最前線の子育て論byはやし浩司(2)

子育て最前線で活躍する、お父さん、お母さんのためのBLOG

●濃い男

2009-12-20 09:41:27 | 日記
●「濃い男」

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「濃い男」「薄い男」という言い方は、
私が考えた。
もう20年以上も前のことである。
そのころ書いた本の中で、この言葉を
使った。

濃い男というのは、性的な意味で、
女性にしか興味を示さない男性をいう。
女性の肉体には強い関心をもつが、反対に
男性に手を触れられただけで、ぞっとする
ような嫌悪感を覚える。
つまり性的な意味で、男性にはまったく
興味を示さない男性をいう。

一方、薄い男というのは、性的な意味で、「女性
でもいいが、男性もいい」と考える男性をいう。
同性愛者は、そういう意味では、たいへん「薄い男性」
ということになる。

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●文化

 先日、テレビを見ていたら、この言葉を使った人がいた。
「ぼくは、濃い男ですから……」と。
驚いた。
もっともその人は、最近流行している、「草食系男性」「肉食系男性」という
意味にからめて、そう言った。
要するに性的な意味において、つまり女性に対して、より能動的、かつ攻撃的な
男性という意味で、そう言った。

 で、しばらくして、こう考えた。

 こうして断片的ではあるにせよ、無数の人たちの文化が、無数にまざりあって、
つぎの世代の文化を創りあげていく、と。
私も、その一部でしかない。

「草食系」「肉食系」という言葉にしても、今ではだれが使い始めたかさえわからない。
しかし言葉として、私たちの文化の中に、定着している。
私自身も、だれが使い始めた言葉かを知らないまま、その言葉を使っている。
同じように、「濃い男」「薄い男」という言葉にしても、今、ここで私が、「もともとは
私が使い始めた言葉だ」と叫んでも意味はない。
すでにこの言葉は、ひとり歩きしている。
しかも意味が、私が考えた意味とは、少しちがう意味で使われている。

●オリジナル

 こうして私がオリジナルで考え、そののち、広く一般に使われているのが、
たくさんある。

 時計のお絵かき歌というのもある。
「♪丸描いて、チョン、上、下、横、横……」という歌である。
その歌が、あるよう幼児教育雑誌に、紹介されていた。
楽譜も載っていたが、「似ている」という程度だった。
もともとの私の歌い方とはちがう。
が、その歌詞について、何と、「作者不詳」となっていたのには、やはり驚いた。

 ほかにも、「道づくりゲーム」がある。
正方形のカードに、(直線道路)(三叉路)(十字路)(曲がった道)が描いてあり、
それをつなげて遊ぶというものである。
このゲームは、私は20代のころ、学研の「幼児の学習」という発表した。
たいへん好評で、その1、2年後、同じ付録が復刻版で出た。
たしか当時、学研で、実用新案として申請、登録されたと思う。
(発案者には、権利はない。
申請者に、権利が残る。
発案者は、「はやし浩司」、申請者は、「学研」だったと思う。)

 そのあと、そのゲームは、「ヘビ・ゲーム」とか、「水道管ゲーム」に変形され、
市販化された。
が、今では、このゲームは、あちこちで無断で(?)、使われている。

 ほかにもある。

 東京の私立小学校で使われている入試問題の何割かが、私が考えたものである。
ウソだと思う人がいたら、「主婦と生活」(1975年11月号の巻末付録)を見て
ほしい。
ちょうど35年前である。
それを見た人は、こう思うだろう。
「私立小学校の入試問題と同じ」と。
(そのときの私のHPに、収録しておく。)
 
 それ以前に、どこかの小学校の入試に、似たような問題が使われていたとしたら、
私がまねて、雑誌に発表したことになる。
が、そういうことは、ない。

 ……ということで、いろいろ書きたいことはあるが、ここまで。
書けば、どうしてもグチになる。

●文化

 私だけではない。
いろいろな人が、いろいろな立場で、無数の文化を創りあげている。
それが積み重なって、また別の文化を創りあげていく。
そのときには、もう「私」はない。

 あのお絵描き歌にしても、「道作りゲーム」にしても、入試問題にしても、
はやし浩司の痕跡は、どこにもない。
考えてみれば、さみしく思わないわけではないが、その一方で、私は無数の人たちの、
これまた無数の文化を継承している。
「団塊の世代」という言葉にしても、もとは、ある評論家の考え出した言葉である。
そういう言葉を使いながら、それがだれの考えた言葉かは、いちいち考えない。
それが「文化」ということになる。
  
