象を語る

私が、幼い頃から、憶えている話なので、ほとんど、
趣旨しか憶えていません。
ご容赦下さい。

ある時、象を見た人たちが、その象について語った。

一人は、大きな岩のようだった。
一人は、いや、大蛇のような形だった。
一人は、山のようだった。
一人は、大きな布のようだった。
一人は、大きな化け物のような生き物だった。

口々に言った。
象を、まだ見ない人は、その話から、どんな形を想像したのだろう？

誰もが、真実を語っている。

　しかし、どれも、多角的には、表現されていない。

私は、現世で、いろいろな話を聞くが、どれが本当か、また、
それを繋ぎ合わせたら、真実が見えるかと、いつも、考えながら
話を聞いたり、見たりするよう、
心がけている。

　私は、一方向からのみ、物事を見るのではなく、
　　　多角的に、たまには、正反対からも、物事を見つめていきたい。
　　　そう、思っている。