前回のブログでオルタネーターの電圧を上げる方法をブログで紹介した。
今日はこれをもう少し詳しく説明。
まずはオルタネーターの動作から。
これはオルタネーターの構造を分かりやすくしたものだが、外側のコイル(ステーター)は固定されていて、内側のローターは電磁石になっている。
コイルの中を電磁石が高速で回転すると外側のコイルの両端に電気が発生する。
内側ローターの電流量を変えれば電磁石の強さが変わるので、外側コイルに発生する発電量をコントロールできる。
ローターの磁力が弱いと発電量も小さく、反対に磁力が強いと発電量も大きくなる。
ただし出てくる電気は交流なのでダイオードで整流して直流にする。
そのローターの電磁石の強度はICレギュレーターがメインバッテリーの電圧によってコントロールしている。
画像はネットから借用
今回は簡単にするために整流用のダイオードを使うが、電圧を可変できるものなら何でも可。
オルタネーターのICレギュレーターのS端子に入るバッテリー電圧が下がると充電するために発電量が上がる。
それを逆手に取って、メインバッテリーが充電不足の状態にあるように、途中にダイオードを入れてオルタネーターだまして働かせる。
今回は実験のために3個のダイオードを直列にしてバッテリー電圧よりも最高0.8~0.9V程度低くできるようにした。
ダイオードの性質
ダイオードは一方向しか電気は流れないが、流れるときに電圧ロスが発生し、0.3~0.6Vくらい下がる。
これを順方向電圧というが、ダイオードの種類や流れる電流や温度によって変わる。
ソーラーパネルで使用するショットキーバリアダイオードは損失が少ないのでこれに使うのは今一。
1本が10~20円程度の整流用の安いダイオードが向いている。
片方に直流の 13V を加えて反対側の電圧を測定する。
これは部品箱にあった整流用のダイオードで詳細不明。
このダイオードの順方向電圧(電圧ロス)は実測で 0.287 V である。
これが2本直列にすると 0.574 V
3本 〃 0.861 V
このダイオードを入れることによりバッテリー電圧がダイオード分下がったことになる。
回路が仮に断線したらどうなるのかと不安だったが、断線するとサブバッテリーに流れる電流は5A程度となり、安全な方向に向かうので心配ない。
このダイオードは、オルタネーターの入力端子付近に取付けるのが簡単だと思ったが、
オルタネーターはエンジンの下側に付いているので作業が大変。
ICレギュレーターにつながる配線は、途中にヒューズがあるのでこれを利用する。
そのヒューズの場所は助手席の前にあるのではなくて、助手席の下側にある。
このヒューズボックスは助手席の裏側で車の下に潜らないと見えない。
エンジンの左横に黒いBOXがあって、フックを3か所外すとカバーは撤去できる。
赤い印がオルタネーターに行くヒューズで10Aがささっている。
10Aのヒューズを抜いて、作った配線を差し込む。
保護用のヒューズを取って端子としたので必ず ヒューズ + ダイオード を入れる。
余談だが、走行充電器を取付けたらバッテリーの電圧が下がる場合はこのヒューズが飛んでいるかも。
電気はヒューズ端子の下側から上側に流れるのでダイオードの向きには注意。
向きを間違えると全く電気が流れない。
実験なので配線はワニ口クリップで挟んでいるだけ。
充電電流のテスト
メインバッテリーとサブバッテリーを切り離した状態。
サブバッテリーから 1.7A 放電中。
実験は分かりやすいように400AhのLiFePO4を一セットだけ使用。
エンジンが温まった状態でメインバッテリーとサブバッテリーをつなぐ200AのリレーをONにする
400AhのLiFePOは残量が85% でこの時は5.5Aしか入らない。
これじゃあ使えないね。
この時のバッテリー端子電圧は 13.60V
今度はバッテリーからICレギュレーターの間にダイオードを1本入れた。(0.287 V)
すると充電電流は23.2Aに増加。
この時のバッテリー端子電圧は 13.95V
次にバッテリーからICレギュレーターの間にダイオードを2本入れた。(0.574 V)
すると充電電流は46.2Aに増加。
この時のバッテリー端子電圧は 14.26V