 大切なのは、そのときは意識しないかもしれないが、常に前向きに創りあげていく
ということ。
どんなことでもよい。
何でもよい。
その積極性が、人間の文化を進歩させる。

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Hiroshi Hayashi++++++++Dec.09+++++++++はやし浩司

●非行(再掲載)

2009-12-20 09:26:21 | 日記
●非行




【子どもを伸ばすコツ】




子どもを伸ばす最大のコツは、(子どもがしたいと思っていること)と、(子どもが現実にしている

こと)を、一致させてあげることです。とくに乳幼児期は、遊びを通して、それを実現します。




「ぼくは、これをしたい。だからこれをする」「私はこれをしたい。だからこれをする」と。




こうして(子どもの中の私)と、(現実の私)を一致させます。これをアイデンティティの確立とい

います。




こうしてその子どもは、自分の進むべき道を、自分でさがし求めるようになります。




ただ一つ、誤解してはいけないのは、(したいこと)は、そのつど、変化するということです。たと

えば、幼児のことは、「ケーキ屋さんになりたい」と言っていた子どもが、小学生になると、「パン

屋さんになりたい」「お花屋さんになりたい」などと言うようになるかもしれません。




しかしそのときでも、(自分がやりたいことに向って努力する)という、思考プロセスは、頭の中

に残ります。この思考プロセスこそが重要なのです。




中身は、そのつど、変わります。変わって当然なのです。




ここでは、「非行」をテーマに、この問題について考えてみます。子どもの非行というのは、子ど

も自身が、(やりたいこと)を見つけ出せなくなったとき、その代償的方法(あるいは自己防衛的

方法)として、始まります。




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●非行のメカニズム




 子どもの非行。その非行に子どもが走るメカニズムは、意外に単純なもの。言いかえると、

子どもを非行から防ぐ方法も、簡単。




【第一期・遊離】




 (したいこと)と、(していること)が、遊離し始める。「ぼくは、サッカーをしたい。しかし塾へ行

かなければならない」など。「私はケーキ屋さんになりたいのに、親は、勉強をして、いい大学

へ入れと言う」など。




 (~~したい)と思っていることと、(現実にしていること)が、遊離し始める。つまり子ども中

で、アイデンティティ(自我の同一性)が、混乱し始める。




 アイデンティティが、混乱し始めると、子どもの心理状態は、不安定になる。怒りっぽくなった

り(プラス型)、反対にふさぎやすくなったりする(マイナス型)。




 この状態を、「同一性の危機」という。




 この段階の状態に対して、抵抗力のある子どもと、そうでない子どもがいる。幼少期から、甘

やかされて育った子どもほど、当然、抵抗力がない。遊離したとたん、一気に、つぎの(同一性

の崩壊)へと進む。




一方、幼少期から、家事の手伝いなどを日常的にしてきた子どもほど、抵抗力が強い。子ども

の世界では、(いやなことをする力)を、「忍耐力」という。その忍耐力がある。




 アイデンティティが混乱したからといって、すぐ、つぎの第二期に進行するわけではない。個

人差は、当然、ある。




【第二期・崩壊】




 (したいこと)と(していること)が、大きくズレてくると、子どもは、まず、自分を支えようとする。

