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あも&サチアキの交換日記

どうやら交換日記が続いているようです(祝何年目?

ホドロフスキーのDUNEを見に行ってきました

2014-06-26 | from:sachiaki
今日はね、歯医者に行ったんですよ。
そんでね、先日の日記で書いた抜歯した後の歯についてどうするか、
なんていう話になりましてね、見積もりを作ったのでどうぞ、
って渡された書類に目を通して驚愕…

ろ、ろ、ろ、ろ、ろ、ろ、ろ、ろく、64万円!?

そりゃぁ現実逃避に映画を見に行っちゃうって。

どーも、カルトな映画が特別好きだってわけでもないけれど
割と単館ものの映画が好物なsachiakiです。

いやー、しかしビビった。
使う素材がジルコニアだからってのもあるんだろうけれど、もう驚愕のお値段でしたわ…。
知り合いの歯科技工士さんにアドバイスを受けて
ジルコニア以外の素材ではダメですか?って聞いてみたものの
「うちでは工場のラインが決まっていて、他の素材では作れないんです」
バッサリ…orz

まぁ素材云々かんぬんは些末なお話で、インプラントは失敗した時や
手術の腕が悪いと他の病気(炎症や感染症)にもなるらしいので、
そういった意味では腕が良いと口コミで予約がなかなか取れない歯医者だっただけに
あまり不安はないんですけどね…
64万円かぁ…

と、ショックのあまり今日はベース兄貴が別の作業場に行っている日なので
そのまま新宿まで電車に乗り、シネマカリテに吸い込まれるように足を運び
ホドロフスキーのDUNE」を観劇して参りました。

このホドロフスキーのDUNEって1970年代にすごく話題を集めるだけ集めて、
映画会社が「この映画は成立しない」って予算を出してくれなかったために頓挫してしまったという
伝説の映画だったのだそうですよ。
で、今日までこのホドロフスキーのDUNEは日の目を見ていないわけなんだけど、
そのDUNEの製作にどれだけの心血を注いだのかっていうインタビューを編集して
「ホドロフスキーのDUNE」ってドキュメンタリー映画になったってわけです。
 ※デヴィッド・リンチのDUNE-砂の惑星-はこのホドロフスキーの脚本を使って作られたものです。
  ハリウッドがホドロフスキーのポップに訴えない仕事に不安を抱いて監督をすげ替えちゃったんですねー…

えー、見た感想としては

とにかくスゴい。
創作を仕事にしている人、
少しでもエンタテインメントに関わっている人なら
絶対に見て損はない
ってこと

むしろ見ないなんて、教典に触れずにどうやって生きていくの!?って言いたいくらい衝撃的でしたw

なにせ脚本となる絵コンテがすでに一つの叙事詩漫画になっていて、
その絵コンテを作った人がフランスの伝説的漫画家のメビウスってだけでも度肝を抜くのに、
3,000枚もの絵を書かせてカメラワークまで細かい所までいっさい妥協なし。

他にもこのグループにはこの人の絵が良いってデザインを頼むのに
後にエイリアンのデザイン画で有名になるギーガーを起用したり、
このキャラクターはサルバドール・ダリ以外ありえない!って
出演交渉をしに行って、ダリの言う無茶苦茶な難題にぶち当たったり。
例えばこんなの
「私はタクシーの扉を開けると必ず砂と時計を見るのだけど、君は見たことがあるかい?」
「見たことはないけれど、時計はたくさんなくしている」
「面白い。次はバルセルナで会おう」
って言ったりして、国を指定しては上のようなクイズを出すみたいなことをされたり、
しまいにはハリウッド1のギャラをくれって言い出されたのを
使用したシーンの分数で1分10万ドルでどうだって交渉したりと、もう大変そうなの><

他にも自分の息子を起用するために武術家のところへ修行に出させ
1日6時間の訓練を2年もさせたり、ミックジャガーに出演をお願いしたり、悪役はこの人以外ありえないって
オーソン・ウェルズにお願いしにいって、映画の撮影中はお気に入りのレストランのシェフをつけるって約束したり、
とにもかくにもいっさい手抜きなし。

また彼の情熱がキラキラとしてて、目を輝かせながらこういうものを見たい!って
頭に描けるようにパッションで語るもんだから
自分がこの人に求められるなら全力で応えなくちゃならない!って思わせる力があるのよね。
映画はアートだと明言しているし、そのためには自身を焼いて犠牲にしなくてはならないって言ったり
お金なんて魂になるものなどなにも持っていないっていって
ポケットの中の悪魔だと罵ったり、もうとにかく烈しい爺さん(85歳)で
この一回の上映ですっかりファンになってしまいましたww

そして、この伝説になった絵コンテ付きの脚本はそれぞれの有名な映画会社に置いてあるそうで、
それを参考にして色々な作品が作られたとあり、
ホドロフスキー自信も「映画は完成されなかったけれど、その芽生えは他のものへと受け継がれた。
私が作らなくてもいい、誰かがこの脚本で作ればいい、それは漫画でもアニメでもかまわない」
っていいながら笑うんですよね、もうそれだけですごくグッときてしまいました。
私の肉体は滅びるけれど、私の思想は生き続ける。
っていう永遠性。
その尊い意志には感激するというより、リアル神を見ているような
そんな気分にさせてくれましたw

いやー、強烈にいいものを見られて良い日だった。
64万円のショックはまだ残っているけれど、
おおむね良い日でありましたよ。

明日も元気に生きようと思います。
そんじゃーの☆モイモイ
コメント
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