「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

秋の想い

2008年11月09日 | 絵とやきもの
 描き溜めた小さな「はがき絵」を整理した中から、自分なりにテーマを決めて模索したものを記録しておくことにしたものです。

<
 秋の季節は「井筒」を好んで謡います。その舞台のイメージで、すすきを何枚も描きますが「こころあまりて」で、納得できないでいます。
「昔男の 名ばかりは。在原寺の跡古りて。松も老いたる塚の草。これこそそれよ亡き跡の。一叢すすきの穂に出づるはいつの名残なるらん。草茫々として露深々と古塚の。真なるかな古への。跡なつかしき気色かな。」手桶を提げ、数珠を手に登場する美しい女を思い浮かべながら、やがて静かな錯乱の中に、われと人との混濁を舞う姿を髣髴しながら筆を運ぶのは結果は別において、私には至福の雅の時間です。
 李朝の壺?は、眺めても飽きることがありません。次第に異形のものになり、気品がなくなってしまいましたが、何枚も描いています。ひとつには、技法の修得のためでもあります。
 最後の1枚は口直しの遊びです。(すすきと壺は各二枚入っています)

<