がんばる。努力する。が、やがて臨界点にさしかかる。子ども自身の力では、それを支えきれ

なくなる。




「野球の選手をめざして、もっとがんばりたいのに、毎日、勉強に追われて、それもできない」

「勉強はおもしろくない」「成績が悪く、つまらない」と。




 こうして同一性は、一気に、崩壊へと向う。子ども自身が、「自分は何をしたいのか」「何をす

べきなのか」、それがわからなくなる。




【第三期・混乱】




 アイデンティティが崩壊すると、精神状態は、きわめて不安定になる。ささいなことで、激怒し

たり、突発的に暴れたりする(プラス型)。




 反対に落ち込んだり、家の奥にひきこもったりする(マイナス型)。外界との接触を断つことに

よって、不愉快な気分になるのを避けようとする。このとき、無気力になり、ボーッとした表情

で、一日を過ごすようになることもある。




【第四期・非行】




 アイデンティティが崩壊すると、子どもは、主につぎの5つのパターンの中から、自分の道を

模索する。




(1)攻撃型

(2)同情型

(3)依存型

(4)服従型

(5)逃避型




 このうち、攻撃型が、いわゆる非行ということになる。独特の目つきで、肩をいからせて歩く。

独特の服装に、独特の暴言などなど。暴力行為、暴力事件に発展することも珍しくない。




 このタイプの子どもに、「そんなことをすれば、君は、みなに、嫌われるんだよ」と説いても意

味はない。このタイプの子どもは、非行を通して、(自分の顔)をつくろうとする。顔のない自分

よりは、嫌われても、顔のある自分のほうが、よいというわけである。




 アイデンティティそのものが、崩壊しているため、ふつうの、合理的な論理は通用しない。ささ

いなどうでもよいことに、異常なこだわりを見せたりする。あるいは、それにこだわる。自己管

理能力も低下するため、自分をコントロールできなくなる。




 以上が、非行のメカニズムということになる。




 では、子どもを非行から守るためには、どうすればよいか。もうその答はおわかりかと思う。




 つねに(子どものしたいこと)と、(子どもがしていること)を、一致させるようにする。あるいは

その接点だけは、切らないようにする。




 仮に受験勉強をさせるにしても、「成績がさがったから、サッカーはダメ」式の乱暴な、指導は

しない。受験勉強をしながらも、サッカーはサッカーとして、別に楽しめるワクを用意する。




 言うまでもなく、(自分のしたいこと)と、(していること)が一致している子どもは、精神的に、き

わめて安定している。どっしりしている。方向性がしっかりしているから、夢や希望も、もちやす

い。もちろん、目的もしっかりしている。




 また方向性がしっかりしているから、誘惑にも強い。悪の世界からの誘惑があっても、それを

はねかえすことができる。自己管理能力もしっかりいているから、してよいことと、悪いことの判

断も的確にできる。

(2)

2009-12-20 09:25:58 | 日記





 だから……。




 今までにも何度も書いてきたが、子どもが、「パン屋さんになりたい」と言ったら、「そうね、す

てきね」「こんど、いっしょにパンを焼いてみましょう」などと、答えてやる。そういう子どもの夢や

希望には、ていねいに耳を傾けてやる。そういう思いやりが、結局は、自分の子どもを非行か

ら守る最善の方法ということになる。

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のメカニズム)






