小学校4年か5年だったと思う。
4つ上の姉の家庭教師だった小田さん。
私は直接教えてもらった事は無いのだけれど、休日に遊びに連れて行ってもらったりしてよく遊んでいただきました。
小田さんは、京大生で、当時の私には賢い人の代表的存在でした。存在自体に知的なオーラが溢れていて、私は強いあこがれを抱いていました。
「俊ちゃん、割り算って何だと思う」
「えっつ?」
その方が、なんでこんな初歩的な事を聞いてくるのだろうと感じました。
「えっとね、割られる数を割る数に分ける事。」
それも一つの答えだね。でも、もう一つ答えがあるんだ。
「えっつ?・・・・全然分からない。」
「それはね。割る数を新しい「1」として割られる数を数えなおすってこと。」
「??????」
「例えば、8÷2=4だよね。」
「そこは了解」
8を二つに分けると・・・

もう一つの考えで、 2を新たな「1」として8を数えなおすと、8は4に化ける!

最初、キツネにつままれた気分だった私、暫く色々と考え込んだ後で目線を上げると、今まで知らなかった世界が見えてきた気がしたのです。
この考え、包含除という考えなのだそうです。
そうかぁ、割り算は、新たな「1」の創造なんだ!!
例えば、広さを強調したいときによく言う「東京ドーム何個分の広さです」は


46,755㎡を新たな1としているのですね。
1,000平方メートルの土地は1000÷3.30579=302.5
3.30579平方メートル=1坪を新たな1とすると302.5 すなわち302.5坪となります。
1エーカーは4046.86平方メートルなので、それを新たな1とすると、1000÷4046.86=0.247105 すなわち、1000平方メートル=302.5坪=0.247.105エーカーなのであります。
住んでいる人の数を単位面積で割ると、人口密度になります。
1平方キロを1として人口を数え直したら、人口密度になるというわけです。

人は結構偏って住んでいるのですね。東京の中心部などでは人口密度2万人/平方キロメートルだそうですが、日本で一番人口密度の低い自治体は福島県の尾瀬の北側の登山口にある福島県檜枝岐村 で、1平方キロメートルに僅か1.26人しか住んでいないそうです。

2位は、我が奈良県の上北山村です。
私たち夫婦が良く行く大台ケ原を有しています。そういえば、大台ケ原ドライブウェイの途上、鹿やキツネなどに遭遇することは良くありますが、地元民にあうことは皆無です。


質量を体積で割ると、密度になります。これも1立方センチ当たりという新たな1の創造なのですね。
釣りの錘には鉛を使うことが多いです。ですが、タイラバなどでは高価なタングステンの錘を使うことも多いです。鉛の密度は約11.34 g/cm³、タングステンは約19.3 g/cm³です。タングステンは鉛よりも密度が高く、約1.7倍重いです。
鉛、タングステン それぞれの100gの体積は、8.82立方センチメートル、5.18立方センチメートルになります。これ、空中での話です。
水中では浮力が働くので上記の鉛の錘の水中での重さは100-8.82=91.18(g)
タングステンの錘は100-5.18=94.82(g)と、タングステンの方が小さくて水の抵抗が少ない、そしてしっかり沈む錘になるのであります。
鯛に鉛とタングステンの違いが判るとは思えませんが、同じ状況では、タングステンの錘の方が確実に釣果は上がります。そうは言っても、海底にひっかけて失くしてしまうと、財布には大きな負担ですけどね。
もう一つだけ
車の話です。私、現在トヨタのビッツ(現ヤリス)に乗っているのですが、燃費は11km/L程度です。

6年前まではルノー・トゥインゴ・ゴルディーニRS という派手な車に乗っていました。

こ奴の燃費、11L/100㎞程度でした。
日本の車は、ガソリン1Lで何㎞走るかを燃費の指標としているのですが、おフランスでは、100㎞走るのに何リッターのガソリンを要するかが燃費の指標なのです。何を1とするか?日本車は燃料1Lを1としているのに対し、フランスでは、100km の距離を1と考えるのですねぇ。所変わればですね!!
相当脱線しましたが、昔々、私は割り算の考え方、捉え方で目からうろこが落ちた思いがしたというお話でした。
Maki Asakawa 浅川マキ 「 かもめ(歌詞付) 」