2018/8/14日経新聞
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は13日、2017年度のESG(環境・社会・企業統治)に関する取り組みをまとめた「ESG活動報告」を発表した。ESGに優れた企業に投資するため、昨年7月に米MSCIなどが算出する3指数を採用した。17年度の年間収益率は13~15%台と、いずれもベンチマーク(指標)とする東証株価指数(TOPIX)を下回った。
GPIFがESG報告書を出すのは初めて。昨年から長期的な利益を確保する目的で、市場全体の底上げやリスク低減につながるとみられるESG投資を推進している。
17年度には国内株式を対象に3つのESG指数を選定したほか、投資の対象も株式から債券など全資産に拡大した。
採用を決めたESG指数は「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」「MSCI日本株女性活躍指数」「FTSEブロッサムジャパン指数」の3つ。最も収益率の高かった「女性活躍指数」は15・29%、低かった「リーダーズ指数」が13・74%で、TOPIX(15・87%)を下回った。
GPIFはESG投資の効果は投資期間が長期になるほど発揮されるとみている。取り組みの方向性を確認するためにも定期的な検証が必要との考えで、ESG活動報告は今回を皮切りに毎年、発行する方針だ。