日銀のマイナス金利政策は銀行の収益に打撃を与える。
東京株式市場を見ても分かるが、金融株は他の業種に比べて値下がりした。
マイナス金利下では、人々はより貯金しようとして消費しない。
今日銀は政策を変える時だ。
金利を変えるのではなく、ヘリコプターマネー政策や(政府による)景気刺激策を行う次の局面に来ている。
どんな解決策でもやってみる価値がある。
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[東京 14日 ロイター] 米資産運用会社ダブルライン・キャピタルを率いる著名投資家ジェフリー・ガンドラック氏は、世界的な金利上昇が起きつつあるとの見方を示した。日本と欧州におけるマイナス金利政策の失敗を教訓に政策の軸足が金融から財政にシフトしようとしているのを市場の一部がいち早く察知したと指摘している。
東京都内で開催中の「みずほインベストメントコンファレンス」で13日に講演して語った。
ガンドラック氏は「私がこれまで35年運用の世界にいて学んだのは、マーケットに『絶対』はない、ということ。『金利は永遠に低いままで絶対上がらない』などと言われるが、それはつまり、金利上昇が現実に起きつつあると考えるべきなのだ。最近の市場をよく観察すれば、現にドイツ、日本、米国と金利は静かに上昇している」と話した。
前週には独連邦債10年物の利回りが6月以来初めてプラス圏に浮上。日本の長期金利も一時マイナス0.01%とマイナス解消寸前に迫った。さらに米10年債利回りは13日に約3カ月ぶりに一時1.75%を回復した。
ガンドラック氏はその背景として、日本と欧州でのマイナス金利政策の導入など、世界的に金融政策の限界が意識されていることがあると指摘。マイナス金利については、消費ではなく貯蓄を促進する効果があり、銀行を痛めつけて金融システムを破壊する、と批判的だ。
「日本がマイナス金利政策を導入して以降、円は上昇。日経平均株価は上がらず、経済も改善しない。つまり、マイナス金利には政策当局が望んだ効果がなかったことが明らかだ」という。
さらに、各国中銀はこれら一つ一つを実証結果として学んでいるはずだとして、今後はマイナス金利政策を放棄し、財政政策による景気刺激を選択するだろうとの見方を示した。いわゆるヘリコプターマネー政策が実施される可能性もあり得るとしている。「債券投資家にとって財政政策はネガティブ。債券市場はいち早く財政拡張の足音を察知している」と指摘する。
米大統領選については、共和党のドナルド・トランプ候補が勝利すると予想。同候補だけでなく民主党のヒラリー・クリントン候補も、ともに財政出動を公約に掲げていると述べた。
「新債券王」の異名をとるガンドラック氏は、米ロサンゼルスに本拠を置くダブルライン・キャピタルの最高経営責任者(CEO)。同社の6月1日時点の運用資産は1000億ドル超(10兆円超)。
(植竹知子 編集:伊賀大記)