●スチューデント・アパシー




 無気力、無表情、無感動の状態を総称して、「アパシー」という。そのアパシーが、若者を中

心に、部分的に現れることがある。とくに、男子学生に多い。それを、「スチューデント・アパシ

ー」(ウォルターズ)という。




 このスチューデント・アパシーが、燃えつき症候群や、荷おろし症候群とちがう点は、ここにも

書いたように、学業なら学業だけというように、アパシーになる部分が、かぎられているという

点。学業面では、無気力でも、アルバイトや、交友、遊びは、人一倍、活発にする。




 が、大学の講義室に入ったとたん、別人のように、無気力状態になる。反応もなく、ただぼん

やりとしているだけ。眠ってしまうこともある。




 こうした症状も、(本人がやりたいこと)と、(現実にしていること)のギャップが、大きいことが

原因でそうなると考えると、わかりやすい。「大学へは入ってみたが……」という状態である。と

くに、目標もなく、ただ点数をあげるためだけの受験勉強をしてきたような子どもに、多く見られ

る。




 このタイプの学生は、まず本人自身が、何をしたいかを正確に知らなければならない。しかし

たいていのケースでは、それを知るという気力そのものすら、消えていることが多い。




 「君は、本当は、何をしたいのか?」

 「わからない」

 「でも、君にも、何か、やりたいことがあるだろ?」

 「ない……」

 「でも、今のままでいいとは、君だって、思っていないだろ?」

 「……」と。




 こうした症状は、早い子どもで、小学校の高学年児でも、見られるようになる。概して、従順

で、まじめな子どもほど、そうなりやすい。友だちと遊ぶときはそれなりに活発なのだが、教室

へ入り、机に向かってすわったとたん、無気力になってしまう。




 こうした症状が見られたら、できるだけ初期の段階で、それに気づき、子どもの心を取りもど

す。よく誤解されるが、「いい高校に入りなさい」「いい大学に入りなさい」というのは、子どもに

とっては、(したいこと)ではない。一見、子どものためを思った言葉に聞こえるかもしれない

が、その実、子どもの心を破壊している。




 だから今、目的の高校や大学へ入ったとたん、燃え尽きてしまったりして、無気力になる子ど

もは、本当に多い。市内の進学高校でも、5~10%が、そうでないかと言われている(教師

談)。大学生となると、もっと多い。

(はやし浩司 アパシー スチューデントアパシー 無気力な子ども 自我の崩壊 同一性の危

機 同一性の崩壊)




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少し前、こんな相談がありました。再掲載します。




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【E氏より】




甥(おい)っ子についてなんですが、小学二年生でサッカークラブに入っています。ところがこの

ところ、することがないと、ゴロゴロしているというのです。




とくに友だちと遊ぶでもなく、何か自分で遊ぶのでもなく……。サッカーもヤル気がないくせに、

やめるでもない。こういう時は、どこに目を向ければいいのでしょうか。




やる気がないのは、今、彼の家庭が関心を持っている範疇にないというだけで、親自身が持っ

ている壁を越えさせることがポイントかな、と思ったりしたのですが……。 




【はやし浩司より】




●消去法で




 こういう相談では、最悪のケースから、考えていきます。




 バーントアウト(燃え尽き、俗にいう「あしたのジョー症候群」)、無気力症候群(やる気が起き

ない、ハキがない)、自我の崩壊(抵抗する力すらなくし、従順、服従的になる)など。さらに回

避性障害(人との接触を避ける)、引きこもり、行為障害(買い物グセ、集団非行、非行)など。

自閉症はないか、自閉傾向はないか。さらには、何らかの精神障害の前兆や、学校恐怖症の

初期症状、怠学、不登校の前兆症状はないか、など。




 軽いケースでは、親の過干渉、溺愛、過関心、過保護などによって、似たような症状を見せ

ることがあります。また学習の過負担、過剰期待による、オーバーヒートなどなど。この時期だ

と、暑さにまけた、クーラー病もあるかもしれません(青白い顔をして、ハーハーあえぐ、など)。




 「無気力」といっても、症状や程度は、さまざまです。日常生活全体にわたってそうなのか。あ

るいは勉強面なら勉強面だけにそうなのか。あるいは日よって違うのか。また一日の中でも、

変動はあるのかないのか。




こうした症状にあわせて、何か随伴症状があるかないかも、ポイントになります。ふつう心配な

ケースでは、神経症による緒症状(身体面、行動面、精神面の症状)が伴うはずです。たとえ

ばチック、夜驚、爪かみ、夜尿など。腹痛や、慢性的な疲労感、頭痛もあります。行動面では、

たとえば収集癖や万引きなど。




さらに情緒障害が進むと、心が緊張状態になり、突発的に怒ったり、キレたりしやすくなりま

す。この年齢だと、ぐずったりすることもあるかもしれません。




こうした症状をみながら、順に、一つずつ、消去していきます。「これではない」「では、これでは

ないか?」とです。


(3)