バッテリーからICレギュレーターの間にダイオードを3本入れた。(0.861 V)
すると充電電流は 64.4A に増加。
この時のバッテリー端子電圧は 14.52V
う~ん、ちょっと高いなあ。
ダイオードを3本(0.861 V)入れた。エンジンが冷えた状態で、スタート
はじめの充電電流は 86.1Aとかなり流れる。
このようにダイオードを入れて電圧を下げるだけで充電電流を大きくすることができる。
ダイオードを1本 (0.287 V) くらいであれば常時入れっ放しでも大丈夫かも。
しかしダイオードを2本(0.574 V) 以上入れっ放しするのはメインバッテリーが過充電になる可能性があるので、
充電するときだけダイオードを入れるようにスイッチやリレーを使ってコントロールすればいい。
これは回路的には簡単だが、やはりある程度は電気の知識が必要かと思う。
今回は簡単に行うためにダイオードを使ったが、回路に小さな電圧コントローラーを入れてもいい。
この改造はうちのカムロードのディーゼル (オルタネーター130A) で試したもの。
全ての車に対応できるとも思わないので、同じように行う場合は自己責任でお願いします。
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西宮の執務室から、おはようございます。
貧乏症なのか4時には目覚めますが、執務室に入るのは5時です・・・ベランダ野菜の水やりも日課。
「キュウリの雌花」が目立つようになりました。
マンション南側ベランダは概ね8mあるので、ソーラーパネルの発電スペースに3.2mでも5m近く余裕で「SUS物干し竿2本」が手摺内側に付いてます。
「何にも専務」が文句言わないように、「趣味と自益」の自給自足レイアウトです。今日は、NPOのイベントは、Coop神戸さん主催で150人の児童相手らしい。まさに「地域社会貢献」で彼女の生き甲斐。
何でこんなに詳しいんですか ?
「お主」は何もの ? 完全にプロフェッショナルだ。
オルタネーターの電流管理とか負荷試験なんて「整備士さん」のプロフェッショナルの領域かな ?
ディーゼル車で130Aなら、ガソリン車ならそれ以下ですね・・・エンジン回転数もポイントかな。
2,000~3,000rpmくらいで計測なのかな。
ガソリン車の通常のアイドリングならモニター画面には700~800rpmと表示するね。電圧の点検もカバー内の表示欄の中身まで・・・プロ仕様だな。
まぁ、ど素人の「まるは」には歯が立たない。
12~15Vの範囲内ならオルタネーターに異常なし
かな。。。と思う程度。素人はそんなもんですょ。
カムロードはディーゼルは130Aですが、ガソリン車は80Aです。
サブバッテリーの充電のことを考えるとやはり130Aくらいほしいですね。
今、LiTimeの100A miniのバッテリーを放電テスト中ですが、かなり優秀です。
ちかいうちにブログにアップするつもりです。
私は現在zil(ディーゼルエンジン)に乗っています
LiTime460A(リチウムイオンバッテリー)を購入して走行充電から40Aの急速充電器で充電しています。
(電気に関してはど素人です)
・走行充電→急速充電器(40A)
→litime460aバッテリー→ 3,500wインバーターと組み立ています→delta MAX2000へ
発電量が追いつかず、どうしても鉛サブバッテリーの電力まで消費してしまうので、1日何時間もアイドリングして発電しています
それでこちらのブログを読みました
↓こちらの作り方を教えていただきたいです
(ブログ等アップ予定なら拝見させてください)
(・充電するときだけダイオードを入れるようにスイッチやリレーを使ってコントロールすればいい。
これは回路的には簡単だが、やはりある程度は電気の知識が必要かと思う。
今回は簡単に行うためにダイオードを使ったが、回路に小さな電圧コントローラーを入れてもいい。)
ダイオードを3本入れて64〜86Aに充電能力を挙げてみようと考えています
今の状態でオルタネーターの電圧を上げるより、基本的には走行充電器を効率がいい60A程度にするほうがいいと思います。
例として言えば、
DCCシリーズ 走行充電器12V 50A MPPTチャージコントローラー内蔵
