「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

琳派への旅

2008年11月12日 | 旅の足あと
「いづくにもあれ、しばし旅だちたるこそ、めざむるここちすれ」は兼好法師の言葉ですが、「めざむる心地」を期待して上京してきます。4年ぶりの東京です。

 関東地区にお住いの方々のブログで、今年は光琳生誕350年にあたり、東京国立博物館で「大琳派展」が開催されているのを知っていました。
 雪月花さんはまだ暑いうちから案内を小魚庵便りで掲載されていましたし、展覧会を見ての卓越した見解もありました。別所沼だよりの蛙さんの記事は多くの画像を伴って展覧会の感動を伝えておられます。
 「琳派、琳派」と騒々しい私にいろんな方からご親切なお誘いがあっていましたが、先日、思い入れの激しい私を見かねてでしょう、紫草さんから、思いもかけず分厚い図録が送られてきました。
 繰り返し眺めるうち、これほどの大集合は滅多に見られるものではないと、重い腰を上げる踏ん切りがつきました。皆さんのブログをはじめ、予習もできて、密度の濃い見学が期待できそうです。
 あまりに盛り沢山ですから、一日だけの日程ではどれだけを観ることができますか心もとないのですが、的を絞って大和文華館や、細見美術館、根津美術館で見たもののうち、再確認したいものや、兼ねて一度見てみたいと願っていたものに的を絞って、見るべきものを見るようにしようと、心弾ませています。
 出光美術館の「名品展」で、風神雷神の対比を見たとき以来の感動が、今回は宗達、光琳、抱一、其一と、個性的に際立つ四人の揃い踏みの展示で鮮やかに蘇ることと期待しています。 
 思い返せば昭和47年今から30数年前に「東京国立博物館創立100周年記念特別展 琳派」を東博で見て以来です。同じ作品も大分展示されていますが、長い年月を隔てて、自分の目にどう映るのか今からわくわくと予想しています。

 足弱の二人旅では、その日の調子次第、予定も組むことはできません。2泊3日の慌しい一っ飛の旅になりますが、明日から土曜日15日までは「おのぼりさん」です。


俵屋宗達下絵・本阿弥光悦筆 鹿下絵新古今集和歌巻断簡 秋の歌 山種美術館