納車翌日、早速妻実家までのロングドライブに出かけた。どちらかというと必要に迫られての移動であったため、クルマのことを気にかけている暇はなく、写真もあまり撮れなかった。会社勤めの常として、平日は夜遅いのでなかなかいい具合の光の中で写真を撮ることができない。第一、路上でピカピカの新車の写真を熱心に撮っている姿というのは相当に気恥ずかしく、1枚か2枚、さりげなくゲリラ的に撮っておくというのが小心者の私には限界である。
このサーブルという色、なかなかいい色なのだが、写真に撮るとなると難関である。おそらく、周囲のひらけたところで、光が強すぎない時に(例えば、曇りの日の早朝)何枚も固定カメラで撮って、後でベストショットを選びだすというのが定石なのだろう。しかし、それをやるには次の週末まで待たねばならない。ここらへんがサラリーマンブロガーの宿命であろう。
さて、初のロングドライブは、家族4人を乗せて朝100kmほど離れた目的地に移動し、夕方、同じルートを遡って帰ってくるというものであった。ルートの7割が高速で、帰りは最後の10kmほどヘッドライトを使う時間帯であった。
まだまだ解らないことは沢山あるが、その中でこのクルマについて幾つか気が付いた点を挙げる。
◆一般道
走り出してすぐ気付いたのは、このクルマは大変「静かである」ということ。数字的にもそうなのだと思うが、加速の仕方、揺れ方など全体の挙動がとにかくゆったりと落ち着いている。それでいて加速はスムーズで、かなりの勾配の上り坂でも涼しい顔で登ってゆく。このあたりはV6+6ATのマッチングによるところ大と思われる。ただしこの6ATのセッティングには少しクセがあり、1速がかなりローギアに設定されているため、踏み初めで期待値よりも少し加速が遅れるきらいがある。大げさにいうと「つんのめる」感じがする。40km以降の中間加速は十分すぎるほどの力感があるので、これは馴れ(加速の仕方&ATの設定)で解決する問題かもしれない。
ハンドルは軽くスムーズ。車庫入れでも拍子抜けするほど一定の操舵力でクルクル回る。故障さえしなければこれはこれで良い。高速ではしっかりと重くなる。セルフセンタリングはもちろん装備していないが、センター位置を無理矢理保持しているような感覚(現在、ハンドルの左右の振動が気になるので、これは要調整、固体差なのかもしれない)である。直進性は良く、車重の違いもあるが、横風の影響は旧C5・2Lに比べて殆ど気にならない。
◆高速域
後期型のXmと比べると、全てが軽い感じ。実はサイズ、車重は殆ど変わらないのだが。後席住人の意見では「身体に伝わる振動が少なく、静か。」だそうで、過去No1のXmよりも好評だった。(ちなみに後席住人の過去の乗り心地評価はXm>旧C5>前期Xan>後期Xanの順である。)
旧C5が過去のハイドロシトロエンと異なっていたのは後ろ足の固さだが、やはり今回のマイナーチェンジではリアサスのセッティングが明らかに柔らかくなっている。これが高速域の走りにどんな影響を及ぼすか、これは事前に興味を抱いていた点の一つだった。結論としてはやはりカーブでの過重移動が増えていた。初期の「グラッ」がはっきりと感じられるようになっていた。これは見方によっては、新C5に対する旧C5の優位点であると言えると思う。
新C5ではこのあたりが走っていての悩みどころで、<注意深く操舵/加減速してなるべくスムーズかつ早く走る>という選択肢と、<四つ足を固めて駆け抜ける>という選択肢が走行中にスイッチ一つで選べる(V6の場合)ため、同乗者がいる場合にはどちらがいいのか、高速で後席に座ったことがない私にはまだ良く判らないのである。妻がクルマに馴染んだら(いつのことやら・・)高速で後席に乗せてもらおうと思っている。・・まあ1人で乗る場合には、前者がハイドロシトロエンを楽しむという意味で王道であることは明らかである。
(つづく)

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