REGOシリーズ 走行充電器12V 60A BLUETOOTHモジュール内蔵(専用アンダーソンケーブル付き)
この記事はあくまで一つの方法ということで、走行充電器が付いてない車で試すのであれば価値はあります。
私の車は60Aの走行充電器を付けていますので、実験ではこのように試しましたが、取付ける予定もないので試作する計画もありません。
走行充電器を再度検討して、どうしてもということであればまたご相談下さい。
私の車はリチウム300ah、renogydc走行充電器50aに載せ替えてあります。最近、走行充電の電流量が思ったより上がらず、何とかならないかと色々試行錯誤しています。
具体的には、
・走行充電器のバッ直化(ウォルボックスと大きなリレーを撤去)
・走行充電器に冷却ファン取り付け
を行いましたが、エンジン始動直後は45Aほど充電するのですが、10分ほど走ると20~30a程度になり、アイドリング時には15a程度まで落ちてしまいます。メインバッテリーもまだ設置から2年程度ですし、ヒューズ切れ等もありません。
この暑さで電流量が落ち込むのは仕方ないのか、それとも他に確認、改善できうる箇所があるのか、うなぎさんの見解を教えていただけると幸いです。
走行充電器の冷却がきちんとされいるものと仮定します。
少し気になるのは、オルタネーターからバッテリーを経由して走行充電器までの配線の太さと接続がきちんとなされているのかが最も重要です。
接続部などが熱くなったりはしていませんか?
一度チェックした方がいいかもしれません。
最近の車は昔のように14V以上で充電しません。
オルタネーターの電圧を上げると、多少なりとも燃費が悪くなるので一般的な鉛バッテリーが満充電状態を保つ電圧で充電します。
鉛バッテリーは、その特性上気温が0度と低い時には15Vくらいまで上げて充電しても構いませんが、気温が30度と高い夏は14.0V程度と下がります。
バッテリーはエンジンルームや車の底部に付いて、温度の範囲は-20度以下から50度くらいまでとかなりの幅があります。
そんな極端な時でもバッテリーが劣化しない充電方法を取っています。
電流不足を感じるのは夏場で車のエアコンをつけてアイドリングした時などだと思いますが、エンジンが温まれば充電電圧は13.4~13.6V程度になります。
車にもよりますが、夏のこの状態では取れても40A程度だと思います。
アイドルを1000回転以上に踏み込めば電流も取れます。
アイドリングで走行充電器から15A程度とれると言うことであれば故障ではありません。
レノジーの50AMPPT走行充電器はオルタネーターの電圧が低いと、走行充電器からの電流も少なくなります。
もっと電流を取りたいということであれば、この記事に書いたようにダイオードを付加して電圧を少し上げてみてはいかがですか。
ヒューズボックスの撤去は、素人考えで多少充電効率が上がるかなと考えたことと、150wソーラーも載せてるので、走行充電器のメインバッテリー充電機能を使えるようにしたいと考えたことが理由です。ちなみにソーラーは、リレーを用いてエンジン稼働中はカットするようにしています。
冷却ファンは、12cm×2を走行充電器背面に、電装庫横に14cmファンもつけています。温度センサーリレーを介して、走行充電器のフィンが35℃以上になると自動で稼働するようにしてますので、冷却はしっかりできていると思います。
本当はソーラーをもっと載せるのが分かりやすく充電量が増えるのでしょうが、そこまでの資金がなく断念しております(泣)
この記事のダイオードの使い方や注意点をよく確認して、手を入れるかどうか検討したいと思います。
いきなりのコメントにもかかわらず丁寧にご回答いただき本当にありがとうございます。
最も重要な点を漏らしていました。すいません。
配線は22sqで元から回してあったので不足はないと思います。接続箇所についても、作業と併せて一通り締め直していますが、念の為もう一度確認したいと思います。
走行充電器も色々な種類があって電圧が低いと充電量を調整するものあれば、メインバッテリーからも吸い上げるタイプのものもあります。
メインバッテリーの端子電圧が見れるようにすると分かりやすいですよ。(ACCやシガレットの電圧では駄目で、メインバッテリーから専用ラインを引く)