やまなし・まちかど図鑑

山梨県内のレトロなまちかど、面白・珍らし物件を凡苦楽庵が探訪します。

シンポジウムで進歩はあるか

2009年06月27日 | みちくさ

旧県立図書館(現・県庁南別館)が、防災新館建設のため取壊されるというので、これを何とか保存できないものかということで、シンポジウムが開かれ参加して来ました。(残念ながら最後まで居られませんでしたが)
旧県立図書館については、過去にとりあげましたが、県庁構内には、同時期に建てられた、議事堂、別館(旧本館)もあり、甲府では珍しい近代建築が集積した場所です。今日のシンポでいくつかのことを知りました。

(1)この旧図書館は、この時代に建てられた現存する図書館建築として数少ないものだそうです(東日本ではここだけ)。
(2)議事堂、別館の様式主義のデザインとアールデコのデザインが共存している場所も極めて珍しいこと。
(3)この時期のRC造(鉄筋コンクリート)建築は、極めて耐震性が高く、阪神淡路大震災でも、この時代のものは殆ど無傷で、戦後のRCのほうが被害が多かったそうです。

県が防災新館を建設するのは分りますが、イコール旧県立図書館の解体にどうして結びつくのか、説得力のある説明がほしいものです。小生などは北別館を防災新館に建て直した方が良いと考えています。万が一県の構想通りになった場合、別館の南に11階建てのビルが建つことになり、景観としても如何なものかと思います。
北口に移築する藤村記念館と合せ、この一帯は甲府でも数少ない歴史的景観を有したエリアになるだけに、後世に禍根を残さないようにしてもらいたいものです。

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
文化財保護とは何だろう (ひろ坊)
2009-06-27 23:49:20
歴史、文化、景観、環境、安全、など色々考えらせられる。
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防災新館ありき (長元坊)
2009-06-28 01:50:30
「防災」というキーワードを錦の御旗として掲げ、邪魔なものはたとえ文化財的価値が高かろうが排除するという姿勢にはかたくななものを感じます。もしかしたら検討委員会で過小評価させて、曳家して保存する道を封印して保存運動等が起こる前に早々に取り壊すことを決めたのではと勘ぐりたくなります。早ければ8月に取り壊しというのは県民の総意なんでしょうか。県民にとっての貴重な財産であり、このような行政の文化軽視の姿勢には不信感と腹立ちを禁じ得ないです。
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Unknown (凡苦楽庵)
2009-06-28 12:35:22
8月とは、あまりにも急ですね。模型を見ましたが(画像で)、内藤多仲の本館も霞んでしまうボリュームに驚きました。今の本館にしても、あと20年もすれば、歴史的価値がさらに評価されるのではないでしょうか。山梨が生んだ「耐震建築の父」の作品と、それらを取りまく昭和初期の貴重な建築群とを考えると、今回の防災館は規模と言い位置と言い、ミスマッチは明らかです。きっと後悔することになると思います。
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何をしたらいいのでしょか。 (峡陽文庫)
2009-06-28 22:10:10
 旧県立図書館の保存については言うまでもありません。淡々と防災新館建設の計画が進む中で、保存を望む者はどうのようにしたらよいのでしょうか。
 保存を望む方々が必要な対応や行動をなされていることも伝えられていますが、何か行動をしなければ、時間だけが確実に進んでいき、気がついた時にはどうすることもできない状態になってしまうのでは…
 
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はがゆいですね。 (凡苦楽庵)
2009-06-29 08:28:25
峡陽文庫様、こんにちは。こういう保存問題はいつも難しいとつくづく思います。建築の専門家だけでなく、広く市民団体の人たちとも連係して、市民運動として展開できれば少しは県側にも届くかなぁと...。小生にできることは、このようなブログで細々と、文化の大切さ、歴史の重みなどを伝えられれば、という程度で力のなさにはがゆい思いをしています。
願わくば現在の知事さんが後世になっても、悪い評価で語り継がれないことを願っています。過去の為政者の良い評価は箱物を作ったからではなく、文化を創ってきたからだと思います。
県庁構内の歴史的建物群の存在は、山梨の新しい文化を創る絶好の素材だと思うのは小生だけではないと思います。
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今日のサンニチ新聞にも (ひろ坊)
2009-06-30 22:06:16
今日(6月30日)のサンニチ新聞朝刊にも根津嘉一郎が寄付したこの建物を保存したら良いという論調で記事がありましたね。

やまなし県政だより特集号Vol.21(6月30日発行)に「県民の生命と財産を守る防災拠点作りを進めます。」という記事がありました。読んでいてそもそもこの場所に防災新館を建設する必要があるのかな?幾つかの省庁や多くの地方自治体で公開で行われている「事業仕分け」を行ったら「防災新館」事業は、このままの計画で行われるだろうか疑問だ。記事の中で耐震基準(Is値)が出ていたが本館や北別館の耐震診断調査結果が出ていないのだが最低でも0.6以上のレベルがあるのかな?なぜ載せてないのかな?
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耐震診断 (凡苦楽庵)
2009-07-01 17:59:42
本館は数年前免震構造に改修しましたね。南第一別館(旧図書館)の数値は掲載されていませんでしたが、先日のシンポジウムでも出ていましたが、極めて耐震性は高いそうです。それをわざわざ壊すのですから、よく理解できません。
それと、騙されやすいのですが、「防災新館」といったって、そもそも現在の別館に入っている、教育委員会と警察本部、それに、現在の情報プラザの機能を集めたもので、屋上にヘリポートを作って「防災新館」と称しているわけです。
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まだ希望はある (長元坊)
2009-07-02 21:54:28
嘆いていてもなるようになってしまうだけ。先日のシンポジウムで再確認された「極めて希少性の高い昭和初期の図書館建築」「阪神淡路大震災クラスにも耐えられうる耐震性があると思われる」等々、検討委員会ではさほど議論の的にならなかった(らしい)重要なポイントの指摘によって、それでも県民みんなの財産を壊さなければならない合理的な理由はかすんでいくのではないでしょうか。深い議論がなされぬまま既成事実を作ろうとする姿勢は、今の世の中決して支持されるものではないと思います。さらにいえば、検討委員の一部からなされたという曳家した場合の景観悪化説(笑)や、地下の遺構を破壊する説(笑)は、議論の本質からかけ離れているものでしょう。いずれにせよ県民にとってかけがえのない財産を、当初予想したものよりも少ない費用で残せて、防災新館とも共存できる、これを恣意的に意図的になんくせつけて妨害しようとする動きがあるとすれば、公共の利益に著しく反する行為になるのではないでしょうか。いずれにせよ、旧図書館のもつ歴史的文化財的な価値をさまざまな場面やメディア等を通じて、みんなでもっと声高に主張するなかで、合理的理由がないまま(万が一にもメンツとかで)破壊を前提とした事業計画を急ぐ動きにまったをかけるムーブメントにしていきましょう。
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同感です。 (コアラな母)
2009-07-02 22:17:39
(建物を造る)仕事をつくらないといけないのでしょうが、それは一時的な雇用をつくるだけで、継続にはならない.....

http://www.kofucci.or.jp/t-contest/
  ↑
こういうので、甲府近代建築ツアーなんて応募してみようかしらなんて思っていたんですが....ツアーポイントへらさないでほしいなぁ~~
旧甲府郵便局の丸階段が恋しいわたしです.....
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ツアーコンテスト (凡苦楽庵)
2009-07-02 23:31:36
コアラな母さん、面白い情報ありがとうござてます。
「やまなし・まちかどツアー」を応募してみようかな~
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