん(冒険家)は、心房細動を持っているにも関わらず、従前通りの活動を継続されています。
心房細動とは、心房が細かく震えて、血液がよどみ、血栓が形成されやすくなる不整脈です。この血栓が脳に運ばれて血管を塞ぎ、脳梗塞を引き起こすことがあります。脳梗塞発作をひき起こさないために、血が固まりにくくなる薬を飲んでいれば、脳塞栓症は予防できます。カテーテル手術で、心房細動を抑え込むことも可能です。
しかし、長嶋茂雄氏は、定期的な健康診断でも心房細動は見つからず、高血圧などの既往歴もありませんでした。それにもかかわらず、心房細動が原因で重症脳梗塞を発症しました。心房細動は、高齢者や高血圧、糖尿病などを合併している人に多く見られますが、長嶋茂雄氏のように、心房細動の危険因子がなくても発症することもあります。そして、高齢になると発症率が上がる病気です。

心不全、心房細動、高齢化社会になって増加の一途。今後も増え続けると予想されています。重症脳梗塞に繋がる心房細動を原因とする心原性脳塞栓症
を回避するため、不整脈には気をつけましょう。


まとめ
1,脈の乱れは重大な脳梗塞に繋がる恐れがある。
2,生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病、痛風)などがあると、脳梗塞になり易く、心房細動にもなり易い
3,とはいえ、心房細動の最大の原因は・・・・加齢です
4,寝たきり10年、を避けたければ、年に一回は健診を受けましょう。
5,健診で要精査と言われたら、きちんと精密検査を受けて病態に応じた治療を受けましょう。それがあなたの健康な将来に繋がります。
脈とりで寝たきり予防