2009-12-20 09:25:33 | 日記



●教育と医療




 つまりいただいた症状だけでは、私には、何とも判断しかねるということです。したがって、ア

ドバイスは不可能です。仮に、そのお子さんを前に置いても、私のようなものが診断名をくだす

のは、タブーです。資格のあるドクターもしくは、家の人が、ここに書いたことを参考に、自分で

判断するしかありません。




 治療を目的とする医療と、教育を目的とする教育とは、基本的な部分で、見方、考え方が違

うということです。




 たとえばこの時期、子どもは、中間反抗期に入ります。おとなになりたいという自分と、幼児

期への復帰と、その間で、フラフラとゆれ戻しを繰りかえしながら、心の状態が、たいへん不安

定になります。




 「おとなに扱わないと怒る」、しかし「幼児のように、母親のおっぱいを求める」というようにで

す。




 そういう心の変化も、加味して、子どもを判断しなければなりません。医療のように、検査だ

けをして……というわけにはいかないのですね。私たちの立場でいうなら、わかっていても、知

らないフリをして指導します。




 しかしそれでは、回答になりませんので、一応の答を書いておきます。




 相談があるということから、かなり目立った症状があるという前提で、話をします。




 もっとも多いケースは、親の過剰期待、それによるか負担、過関心によって、脳のある部分

(辺縁系の帯状回)が、変調しているということ。多くの無気力症状は、こうして生まれると説明

されます。




 特徴としては、やる気なさのほか、無気力、無関心、無感動、脱力感、無反応など。緩慢動

作や、反応の遅延などもあります。こうした症状が慢性化すると、昼と夜の逆転現象や回避性

障害(だれにも会いたがらない)などの症状がつづき、やがて依存うつ病へと進行していきま

す。(こわいですね! Eさんのお子さんのことではなく、甥のことということで、私も、少し気楽

に書いています。)




 ですから安易に考えないこと。




●二番底、三番底へ……




 この種の問題は、扱い方をまちがえると、二番底、三番底へと落ちていきます。さらに最悪の

状態になってしまうということです。たとえば今は、何とか、まだサッカーはしているようですが、

そのサッカーもしなくなるということです。(親は、これ以上悪くならないと思いがちですが……。

決して、そうではないということです。)




 小学二年生という年齢は、好奇心も旺盛で、生活力、行動力があって、ふつうなのです。そ

れが中年の仕事疲れの男のように、家でゴロゴロしているほうが、おかしいのです。どこかに

心の変調があるとみてよいでしょう。




 では、なおすために、どうしたらよいか?




 まず、家庭が家庭として、機能しているかどうかを、診断します。




●家庭にあり方を疑う……




 子どもにとって、やすらぎのある、つまり外の世界で疲れた心と体を休める場所として機能し

ているかどうかということです。簡単な見分け方としては、親のいる前で、どうどうと、ふてぶてし

く、体を休めているかどうかということです。




 親の姿を見たら、コソコソと隠れたり、好んで親のいないところで、体や心を休めるようであ

れば、機能していないとみます。ほかに深刻なケースとしては、帰宅拒否があります。反省す

べきは、親のほうです。




 つぎに、達成感を大切にします。「自身が持っている壁を越えさせることがポイント」というの

は、とんでもない話で、そういうやり方をすると、かえってここでいう二番底、三番底へと、子ど

もを追いやってしまうから注意してください。




 この種の問題は、(無理をする)→(ますます無気力になる)→(ますます無理をする)の悪循

環に陥りやすいので、注意します。一度、悪循環に陥ると、あとは底なしの悪循環を繰りかえ

し、やがて行き着くところまで、行き着いてしまいます。

 

「壁を越えさせる」のは、風邪を引いて、熱を出している子どもに、水をかけるような行為と言っ

てもよいでしょう。仮に心の病にかかっているということであれば、症状は、この年齢でも、半年

単位で推移します。今日、改めたから、明日から改善するなどということは、ありえません。




 私なら、学校恐怖症による不登校の初期症状を疑いますが、それについても、私はその子ど

もを見ていませんので、何とも判断しかねます。




 ただコツは、いつも最悪のケースを考えながら、「暖かい無視」を繰りかえすということです。

子どものやりたいようにさせます。過関心であれば、親は、子育てそのものから離れます。




 多少生活態度がだらしなくなっても、「うちの子は、外でがんばっているから……」と思いなお

し、大目にみます。




 ほかに退行(幼児がえり)などの症状があれば、スキンシップを濃厚にし、CA、MGの多い食

生活にこころがけます。(下にお子さんがいらっしゃれば、嫉妬が原因で、かなり情緒が不安定

になっていることも、考えられます。)




 子どもの無気力の問題は、安易に考えてはいけません。今は、それ以上のことは言えませ

ん。どうか慎重に対処してください。親やまわりのものが、あれこれお膳立てしても、意味がな

いばかりか、たいていは、症状を悪化させてしまいます。そういう例は、本当に多いです。




 またもう少し症状がわかれば、話してください。症状に応じて、対処方法も変わります。あまり

深刻でなければ、そのまま様子を見てください。では、今日は、これで失礼します。

(はやし浩司 バーントアウト 燃え尽き あしたのジョー症候群 無気力症候群 自我の崩壊

 回避性障害 引きこもり はやし浩司 行為障害 買い物グセ 集団非行 非行 学校恐怖

症 初期症状 怠学 不登校の前兆症状